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📖読書記録📖『才能の正体』

読書紹介記事を書く青沼りんです📗

今回は、才能の正体はなにかという問いにたどり着いたひとつの答えをまとめた一冊をご紹介したいと思います。


●今回ご紹介する本『才能の正体』

坪田信貴
株式会社冬幻舎
2018年10月10日 初版発行



本書は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(以下、『ビリギャル』)の作者でもある坪田信貴さんが塾講師として様々な生徒やその家族と面談をする中で見えた「才能」とはなにかというものをまとめた一冊です。

まず始めに才能は「誰しも生まれながらに持っている」そうです。

能力値の高い人は、単純に誰も見ていない中でもその能力を磨き続けてきただけに過ぎない。

ではその能力をどう磨けばいいのか、そのヒントとなる行動をふたつご紹介します。

才能を磨く行動ひとつ目は「完コピ」です。

つまり、できる人の行動パターンを見て覚え、真似をすることでした。

そこでふと『ヴァイオレット•エヴァーガーデン 外伝–永遠と自動手記人形』を思い出しました。

代筆業を生業にするヴァイオレットは依頼により格式高い女学校に通う令嬢イザベラの期間限定の教育係として派遣されました。

イザベラは孤児であったが故に淑女としての振る舞いができない焦りと苛立ちからなにもかも完璧に振る舞うヴァイオレットに苛立ちをぶつけていました。

しかし、ヴァイオレットも孤児で軍人育ちでした。

過去を打ち明け、その上で自分はただ貴族の真似をしているだけだと答えていました。


才能がある人たちに共通していたのもこの「完コピ」だったそうです。

確かに、できる人がやっている事なんだから間違っている事はない。

目標達成をするのに最適なルートを自然と見極める努力をしたことで「観察力」「洞察力」「想像力」を育んだ結果が「才能」に結びつくということです。

誰かの真似をするというのは一見いけない事のように思いますが、例え誰かの真似をしたところで自分のオリジナル要素は必ずと言っていいほど出てきます。



才能を磨く行動二つ目は、信じること。

いくら自分の中に才能が眠っていたとしても、その存在を認めてあげなかったら目が出るものも出ません。

『ビリギャル』に登場するさやかちゃんが慶應大学に現役合格できたのも、周りが彼女の努力を揶揄する中でも家族だけは彼女を信じ、最大の理解者になってくれたおかげだと本書で語っています。

そして才能の最大の敵は、その人のやる気を制限することに尽きると思います。


また、私が本書を読んで特に印象に残った言葉が「地アタマがよかった」でした。

『ビリギャル』に登場するさやかちゃんも慶應大学を受験すると決意し、猛勉強の末に見事合格するも、周りは「元々あの子は地頭がよかった」と彼女が生まれながらに持っていた部分をフォーカスしただけで、彼女の努力を努力と受け止めていませんでした。

私が思うに、人は他人がなにか秀でた才能を持っていると必要以上にその人を崇め奉る傾向があります。

結果が出たら「地頭がよかった」と言われ、結果が出なかったら「元々才能がない」と片づけられて、誰もその人の努力を見ようとしていません。

その人とは土俵が違うからとかあの子は元々地頭がよかっただけと自分ができなかったことに対しての嫉妬心を紛らわせるためのある種の防衛反応を起こしているのではないかと思います。

なにを隠そう、私も才能がある人たちに対してそういう感情を抱いた覚えがあります。

恥ずかしながら、それって結局は才能ある人たちが羨ましいんですよね。

できない事の言い訳を並べて、才能ある人を肯定的に責める…。

才能ある人たちは周りの事を見ず、ただ真っ直ぐ自分のやるべき事に向き合っていた時間が人より長かっただけなのに、まったく書いていて情けないし恥ずかしいです。


本書は私にとって、結果が出ないのも自分がただ努力をするやり方を間違っていただけで才能がある人たちとはなんら変わらないんだということを改めて学び、反省するきっかけをくれた1冊でした。

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