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看護師時代のお話

今回は私がイラストレーターになる前の
看護師だった頃のお話します。

とてつもないボリュームの
重たーい話になってしまったので
苦手な方は読み飛ばしてください。
 


人の役に立ちたくて看護師を目指す


中学時代の職業体験でのこと。
友人に誘われて私は病院で職業体験をすることになりました。

中学生の私にできることなんてほとんどなかったのですが
担当だったおじいさんは涙を流しながら私に
「ありがとう。」と何度も言ってくれました。

そのおじいさんの涙と「ありがとう。」という言葉に
なんだか自分が認められたような、
私が必要だよって言ってもらえたような気がして
心の底から嬉しかったのを覚えています。

それまでは正直、医療にほとんど興味がなかったのですが
もっと人の役に立ちたいと思うようになり
看護師になることを決めました。
 

看護師時代の闇①悪しき風習

看護学校を卒業し、念願の看護師になりました。

最初は病棟で働くことになったのですが
そこで目にした光景は私が思っていたやさしい世界とは全くの別物でした。

入職して2週間、右も左もわからない私は
その病棟でたった1人の新人(=ターゲット)。
「こんなこともできんの。」「はよしいや!」
「は?何?」
「さっき助手さんに言ってた悪口聞こえてたやろ?あれ全部あんたのことやで。」
完全に委縮して何もかもが上手くいかず
休憩室では少しでも会話に入ったりして目立つと
後から倍になって返ってくることもあるため
先輩のコーヒーを淹れてあとは空気として過ごし
ストレスで体重は3か月で8㎏落ちました。

半年ほどで病棟が移動になったのですが
それでもそんな状態が1年程続きました。

2年目になると新しく新人(=次のターゲット)が
入ってくることで自分自身への風当たりは弱くなり
むしろ可愛がってもらうようになりました。

しかし、新人への容赦ない悪口や
捌けない業務量と分かっていてわざと担当につけていたり。
悪しき風習がなくなることはなく、繰り返されていました。
それによって傷ついている後輩を見ては悲しくなっていました。

そしてこういった悪しき風習はその後転職したどの病院でも
同じように存在しており、私も何度も悩まされました。

確かに新人や若手は、先輩たちより劣ることや
迷惑をかけてしまうこともたくさんあるかもしれない。

だからといって
相手を傷つけるような言動をしてもいい理由にはならないよなあ。
と思っていました。


看護師時代の闇②膨大なサービス残業

日勤夜勤をしていた時は
毎月100時間以上のサービス残業が当たり前、
シフトや忙しさによっては26時間労働(休憩3時間)だったので
心身ともに疲弊していました。

それに加え、若手は残業をつけてはいけない
勤務後の研修は自己研鑽だから残業をつけてはいけない
という暗黙のルールがあったので、、
今考えると恐ろしいですね。笑


看護師時代の闇③モンスターペイシェント

病を治すために必死に戦っている患者さんやご家族。
苦しくて辛い時間を病院で過ごす。
その辛さは計り知れるものではありません。

しかし、だからといって何をしてもいい訳ではありません。
自分が辛いからといって人を傷つけていい理由にはならないと
私は思います。

そこを勘違いして暴言吐いて大暴れ。

ここでは内容は割愛しますが
私も何度か経験し、今でもトラウマでたまに思い出して苦しくなります。

看護師時代の闇④無力

看護師をしていると避けては通れないのが患者さんの死。

私は職業体験での出来事や祖父の死を通して
「人の役に立ちたい。」
「患者さんやご家族に後悔なく旅立ってほしい。」
と思っていました。
それがやりがいになると思っていました。

担当の患者さんの状態が悪くなると
残された時間にできることは何か
これでよかったのかと
四六時中考え、先輩や医師に相談したりもしました。

しかし、どんなに手は尽くしても
完全に苦痛を取り除くことはできないし
叶わない望みだってある。
そして別れは辛く
結局生身の人間である私にできることなんて
ちっぽけなことだといつも無力さを痛感するのです。

「人の役に立ちたい。」って思って看護師になったのに
結局自分の無力さを痛感していました。

おわりに

ここまで看護師時代の体験を書いてきましたが
これらの経験があったからこそ、私は今の私でいられるし
多くの人に救われてきたのも事実です。

そしてこんなぽんこつな私でも
今も週2回はパートで看護師をさせてもらっています。
現在のパート先はありがたすぎるくらい恵まれていて、
やさしさの輪が広がっている素敵な環境です。

だから今度は私が、昔の私と同じように
苦しんでいる悩んでいる方にイラストの力で寄り添いたい。

やっぱり私にできることはちっぽけだけど
それでも少しでもやさしさの輪が広がれば
嬉しいなと思っています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
 




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