「明確なイメージを持てるものは、実現する。」これは、子育てでも使える考え方でした。

最近、真ん中の子どもにスキーを教えました。

 あまり運動が得意ではない彼ですが、ボーゲンの形で緩やかな斜面をすべり、スキーを広げて止まる、という二つの動作をマスターしただけで、一気に滑ることができるようになりました。

 スキー場のリフトはまだ不安なので、落ち着いて乗降できるゴンドラに乗って、初心者コースを滑ってみます。最初から、すいすい滑る息子。ちょっと急なところはゆっくりと滑り、教えていないのに左右にボーゲンで曲がれるようになりました。すごく楽しそうに滑り、滑り終わると本当に嬉しそうにニカッと笑いました。

 ちょっと、驚きました。なにしろ、本当に運動が得意ではない息子なのです。スキーだけがずいぶんと上達が早い。なぜ。なぜなのだ。ずいぶん自信をつけた様子を見て、私も嬉しくなりながら、どうしてなのかと考えていました。


 ここでちょっと自分の話を。私は、運動が得意ではありません。子どものころから、体を動かすのは大好きでしたが、スポーツとなるとびっくりするようなトロイ動きをする人として有名でした。走るなど、単純な動きはそんなにトロくないのです。おそらく、単に不器用だったのだと思われます。

 そんな私が、割といい成績を残したのがスキー。まあ、上手な方ではありませんがスピードを出して滑るのは爽快で、本当に大好きなのです。

 そこで思ったのです。息子がスキーをあっというまに習得したのは、私がスキーを好きだからなのではないかと。

 もっと言うと、私が、「スキーはこのように滑るもの」という明確なゴールをイメージできているから、教え方も違ったのではないかと。私がはっきりとしたイメージを持っているから、息子にも伝わりやすかったのではないかと。


 「明確なイメージを持てるものは、実現する。」思えば、そんな経験は今までに数多くしてきました。受験の時には合格して喜んでいる自分の姿がリアルにイメージされていたし、就職試験のときにも自分の仕事ぶりを明確に想像していました。明確にイメージできたものは、すべてその通りになっているのです。

 もしかしたら、子どもにスキーを教えるときにも、私自身が明確なイメージを持てていたから、すぐに習得できたのではないかと思いました。


 この考え方を、子育てに応用してみたいと思います。子どもがさっさと宿題をしないとか、寝転んで漫画ばかり読んでいる、という状態があったとします。もしかするとこの状態は、関わる私のほうが「さっさと宿題をしない、寝転んで漫画ばかり読んでいる子ども」を明確にイメージしてきたからその通りになっているのかもしれません。であれば、「さっさと宿題を終わらせて、思う存分楽しそうにやりたいことをしている子ども」を明確にイメージすることができれば、子どももそのイメージを共有してそのような行動をとりやすいのではないか。なんだかワクワクしてしまいます!

 「子どもは期待すると伸びる」という考え方もあり、「過度な期待はよくない」という考え方もあります。どちらもきっと正しいのですが、たぶん問題になるのは、期待の量の差ではなくて、「ゴールを明確にイメージできているかどうか」の差ではないかと思うのです。

 ゴールをイメージせずに、単純にがんばれがんばれと急かされても、あまり希望は持てません。「過度な期待はよくない」に込められている意味は、関わる大人自身があいまいなイメージしか持っていないのに行動だけをさせようとするのはよくないよ、という意味なんじゃないかと私は考えます。

「子どもは期待すると伸びる」も、同じ意味がこめられていて、「この子は、こうなる」とはっきりとした映像的なイメージを持っていると、自然とそのイメージは子どもにも共有されて、ものごとがうまくいくということなのではないかと。


 結論。これからは、くっきりはっきり隅々まで、子どもに対していいイメージを持って接しようと思います。

 今後が楽しみです!

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