見出し画像

2020.8.22 FC町田ゼルビア vs レノファ山口

やっと勝った!それに尽きると思います。

試合を追うごとに内容は良くなっていましたが、決めるべき時に決められず勝ち点を落とす試合が続いていました。前節のジュビロ戦はこれが顕著で、試合終了間際には決定機が3度ありました。

ですが、この試合では決めるべき時に決めることができたため、試合の流れを相手に渡すことなく、主導権を握り続けることができました。

そして、この試合では勝ち点3と同じくらい大事なものを手にしたと私は思っています。ではその勝ち点3と同じくらい大事なものとは何なのかをこれから述べていきたいと思います。

スタメン

スタメン

ゼルビア
4-4-2
ステファン-中島の2トップ
平均身長(GK除く):176.3cm
山口
4-2-1-3
前節から4人変更
平均身長(GK除く):177.9cm

決定機を確実にモノにした勝利

前半はステファンと中島の2トップをターゲットにしたロングボール中心のカウンター、攻撃が多く、どちらかといえば"失点をしないこと”に重きを置いているように見えました。

そんな中、14分に先制に成功します。またセットプレーかよ...とリアルタイムで見ることができず、テキスト速報で試合を追っていた私は思ってしまいましたが、確実にチャンスをモノにした先制点だと試合を見返して気づきました。

この試合のコーナーキックの数は先制点に結びついた平戸のコーナーキックの1本のみ、ペナルティエリア付近のフリーキックも2~3本程度だったと思います。いつもならセットプレーの数が多く、1試合で何種類ものアレンジ、トリックプレーが見られ、クロスを上げるところまで至らずフラストレーションの溜まることが多かったですが、この試合ではシンプルなコーナーキックで確実に相手を仕留めることができました。

今までの試合の何種類ものトリックプレーが大きなフリになったというのは大げさかもしれませんが、相手に試合前からセットプレーにおける戦術的疲労を蓄積させていた成果であると言える先制点かもしれません。

そして守備での役割を十分果たした2トップをハーフタイムに交代させ、2トップの組み合わせは安藤-平戸になります。

後半は前線のサイズが無くなったため、攻め方も少し変えてきました。奪ったら前を向いて、ロングボールを入れて前線で溜めを作った前半とは違い、後半は奪ったら斜め前を見ることを意識していました。ベンチからも「逆サイド」という言葉が聞こえてきたので、狙いとして斜め、逆サイドを見ていたのだろうと思います。

ですが、山口もハーフタイムにもう一回エンジンをかけて、攻めてきていました。そんな山口の出鼻をくじくような2点目が入ります。

Wの字を描くように、前線に当て、その落としを斜め前に振って相手を混乱に陥れ、最後は個人的に大好きなダイアゴナルラン、斜めに走りスペースに飛び込んだ安藤へ岡田がクロスを入れ、落としを利き足とは逆の左足で平戸がシュート。

2点目

追加点の形はこの5連戦で作り上げたこれからのゼルビアの新たな得点パターンになりそうな予感がします。ついにセットプレーに頼らない流れの中からの得点パターンの誕生ですね。

そしてこの2点目を非常に良い時間で取れたため、山口のメンタルにダメージを与えることができました。また、チームのムードメーカーである平戸の得点、そして待望の流れの中からの得点によりチームの雰囲気が良くなったことで、我慢の時間でも相手の攻撃を凌ぎ、ボールの支配は譲ったもののゲームの支配はさせることなく、試合を終えることができました。


あえて動かない 勝つためのやり方

先発したステファン-中島の2トップは意識的に山口の中盤の高を見るような守り方をしていました。どちらかがHVへプレスに行ったらもう片方の選手が高を見る感じです。また、プレスに行った選手も高へのパスコースを消すような守り方、いわゆるカバーシャドウの動きをしていました。

BU妨害

ではなぜ、ここまで高を気にしていたのか。それは山口が思い通りに攻撃するには、高の高いボールの配球能力を生かし、WGにボールを供給する必要があったからです。また、この試合ではFWのイウリという前線のターゲットマンが先発していなかったので、山口はどうしても地上戦に持ち込むしかなかったという理由もあるかと思います。

そのため、山口は3-1のビルドアップ隊で前進を試みますが、ゼルビアの2トップが”1”の高を監視しているため、なかなか思うように前進することができませんでした。

もちろん高い位置をとったSBにボールが入り、サイドで起点を作られることもありましたが、ボールを奪うことに長けた奥山-小田の「O2」がチャンスを作らせません。SHの献身的なプレスバックもあり、サイドでの対人勝率はかなり高かったと思います。

ですが、後半途中に森や田中パウロといった個で打開できる選手が交代で投入されると、守備が後手に回ってシュートを打たれ、秋元のファインセーブで助けられたシーンも2度ありました。

5連戦の最後で後半ともなると体力的に厳しかったこともあると思いますが、それでも後半から出場した岡田、土居、ノリエガなどが良く動いて、チャンスの芽を摘んでいました。


試合結果

山口 0-2 町田
得点者:14'小田 逸稀
    51'平戸 太貴


さいごに

勝ち点3と同じくらい大事なもの。それは決定機を確実に仕留めること、ゲームをコントロールすること、この2つが出来たことが勝ち点3と同じくらい大事なものではないかと思います。

そして待望の流れの中からの得点ですよ。それも本ブログで再三求めていた再現性のある動きと、3人目の動きの合わせ技で、私はとても嬉しかったです。

また、初出場でプロデビュー戦だったノリエガは積極的に攻撃参加するアグレッシブなディフェンダーでとても好印象でした。必要以上に腕を使ったディフェンスや持ち場を離れすぎたところでのプレーなど改善の余地はあると思いますが、残りのシーズンでの活躍が楽しみです。

今節もお読みいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?