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トコトン理念会議(第4回目): 今回は僕たちが5つの質問に答えました。

【トコトン理念会議とは】

企業や組織にとって理念が大切だ、必要だと言われます。理念について少し調べると、確かにそのように感じます。でも少し、本当にそうなのかなという思いも抱いたりしませんか?理念についてどれだけ本当に理解しているのでしょう。固定観念や先入観なく理念について学び考え、そして、学び考えたことを発信する。それが理念会議です。理念が本当に役立つものであるなら、企業経営や組織運営そして日々の暮らしにまで、理念を生かすことを考えていきます。

Q.これまで3回に渡りゲストをお招きし理念について語っていただきましたがいかがでしたか。

村中-
約3年前から僕らは三人で「トコトン理念会議(以下:理念会議)」を行なってきましたが、なかなか答えは見つからず……。だからこそ今回、三人三様の思いを聞くことができてよかったです。
話し合ったり、聞いたりするうちに、理念というのは言葉でしかないと感じました。理念は「うちの会社はこうだよね」というのを表現するものであり、それは社是でも社訓でもよいわけで、会社の思いを社員が共有することこそ大切ですよね。

中野-
行き詰まり感は変わらないというか、余計に行き詰まった感じもします。ゲストのお話を僕の中でしっかり消化したうえで、「理念とは?」という問いには正解がないと思い始めています。
僕は個人が働くうえで、自分の価値観はとても大切だと思っていて、それは行動指針にもなるし、何かを選択するときにも必要です。では「組織にとって理念は?」と考えたときに、それは社員の価値観とは関係ないのではないいかな。
結局のところ自分の中で理念に対する正解を見つけないと、いつまでも終わりなき答えを求めてぐるぐる考えてしまうのではないか?という気持ちになっています。


河村-
僕は「多くの人は理念に関心がないのでは?」と思っていました。森田さんと蔵方さんは理念について考えておられましたが、関心のない人からも話を聞いてみたいと思っていました。そんなとき3回目のゲストの松尾さんが「理念についてあまり考えたことがない」と言われたうえで、いろんなお話をしてくださったことは興味深かったです。
「理念ってこんな感じかな?」という自分なりの答えは見えてきました。僕は会社の規模が一定の人数を超えたとき、会社を動かすためには、理念が必要だと経営者が感じるものだと個人的には思っています。理念は会社を動かすためのツールなのかも知れないなぁ。

個人の価値観は仕事においての判断基準

Q.会社の理念と、個人の価値観は近い方がよいと思われますか?

河村-
理念がどういうカタチで位置づけされているかによって異なると思います。例えば理念がホームページに掲載されているだけのものか? また会社の社風や文化を含めたうえでの理念なのか? 後者の場合は自分の価値観や拠り所としているものと会社の理念が合っている方が働きやすいと思います。ちなみに僕の場合は会社の理念を意識したことがないですね。


中野-
僕が勤務していた会社の理念は抽象的なもので、心が震えるようなものではありませんでした。僕は創業者の立ち居振る舞いや会社に対する思いに惹かれていました。だから理念がなくても創業者の思いが社内に行き渡っていることが大切なのではないでしょうか。僕が勤務していた会社は1000人ほどの規模だったので行き渡っていたのかも知れませんが…。
みんなが集まって理念や新しいビジョンを考えるのは不自然で、仕事の一環で考えている言葉には魂が入っていない。それより創業者がどんな思いで立ち上げて、時代に乗ったか?などのリアルな話を聞く方が楽しい。今につながる部分を知るのは興味深いですからね。だから僕としては言葉としての理念より、自分が組織の中に属しているという愛着心が欲しいですね。


村中-

会社の理念と価値観がマッチしている必要はありませんが、相通ずるところがあるからこそ、その会社で働いているのだと思います。僕が勤務していた会社は小さく、創業したばかりだったこともあり、社長が将来の展望をよく語っていました。今振り返るとその社長の話が理念であり、聞くことで共有できていました。
やはり大切なのは、個人が自分の価値観や理念を持っていること。自分の物差しがないと会社の良し悪しも判断できませんからね。

働く会社を選ぶとき理念は判断基準になるのか!?

Q.仮に今転職をされるとして、会社を選ぶときその理念を判断基準にされますか?

河村-
僕が新しく勤務する会社を選ぶときは、理念より社風やその会社の文化をチェックしたいですね。判断する一つとして理念を見ることはあると思いますが…。
というのは個人の理念と会社の理念は別ものと思っているから。個人の理念は自分の判断基準であると思うのですが、会社の理念は普段は意識しなくても、何かあった時に自分は会社の方を向いているかを確認するぐらいのものなので。きっと会社の理念と個人の理念は比べるものではないのでしょう。

中野-
僕は一応、理念をチェックしますが、参考にしないですね。理念より会社の姿勢や行っていることと自分のしたいことがマッチしている会社を選びます。例えば排気ガスを撒き散らす車をつくつている会社は嫌ですから。


村中-
僕も理念だけを見て会社を選ぶことはないと思います。そもそも理念という言葉はすでにパワーワードではなく、理念と聞いてもイメージも広がらないですね。


理念への想いは三人三様、人それぞれ

Q.一番印象に残っている話は?

村中-
会社の理念については熱く語られていたのに、ご自分の理念はわからないとおっしゃっるケースがあったのが印象に残っています。お話の中ではご自身の理念らしいことを話されていたんですけどね。

河村-
行き着くところ、理念と社是は同じものだと思うのですが、松尾さんがうちの会社には理念はないのですと言いながら、社是について語られたことについて、認識の違いだなぁと思いました。

中野-
僕は蔵方さんの話で、ロート製薬さんでは社長があえて理念を浸透させていないというのがとてもいいなぁと思いました。横に置いておき、いつでも見たい時に見ることができる感じで、とてもナチュラルですよね。「理念があることが理念」と話されたことも印象に残っています。

理念は必要ではないのかも知れない

Q.会社を経営されるとしたら理念を作られますか?

河村-
会社をつくるときは思いがあってのことですが、その思いが社員に伝わっているあいだは、つくらないかも知れませんね。トップの考えが周りの人に浸透していくだけでOKだと思います。それが伝わらない規模になったり、伝わらなくなったら理念をつくるかもしれません。

中野-
僕は絶対会社は作りませんが(笑) 何かをするときには関わってくれる人の目的を聞き、自分と違う方向を見ているときはすり合わせて「ここは守りましょうね」とか、「ここは大切にしましょうね」と話したり…。そういうことが結局は理念に繋がるのだと思います。
高度成長期に創業した会社の多くは志があったわけではなく、お金儲けが目的だったと思います。そこには理念がなくてもよくて、年月が経つうちに方向性が見えてきて、それが社風になっていくのではないでしょうか。ただ今はそうでなく、お金儲けを目指すだけでは誰も集まってこないですからね。だからこそ理念ではなくても何を大切にしているかを明確にし、それを言葉にするのが大事だと思います。

村中-
僕が取り組む「オモロイワークス」は自分が描くビジョンを社名にしています。この先、僕が社長として会社を大きくしていくとしたら、大切にしている「勇気と思いやり」を理念に掲げたいと思っています。

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