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2020.9.9 FC町田ゼルビア vs ツエーゲン金沢

いやー悔しい。

これぞ4-4-2のミラーゲームという堅い試合で、噛み合わせではないところで違いを作るべきだった試合でこのような結果になってしまったのが悔しいですねえ。

別に負けた訳ではないですけどね(笑)。

でも連戦でメンバーを固定していたので、守備の出足のところやボールを奪ってから縦に速く攻めるという今年の持ち味が出せなかったですね。どちらかと言えば金沢のペースで試合が進んでいった印象でした。

それでは詳しく見ていきます。

スタメン

スタメン

町田
4-4-2
前節と同じスタメン
平均身長(GK除く):174.9cm
金沢
4-4-2
前節から2人変更
平均身長(GK除く):179.1cm

時間とスペース、そして適切な判断によって生まれた奥山のプロ初ゴール

サイドで奥山と髙江がパス交換をする中で生まれたこのゴール。決してこの2人だけで生んだゴールではないことを強調したいと思います。

パスコースを空けた岡田や金沢の選手の目線を引っ張った安藤や平戸のゴールとは逆方向に向いた動き。そして以前の試合から積極的にゴール前に顔を出していた奥山の斜めのランニングと、時間とスペースを与えられた時のプレーが光る髙江の角度を作るドリブルとズレの無いパスというチーム全体がベストな動き、選択をしたチームとして奪ったゴールだと思います。

先制点


SHの対応に苦労し続けたゼルビア

金沢は4-4-2とゼルビアと同じフォーメーションを採用しているものの、中盤の位置取りに違いがありました。金沢はSHが内側に絞って、SBやFWに大外のスペースを譲るような位置取りをし、ゼルビアのDFラインとそのひとつ前のMFのラインの間に構えることで、ゼルビアのSBとCHを本来いるべき場所から引っ張り出すという役割を担っていました。

大外空け

これはゼルビアのハーフスペースが空きやすいというスカウティングに基づいているのか、それともいつも通りの形なのかは金沢の試合を今季初めて見た私にはわかりません。でも選手たちのやり慣れている感じを見ると、いつも通りな気がします。

この金沢のSHへの対応が後手に回ったことで、大外のスペースにオーバーラップしてきたSBやフォローにきたCHへの対応がすべて後手に回り、自陣深い位置でボールを持たれる時間が長くなりました。

では、このSHにどう対応すればよかったのでしょうか。この試合特に後手に回っていたのはゼルビアの右サイドでの守備で、小田と海舟の2人で対応したものの、中央へカットインされることが何度もありました。そのため、2人で協力してカットインさせないように中央を切って後ろにボールを戻さざるを得ないようにすること、数的優位を生かしボールを奪いきるといったように対応すべきではないかと思います。

そして、SHが内側に絞ってきたことによって、SBが大外のとても高い位置まで上がって来るため、必然的にゼルビアのSHも低い位置まで戻って守備に参加せざるを得ません。このため、ポジティブトランジションでのスタート位置が低くなり、カウンターを発動することが難しくなりました。そして今季のゼルビアの特徴でもある縦に速い攻撃をすることができませんでした。果たしてこれも金沢のゲームプラン通りなのでしょうか。


押し込まれた時の無力感

この試合では疲労なのか、それともスイッチを入れるタイミングが見つからなかったのかで、もう一つの今季のゼルビアの持ち味である出足の速いプレッシングができませんでした。

そのため容易に1stプレッシャーラインを突破され、CHの2人が晒される場面がかなり多かったです。そして上に書いたようにSHの特殊な位置取りに混乱し、押し込まれる展開が続きました。

そしていざボールを奪ったとしてもSHがかなり低い位置にいて、FWのどちらか1人、もしくは2人ともが守備に戻っていたため、前線に人がおらず、まずは陣地回復のためにロングボールを選択せざるを得ない場面が多かったです。

繋げばよかったじゃん!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、金沢のネガティブトランジションの切り替えが早く、攻撃時に前線にかなりの枚数をかけているのもあり、繋いだとしてもすぐに囲まれ、ボールを奪われてしまいます。三角形の中に侵入して行ったボールホルダーが、三角形の大きさが小さくなっていくにつれて窒息していくような奪われ方でした。ここら辺の金沢の感じは去年までのゼルビアに近いものを感じました。

そのため、まずはロングボールを選択し、最終ラインの押し上げを優先せざるを得ない状況でした。前線でターゲットとなる選手もスタメンにはいないので、安藤や平戸がなんとか頑張って収める→SHやもう一人のFWがセカンドボールを回収するという形がロングボールをマイボールにする方法でしたが、これもなかなか難しかったです。ただ、ロングボールを受けるところでファールを貰えたりマイボールのスローインになる場面も多く効果的な選択でもありました。

SHのスタートポジションが後ろ過ぎたこと、そもそも前線でマイボールにできないなど複数の要因がありましたが、次節までにどうこうできるような簡単な問題ではないので、ポジトラでいかにマイボールにこだわるかどうかのところは今後注視していきたいポイントです。


試合結果

町田 1-1 金沢
得点者:40' 奥山政幸
    60' 島津頼盛

さいごに

非常に良い形、良い流れで先制点を奪っただけに、クロスから簡単に合わせられての失点はもったいなかったですね。しかし、金沢のクロスまでの流れは試合中に何度もあった流れで、早く傷口を塞ぐことができたはずではあったので、試合中にピッチの中のメンバーでのコミュニケーションやベンチからの指示で何とかできなかったかなーと悔やまれる失点でした。

そして2度目の5連戦も次でラストとなりますが、4試合連続でメンバーを固定しているのでスタートから疲れの見える選手も多くなってきたので、次節はSHやFW、CBあたりのメンバー変更があってもいいのではないかなと思います。


今節もお読みいただきありがとうございました。

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