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「東京に娘を送り出す前に子宮頸がんワクチンを打つ」というリアルな選択

「成人の日」は今年も1月15日ではなく8日に終わった。選挙権も結婚できる年齢も「20」歳ではなく、十五夜の元服式の意味があった「15」日という数字も意味を持たない今「大人になる」とはどんな意味を持つのだろうか。受験シーズンを前にヘルスリスクの観点から考えてみた。

先日、子宮頸がんワクチン問題に関する講演のため岐阜を訪れた際、地元のある女性産婦人科医からこんなことを言われた。

「東京に娘を送り出す前に子宮頸がんワクチンを贈ろうというキャンペーンをやりたい」

子宮頸がんワクチン問題に心を痛めている医師にはもちろん男性もいるが、「東京に娘を送り出す前に」という考えは、男性医師の中からはまず出ない。

男性医師たちは、都会に出た自分が何人の女性とどんな風につきあい、どんな生活を送っていたのか、忘れてしまったのかもしれない。そして、自分の娘だけは彼氏も作らず、作ったとしても相手は真面目な男性だと考えがちだ。何をもって「真面目」というのかは知らないが、どんな厳しい父親でも娘の彼氏の前の彼女やその前の彼女のことまではつべこべ言う資格はないだろう。あなたの娘も男性と交際を始めた瞬間をもって、子宮頸がんにかかるリスクを確実に持つことになる。

岐阜の女医は「実際に、東京に娘をやる前にと言うと、打たせなくちゃと慌てる母親は多い」と続けた。私はこの「地方に住む女性医師ならではの提案」にいたく感心した。

男女は決して平等ではない。セックスの結果、妊娠するのも、出産するのも、中絶するのも、がんになるのも女性だ。娘のセックスのことを考えるのはあまり楽しくない作業かもしれないが、セックスは女性にとって、生死にかかわるリスクである。

一方、思春期の女の子が産婦人科を訪れることは少ない。特に、思春期の女の子が母親に付き添われて産婦人科の門をくぐるのを見れば、予期せぬ妊娠など、よっぽどのことがあったのだろうと思うのが世の常だ。特別にワクチン外来などを設けない限り思春期の子どもたちにとって産婦人科の敷居は高く、病院やクリニックに来たところを捕まえて「東京に行く前にワクチンを」「東京に娘をやる前にワクチンを」という話をする機会は少ない。よって、医師会、教育委員会、メディアなど、とにかく多くの人にできるだけリーチできるキャンペーン形式でやらなければ間に合わない!というのがこの医師の考えだ。

先日、東京に住む23歳の大学生だという女性から「5万円出しても子宮頸がんワクチンを打とうかなと迷っています。村中先生は自分自身はワクチンを打っていないそうですが、理由を教えてください」という質問をもらった。

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「東京に娘を送り出す前に子宮頸がんワクチンを打つ」というリアルな選択

村中璃子 Riko Muranaka

480円

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コメント (1)
小3の娘の父です。接種させるつもりです。
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