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日常のもろさを痛感 【俗談平話・1805字】

・猿も木から落ちる?

 先週の日曜日の朝のことです。家の長が屋根を直すためにはしごを使いまして、そのはしごから落ちてしまったのです。事もあろうに、落ちた場所にちょうど箱が置いてありまして、それに背中を打ち付けてしまったため、肋骨を四本ほど折ってしまいました。

家長付:「あの箱は、茶箱だね」
家長:「違う。リンゴが入っていた箱だ」
家長付:「茶箱でしょう」
家長:「リンゴだ」
家長付:「茶箱だよ」
家長:「リンゴだって言ってんだろ」
家長付:「・・・」
家長:「・・・」
家長付:「茶箱なのに」
家長:「リンゴ!」
私:「・・・(どっちでもいい)」

 家長と家長付は、いつもこんな調子です。ちなみに正解は、茶箱でした。内側が鉄板で外側が木の、あの箱です。頑丈な箱ですね。

・救急車

 動けないということで、救急車を呼ばせていただきました。ここでも一悶着。

家長:「整形外科の休日当番がどこの病院か、救急センターに電話して聞いて」
家長付:「動けないのに、どうするの?」
家長:「車で行く」
家長付:「どうやって?」
家長:「いいから、電話して聞け!」
 家長付、救急相談センターに電話する。
家長付:「救急車を呼んでくださいって言っているよ」
家長:「救急車なんて、呼ばなくていい!」
家長付:「車で行くって、動けないのにどうやって車に乗るの?」
家長:「いいから、整形外科の当番がどこか聞けって!」
家長付:「動けないのに、どうするの?」
家長:「・・・」

 家長には家長のセオリーがあるのだと思います。救急車をタクシー代わりに呼んでしまう人と、家長のように頑なに救急車を拒否する人の間をいきたいですね。救急車には私が同乗しました。生まれて初めて救急車に乗りました。家長の血圧の上が200を超えていて、私はもう気が気ではなかったです。救急車には、3人の救急隊員の方が乗っておられました。救世主に見えましたよ。私たちが病院に着く前に、もう次の要救助者からの救急要請がかかってきていました。ちゃんとお礼をする間もなく、救急隊員の方たちは次の現場へ向かわれましたので、この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。その節は、お世話になりました。ありがとうございました。

・入院

 病院にて、CT検査等をしていただき、血胸、気胸等の心配があるため、入院となりました。

 搬送されたのは、救急科のある大きな総合病院でした。休日当番だったからなのか、けっこう混んでいました。私は病院に行くことがほとんどないので分からないのですが、そういうものなのでしょうか。滞在していた10時から14時の4時間の間に、ドクターヘリが3回も着陸しました。窓を閉めてくださいといった感じの館内放送が流れるのですね。ドクターヘリとSATはドラマの中の話だと思っているところがあったので、びっくりしました。

 家長が入院したその病院には、「発熱外来」もあります。入院中は、面会は一切できませんでした。感染対策のためですね。直接様子をうかがうことができないと、どういう状態か分からないので心配になりました。今、コロナで入院されている方とはおそらく面会できないでしょうから、心配だろうなと思いました。

 3泊4日の入院で、家長は無事に退院しました。

・世帯

 誤解があってはいけませんので、申し添えさせてください。私の言う「家長」とは、文字どおり家のリーダーという意味で、1947年まで続いていた家制度に何か意見を持つものではありません。
 病院で、一つ、面白いなあと思ったことがあります。「入院誓約書」というのを書くのですね。病院のルールに従いますよというものです。それには、連帯保証人の署名欄もありました。入院した当人が入院治療費を踏み倒した場合、代わりに払いますよというものですね。この連帯保証人について、こちらの病院ではこんなことをおっしゃったのです。
「家族でもかまいませんが、世帯が別の人にしてください」
 なんだか不思議な感じがしたのですが、これって普通なのですかね。妻など世帯が同じ人は、連帯保証人になれないのだそうです。家族とか、世帯とか、いろいろすみ分けがあるのですね。ややこしいですな。

・医療従事者の皆さま、ありがとうございます!

 病院が、毎日、通常の医療も滞りなく提供してくださっていることに、本当に感謝です。「医療崩壊」を招かないために私にできることは何だろうかと、それを考えなくてはいけないのだなと改めて思いました。

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