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「アメリカCDC」とは何者なのか

「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」
テドロス氏とWHO改革
の続きです。
WHOが中国に許した26日間のリード
に続きます。

米国疾病予防管理センター(CDC)は、疫学調査からワクチン開発、パンデミックやバイオテロ時の実務まで、感染症対策を包括的に担う「諜報機関」である。

2020年1月20日に横浜港を出発したクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス」号は、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、沖縄に寄港した後、日本の領海を航行していた。2月1日、香港で1月25日に下船した乗客が新型コロナウイルス陽性であったことが判明すると、同船は検疫のため横浜沖に停泊することになった。712人の感染者と13人の死者を出すことになるこの船には、乗客2666人、乗員1045人、合計3711人が乗船していた。

多くの日本人にとってCDCの名は、「ダイヤモンド・プリンセス」号からの乗員乗客の下船劇が連日のように報道されていた頃、「日本版CDCがあれば」とか「CDCなら横須賀の海軍基地あたりに支援要請を出せただろう」などといった形で初めて耳にしたものだろう。CDCとはまさに「人類未経験の感染症のクルーズ船でのアウトブレイク」といった、特殊な環境での緊急事態にも、科学的かつ迅速に対処することのできる特殊部隊なのだ。

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