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2020.10.17 FC町田ゼルビア vs ジェフユナイテッド千葉

耐えたという試合でしたかね。中2日で十分な休養が取れず、この雨と寒さの中で身体が動きにくい、ピッチコンディションも悪くボールもすべって足に付かない中、よく戦ってくれていたと思います。

ただこれは両チームに言える事でもありますが、決定機が何回かあった中で決めきれていれば、もっと動きのあるゲームになったのかなと思います。しかし、選手の負傷で試合が止まることが何回かあり、その都度リズムが途切れてしまうので両チームにとって難しい試合でしたね。

それでは試合内容に入っていきます。

スタメン

スタメン

町田
4-4-2
前節から変更なし
平均身長(GKを除く):177.0cm
千葉
4-4-2
前節から1人変更
平均身長(GKを除く):177.6cm

様子見の前半

様子見だったのは前半だけじゃないよ!という方、ごもっともです。やはり中2日で疲れもある。そして両チームとも先制されると勝ちがないという中でリスクを冒してゴールを目指すという感じがしませんでした。もちろん、両チーム決定機はありましたが、ファウルやケガ人でプレーが止まることが多く、試合のテンポが上がらなかったのも事実で、まあ仕方なかった感じはします。

この試合でもゼルビアは髙江を高い位置でプレーさせようと、なるべく最終ラインのビルドアップのところでは、CBの2人でボールを回してサイドで縦のレーンを使い分けたSBとSHか、中央の海舟に繋ごうとしていました。ですが、千葉のコンパクトな4-4-2の陣形がボールサイドに寄って密集を作ることで、ゼルビアの選手たちに前を向かせるということを許してくれません。

千葉はCBのところにはプレッシャーをかけてこないので、そこでは自由にボールが持てたのですが、サイドや中央へパスを入れた瞬間に、かなりの人数をかけて囲んでボールを奪おうとしてくるので、海舟が囲まれて奪われてファウルで相手を止めるなんてシーンも何度もありました。状況が認知できていないのではと思われるシーンも多くそこら辺は連戦による戦術的疲労でしょう。

そしてサイドでは、前向きにパスを受けることがなかなかできず、サイドでも中央と同じように囲まれてしまうのでタッチを割ってスローイン、そして最終ラインからやり直しという時間も。

そんな中でも、深津からのロングボールで陣地回復し、そこからの2次攻撃というシーンも何度かありました。カイナが相手からボールを奪い、そのままドリブルで持ち運んでシュートというシーンや、髙江のミドルシュートがポストに当たったシーンがといった前半のハイライトシーンです。

特に髙江のミドルシュートはこの試合での狙いであったはずで、堅いブロックの千葉からゴールを奪うにはペナルティエリア外からのシュートが効果的と睨んでいたのでしょう。そしてピッチが濡れていたこともあるのでしょう。ですが、上手くいかないのがサッカーというスポーツなのです。

そして髙江を高い位置に配置したデメリットも見られました。それは、低い位置で相手にボールを奪われた時やカウンターの時に、中央の人数が1人減るため、簡単にシュートまで持っていかれてしまうということです。この試合だと海舟のところで奪われてしまうことが多かったので、カウンターを遅らせる選手がおらず、すぐにCBが晒されるというシーンが何度かありました。

これには圧縮する相手に付き合わなかったため、サイドの局所的な数的優位でワンツーで突破されたということも関係していますが。

それでも前半の多くはどちらかの最終ラインの選手がボール持っている時間で、様子を伺うという時間が続きました。


点を取るなら早めのアクションが必要だったのか?という後半

前半に続き両チームともに、ブロックを作り相手を引き込んでから奪うという守備をしたため、膠着状態というにふさわしい時間が流れていました。

そんな中でもゼルビアは平戸と安藤に決定機があり、千葉の方も山下のシュートがポストに当たるなど決めてれば......というシーンを作りました。

そして後半途中に千葉が増嶋を投入したことで、ロングスローという選択肢が生まれ、ゼルビアの選手たちは全員自陣に戻る、押し込まれ、点を取りに行くというポーズを取れない時間が続きました。

それでも両チームで決定機が多くて4~5回でほとんどが様子見の時間でした。前半と変わらず膠着状態ですよ。

膠着状態を打破するにはやはり、複数人同時交代が効果的だと私は思います。ベンチにはステファン、中島、岡田などスタメンの選手とは異なる特徴を持った選手が控えていましたから、試合の流れを変えるにはもってこいの選手たちでしょう。

しかし、ポポヴィッチ監督がなかなか交代に踏み切れなかった理由も推察できます。理由として考えられるのは、試合のバランスを崩したくなかったということでしょう。要は、これでもし3人同時交代を行って攻守のバランスが崩れるくらいなら、今出ている選手が走れなくなるまで使おうということです。

安藤-平戸のツートップを変えたら、前線からの中央を閉じたブロックの強度が崩れるという考えがあったからこそ、走れなくなるまで平戸を使って、走れなくなったらFWのステファンではなく、中盤の井上を使ったというのは容易に想像できます。

このバランスを崩したくないという考えは、メンバーが固定されている疑問にも適応できる考えではないかなというのはこの試合を見ていて思いました。


試合結果

町田 0-0 千葉


さいごに

千葉の前線の山下と船山はお互いの足りないところを補い合ういい関係だなと思いました。2人とも器用な選手だからこそ引き出しが多く、個で何とか出来てしまうのが恐ろしいですね。田口の負傷で攻撃の幅が狭まった感はありますが、それでも中2日であの攻撃は脅威でした。

そしてゼルビアはというと、この試合だと簡単に裏に蹴って、相手に後ろ向きに走らせた方が効果的だったのかなと思いました。深津や髙江からのロングボールからチャンスが生まれることが多かったですし。

そしてこの連戦だともう1人くらいキャラの違う救世主というか爆発してくれる選手がいればなーという感じですかね。個人的に期待しているのは晴山くんなんですけどね。そろそろコンディションが上がってくる頃だと思うので、平戸のところの1.5列目で帝京長岡のフットサル仕込みの足技で無双して欲しいんですよね。残り3分の1で活躍してくれることを期待して今節はこんなところで失礼します。

今節もお読みいただきありがとうございました。

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