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クリエイターの"末路"について考える

末路だなんて言葉を使うとなんだかお先が暗いお話に聞こえるかもしれないが、まさにその通りだ。

クリエイターにとって一番つきまとう不安は「それだけで生計が立てられるか」「一生これだけで仕事をして老後が大丈夫なのか」といった未来のことにある。

大学時代の友人で今定職に就いている友人に「映像作家としても活動している」と話をすると「それは体が言うことを聞く今だけだ。」と言われる。

これはある意味正しい。クリエイターはいつ食いっぱぐれるかわからないし、怪我や病気をすればあっという間に収入は0になり、貯金がなければまさに露頭に迷うことになる。

そして、クリエイター、特にフリーランスで一番面倒なのが【国との関わり方】だ。フリーランスとして独立をすると言うことは社会の中での自分の身分を自分で保障するということにある。私自身今は有難いことに定職についているから「今のところは」食いっぱぐれる心配はないし、会社に属していることで与れる恩恵というものもわかっている。会社に身分を保障してもらい保険だの税金だの煩雑な手続きをしてもらえることを考えるとなかなか自分の身を自分で守ると言うのは大変なことだとも思うし、そこまでしてお先が真っ暗でめんどくさいことを自分で選択していく意味はどこにあるのだろうか。


「好きなことで、生きていく。」

子どもたちの将来なりたい職業の上位に食い込んできて久しいyoutuberたちがこぞっていう言葉。

確かに好きなことで生きていくというのは誰だって憧れる。幼少期になりたい職業が夢に溢れているものは結構なことだ。だが、この「夢」を作り出す人たちが大人であるということを忘れてはならない。

僕らはまだまだ資本主義社会の真っ只中にいる。小さな村社会への回帰や外貨を必要としないコミュニティー形成への胎動は感じるものの、今将来に「夢」を持つ若者が大人になり憧れを手にする頃はまだこのシステムは健在だろう。資本主義社会の神話が崩れ、「夢」を見辛くなった現代において、大人たちが取り戻そうと必死なのがこの「夢」な訳だが、この「夢」の背後には大人たちの思惑が渦巻いており、僕たちの「憧れ」に火をつけようと必死になっている。

「君は君らしく生きたらいい」

「本当の自分に出会おう」

大人たちは逼迫した現代人の心を逆手に取り、人々に寄り添うようなキャッチコピーを片手に偶像崇拝を強要する。資本主義という名の神の下で。

僕は何も資本主義を否定しているわけではない。僕が問題に感じていることは、この「夢」を作り出す大人たちが、その緩やかで暖かい入り口を開きながらも決してその「夢」の向かう先にある出口を示す責務を負おうとしないことだ。

僕は一人の大人としてこの責務を負うことが、正しいとも思わないし、今はそこを論点にはしない。一番大事なことは、僕らが選択したその夢の先、生きていく道には常に孤独が待っている、ということを知っていなければならない。それが僕らに提示された夢の出口に待つ一つの宿命である、ということだ。

「孤独」というと大げさに聴こえるかもしれない。でも、これは何も読者に無関係のことではない。クリエイター、デザイナー、アーティスト、起業家、総じて何かを生み出す人だけでなく、日々を当たり障りなく生き続ける人々も、−誰もいない家の明かりをつけた時、誰かと楽しい夜を過ごした後、最愛のパートナーに祝福と安堵のキスを与えた瞬間−ふと冷静になれば、そこに「孤独」が潜んでいる。

「孤独」は誰の心の中にも潜んでいて、僕らはこの孤独と共に手を携えながら生きていかなければならない。そして、それが尚更人と何か違う道を歩む者にとっては厳しく、時には大きく何かを失うことになるかもしれない。

だけど、この「孤独」こそが、人々に暖かい光を与えられる存在でもあるということを僕は知っている。


ここに僕が表現を続けていく一つの理由がある。冒頭でも伝えたように、クリエイターとして生きていくことは常に不安が伴い、社会との関わりも希薄になりがちだ。だけれども、僕らが僕ららしく生きていくことによって誰かの心に少しでも光が当たれば。それがたとえ華やかな世界でなくとも、昨日よりその「孤独」を愛し、前に進むことができたら。
全てのクリエイターや何かを生み出す人たちは、その人生を賭けてある使命を果たそうとする。その思想は持ち続けたいと思います。

僕は人々に華々しい「夢」を与えることだけでなく、自らがその内に潜む「孤独」と向き合い、少しでも色鮮やかな人生を送れるための一助となることを使命とし、ここにいます。

その方法論が正しいかなんてわからないけど、僕は本気です。

最後に、僕の大好きな曲 Nakamura Emi「YAMABIKO」を載せます。


今日は少し熱くなってしまったけれど、これからもこんなバカな僕を応援してください。

皆様からのコメントやいいねが、僕の原動力になってます。いつもありがとう。

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