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2024.8.31 FC町田ゼルビア vs 浦和レッズ マッチレビュー

おはこんばんにちは。

国立浦和戦の振り返りです。

前節はアウェイで新潟と対戦し、0-0のスコアレスドロー。両チーム少ない決定機でハイライトシーン少な目の展開でしたか、両チームの駆け引きであったり、玄人が好みそうな試合でした。

後ろから広島が迫ってきている中で、過去1勝もできていない国立での試合です。振り返っていきます。

スタメン

町田:4-4-2
前節から両SHが変更。仙頭と柴戸が出場不可のため、ベンチに負荷の高いCHの控えがいない難しい人選。大学リーグがお休みなので、桑山が久しぶりにベンチ入り。

浦和:4-3-3
監督交代が発表され、暫定指揮官が指揮を執る試合。この前のマリノス戦もそんなんだったな…浦和は8月に試合の中止が続き、最後に90分試合をしたのが8/17のアウェイ鹿島戦。この時は、0-0で引き分け。先週の前半45分だけの川崎戦のスタメンからはグスタフソン→小泉。武田、中島あたりがベンチから外れている。

ポケット狙いからのクロス攻撃

この日のゼルビアは序盤からロングボールを中心とした攻撃が多かった。最近は、保持を意識しすぎて勝てない試合も続いたが、原点回帰というところだろうか。

ただ、序盤は浦和が前線からハメにくる姿勢を見せてきたため、様子見も兼ねて蹴っていた節もあった。特に渡邊と小泉がリンセンと連携を取りながら、下田白崎の両CHに圧力をかけ、ボールを奪ってからショートカウンターみたいな形も何度かあった。ここはゼルビアのバックパスがスイッチになっていた。

ゼルビアは基本的に、SBのところにロングボールを入れることを意識。浦和は両SBのサイズがないのと、右CBの井上もそこまでサイズがないので、左サイドで競り合うシーンが多かった。

相手都合もあるが、ゼルビアの都合で左が攻撃の中心だった。前節の振り返りで「エリキシフト」なんて書いたが、今節の荒木も前節のエリキと同じ役割だった。詳しく書くと、左サイドに寄ってきて、攻撃時の数的優位とセカンドボール争いで優位に立つための工夫である。そして今節に、これは左SHを組み立てや起点役ではなく、クロッサーに集中させるための仕組みでもあると認識を改めた。

そして、この日はナサンホvs石原の1対1でナサンホがかなり優位に立っていたので、面白いように左サイドからクロスが上がってくる。実際、1点目以外もナサンホから決定機を演出するクロスが上がってきていた。サンホ、左利きの精度もあるなら、どうしてカットインばかりやっていたんだ…

一方の右サイドは、荒木が左サイドに寄っているので、右SBのヘンリーがサイドに開いて、かつ高い位置を取ることで、左利きの中山から対角のボールを中心に起点になって、クロスを上げることが多かった。

クロスが多かったのは、サイドの1対1で優位に運べたこともあるが、クロッサーと出し手への規制が少なかったことも要因としてある。

そのため後半からは、ヘンリーの高さで質を取るのではなく、鈴木準弥のクロスの精度で質を取っていく交代を行った。コメントにあったようにヘンリーの気持ちに揺らぎがあり、穴になっていたことは否めない。

–望月ヘンリー海輝選手が前半限りで交代となりました。試合前までの様子と選手交代をした意図を聞かせて下さい。
「そこまで経験のある選手ではないですが、期待を込めて、いろいろな形で起用しています。ただ重圧の掛かる試合には平常心でプレーできないメンタルの弱さもあります。日本代表という重い荷物を背負わされるような状況で試合に入りましたし、まだプレッシャーを力に変えられるような選手ではないですから難しい状況だったかもしれません。」

https://www.zelvia.co.jp/match/game/255737/#report

てなわけで、浦和の出し手と受け手への規制が甘いことと、サイドで質を見せれたことで、クロスを何本も上げて、チャンスを作ることはできていた試合だった。あとはゴール前の精度。

HTでの守備の修正

前半の浦和の保持時は、アンカーの安居をなかなか捕まえられず、縦パスからテンポを上げられて自陣に攻め込まれるシーンが続いた。特に、奪いに行かないといけなくなった、失点後は奪うにも奪いどころがないような形に見えた。

サリーをして、CB間に落ちることもあれば、ゼルビアの2トップの間に立ったりすることもあり捕まえずらかった。また、渡邊や大久保が降りてきたり、立ち位置を自由に動いてくるので安居がボールを持った後の受け手にも規制がかけられないという側面もあった。

そこで、前半の40分ごろから荒木と藤尾のポジションを入れ替えて、新潟戦の後半途中にもやったような、荒木の脚力頼みのプレスに切り替えるが、やはり奪いどころが見つからず前半終了。

後半からは、トップ下に荒木を置いた、3-4-1-2(撤退守備時は4-4-2のようになる)に修正し、安居をマンマークするような形に。そこからは、浦和のボール回しがスムーズにいかなくなり、ロングボールが増えていく。

ゼルビアとしては、マンツーマンで行くので、最後尾も同数になってしまい、あわやという場面もあった。必ずしも完璧ではないのだが、ベターな修正をしてきた。そして、両チームともロングボールが増え、特に中盤の選手の運動量が落ちていく。

ゼルビアは浦和のカウンターのところで走り負けたり、キックミスが増える。浦和は自陣でゼルビアのクロスを受ける時に、中盤が最終ラインに吸収され、ブロックの押し上げができず、クロスを浴び続ける展開になってしまった。

ただ、浦和は途中交代で、松尾が入り1人で速攻が完結できるようになると試合の流れが徐々に浦和に傾いていき、87分にサンタナが勝ち越し点を決める。

一方のゼルビアは、仙頭が出場停止でベンチにCHがいないので、交代できず、荒木の負傷で、イボを投入して試合を締めることも難しくなってしまった。

最終的には、ゼルビアが98分に追いついて、同点に追いつくのだが、ベンチメンバーの人選や前節からの流れも含めて、浦和には層の厚さと個の強さを見せつけられてしまった。

試合結果

町田 2-2 浦和
得点者:37' 関根貴大
    49' オセフン
    87' チアゴサンタナ
    98' エリキ

さいごに

本当に優勝を狙うなら勿体ないし、普通のJ1一年目の新参者としてなら浦和に今シーズン負けなかったことは誇ることができる結果だと思います。

また、「一本中の一本」とか、へそで守るとか、クロス対応とかチームとしての規律が浸透しきっていないのが表れた試合でもあった。特に最終ラインの選手のクリアするのか、繋ぐのかの判断が曖昧なのと、プレーした選手の意図が周りの選手に伝わらないパス(クリア)が多いのが気になった。ただ、その規律を浸透して、ピッチで表現して欲しい選手は代表活動で抜けてしまうし…

ちょっと個人主義感が強すぎて、残りシーズン悪目立ちしないと良いのだけれど。そこは上手く昌子と監督があれこれ上手くチームに溶け込めるように手引きをしてあげて欲しいです。

そういう意味では、白崎は吸収力とそれを体現する能力が高い選手だなと思います。

ルヴァンで結果とチーム力の向上を目指して、また良い準備をしてほしいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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