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とことん褒めることしかしないからクリエイティブな人が育つ@LA

今年は仕事でも、仕事じゃなくても「やりたい」と思ったことは、とりあえずやってみようと思います。例えば、観たいと思った舞台はとりあえず行く、やってみたいと思うクラスやワークショップには迷わず参加する、行ってみたいところにはまず行ってみる、会ってみたい人には会いに行く。基本、引きこもり出し、人見知りだし、「初めて」はやっぱり、ちょっと勇気が必要だけど、「やりたい?やりたくない?」を常に自分に問いかけ、なるべく直感を大切にしてみようと思います。これ2020年の目標。

今年入ってから何か見るだけでなく、アートを体験してみたい、何か創ってみたいと思っていたところに見つけたLAのアーティストが開催しているMix media workshopでした。私がここで書きたいのはその一日の出来事ですが、一番書きたいのは、そのワークショップの先生と参加した女性たちのことです。

Fearless Creating

Mix media workshopは、サンタモニカの少し北、小高い山の途中にあるアーティストのKathyの自宅兼スタジオで開催されました。朝10時〜4時まで、1日かけて1つの作品を作ります。

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ちなみに、私は絵を描いたこともないし、アートを勉強したこともないし、色鉛筆を持っても、うーーむ、どうしたものかと手を動かせないレベルなので、参加させてもらえるのか?とも思ったのですが「Designed for all levels of experience」とあって、何よりワークショップのタイトルに「Fearless Creating」という言葉があったのが参加の決め手でした。具体的に何かを期待していたわけではないのだけれどアートじゃなくても、誰にでもどこか「クリエイティブになることへの恐れ」ってあるように思えたので、「Fearless Creating」で何か創るってどんな風に教えてくれるんだろう、と興味もありました。

この日は本当によく晴れた気持ちの良い日で、Kathyのスタジオのお庭に

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椅子を並べて、最初にKathyからクラスの説明があって、参加者が順番に自己紹介しました。参加者は私を含めて9人。うち初参加は私と若いミュージシャンだけ。他は全員、私より年上の女性たち。みんな、ある程度の年齢になってもアートを学んだり創ったりしてるのって素敵だ。

最初にKathyが語った言葉が印象的でした。

私は学校で教えるアートのクラスが嫌いです。こういう作品が素晴らしくて、こういう作品がダメ。こういう時はこういう手法を使うべき。私はアートには答えなどないと思っています。あなたがクリエイティブに創るものがあなたの正解。私はその手法のアイデアを伝えるだけです。

室内、お庭と、みんな思い思いの場所で創作を始めます。

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最初に、自分がピンと来るイメージを雑誌などから選びます。色だったり、テクスチャーだったり、形だったり、写真やイラストだったり。自分の創るもののキーワードや色のパレットがだいたい決まります。

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私はこの「花」モチーフに惹かれ、すぐ決まりました。
順調なのは、ここまで(笑)。

Kathyがいろいろな手法を見せてくれます。
が、いざ始めると・・・手法はわかっても、どうしていいのかわからない。
でも、他の人はまったく迷いもなく、どんどん進めていく。
これがね、アメリカのすごいところなんです。アートでなくても、小さい頃から「be creative」と言われて育つ人たちのクリエイティビティ。
でも私は手が止まっているから、他の人がどんな風に進めているのか、気になる。この時、すごく思いました。

あ〜〜私、答えを探してる。

どうするのが正しいのかって。
そして、すっかり忘れていた中学の写生の授業を思い出しました。
美術の先生に「これは違うな」と言われたことを。
「違う」というのが、単に下手だと言われたのか、写真のようにまんま描くことが正しいということだったのか、わからないけど、それから美術の時間が苦痛になったな、と。そもそも美術は嫌いだったんだろうか?それさえわからない。

とにかく、先のKathyの「間違いなどない」という言葉を自分に言い聞かせ、それからは没頭。。あぁしたい、こうしてみたいと思っても、まだ手法がわからなくて時間もかかるし、アドバイスもらいながらだけど悪戦苦闘。でも創っている時間、本当に楽しかったのです。

そして、何がすごいって、この制作している5時間もの間、先生はもちろん、参加者がお互いにどれだけほめ合っていたかということ。私にも「ここが好き」「この配置がすごいいい」「色が素敵」と、いいところを見つけて、みんなが声をかけてくれるんです。実際、みんなの完成した作品は本当に素晴らしくて(お世辞じゃなく)、私も一人ひとりに感想を伝えました。同じような材料を使っていて、こんなに出来上がるものが違うって、みんな感性が違って、みんな素晴らしいと素直に思えたし、アートそのものが素晴らしいと思えました。

誰もがクリエイティブな感性を持っていて、ジャッジされることなく、こんな風に褒められて育てば、素晴らしいアーティストは生まれるだろうな。

この日、私と同じ初めて参加したミュージシャンの女の子は、普段から絵を描いたりしているそうで「アートは私にとってメディテーションみたいなもの」と言ってました。純粋なクリエイティブな感覚を呼び起こしてくれる集中した時間だと。
アートってそういう存在なのかもしれない。創る側もそうだし、その出来上がったアートを見て、見る人のクリエイティブな部分に振動として伝わって共鳴するみたいな。

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中でも私が素敵だと思った作品がこちら。

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かっこいい。

そして、私が生まれて初めて創った作品がこちら。

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とにかく楽しかった。

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教えてくれたアーティストのKethy。
「とってもハッピーが伝わってくる作品になったわね」と言ってくれました。

文章を書くのも、絵を描くのも、本を創ったり、商品を創ったりも全部、クリエイティブな作業。だから、たまには無邪気にクリエイティブに遊ぶと、何か見えてくるものがある気がします。いろんなことが学べた貴重な一日でした。行って良かった。

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余談ですが、人見知りでスモールトークも苦手な私ですが、この日はランチを食べながらオスカー前日だったので映画の話をしたり、ワンコの話をしたりと楽しい時間を過ごしました。ワンコを飼ってる人が多いので、ワンコの親バカ自慢で盛り上がります。

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Rinko Kimino(君野倫子)
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