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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

日本の新型コロナワクチンの実力

 新型コロナがパンデミックを起こし、世界がワクチンの開発にしのぎを削っています。ニュースでは、毎日のように欧米や中国のメーカーのワクチンの話を耳にしますが、日本でワクチンと言えば、テレビでもおなじみの大阪大学の森下竜一教授のグループが開発するワクチンの話ばかり。実際、臨床試験に入っている国産ワクチンはこのワクチンだけです。  新型コロナパンデミック元年のいま、日本のワクチン業界はどうなっているのか。日本のワクチン開発の「実力」はいかなるものなのか――。  毎日、聞こえてきては

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アメリカのWHO脱退が投じる一石

新型コロナをめぐる、WHO、中国、アメリカの駆け引きについては今後も書いていきたいと思いますが、連載「WHO抜きでパンデミックは終わるかは」は今回をもっていったん終了とします。新型コロナの混乱の中で過ぎ去った2020年上半期でしたが、この連載を最初から通しで読んでいただくと、新型コロナに対する世界の初期対応の何が問題だったのかについて、改めて理解することができるのではないかと思います。本連載は「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」の5月分、6月分(クリックするとリン

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WHO内でも中国寄りが問題視されていたテドロス氏

アメリカのWHO脱退表明があってから3日後、週明け6月1日の会見で、テドロス事務局長は、「WHOはアメリカの協力が継続することを望む」と語った。 翌6月2日、AP通信は、なぜか突如として、独自入手したというWHOの内部文書と会議の音声記録をもとに、「中国の情報共有の遅れにWHOは苛立っていた」と題した長文記事を発表した。 中国は、12月27日には新型コロナウイルスのほぼすべての遺伝子解析を、1月2日には新型コロナウイルスの全遺伝子の解析を終えていたが、それを1月10日まで

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コロナが暴いたアメリカと香港の民主主義

トランプ氏は同じ28日、トランプ氏の投稿に対してファクトチェックを促したツイッター社を民主主義に反するとして牽制し、ソーシャルメディアの規制強化に向けた大統領令に署名したばかりだった。 ホワイトハウスのローズガーデンで記者たちを前にしたトランプ氏は続けた。 「今週、中国は香港の安全保障に対し一方的な支配を課した。これは1984年の宣言にあるアメリカとの間の北京協定と香港の基本法(Basic Law)を侵害するものだ。中国政府の香港に対するこの仕打ちは、この街の長く続いた誇る

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今さらPCR検査を拡大するよりずっと有効な戦略

緊急事態宣言が明けて以降、感染者との濃厚接触歴があるわけでもない無症状の人にPCR検査の対象を拡大している日本。緊急事態宣言前のレベルの数字に増えたまま減ることのない新規感染者数とは裏腹に、今のところ重症者や死者の数は増えていません。 1週間に50万件と世界最大のPCRキャパシティを誇るドイツでも、日本と同じように、症状や行動歴から「医師が必要と判断した人」だけにPCR検査を行うという方式でやってきました。 が、ロックダウン解除後の動きは日本とは逆です。 偽陰性があって

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トランプ氏のWHO脱退表明

トランプ大統領がWHO脱退の意向を表明したのは、5月29日金曜日、現地時間の午後3時、欧州時間の夜のことだった。 ホワイトハウスのローズガーデンで、記者たちを前にトランプ氏は、「今日は中国との関係とアメリカの安全と繁栄を守るための新しい方法について話したいと思う」と話し始めた。

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オリンピックは何のために?

【文系女医の書いて、思うこと。プロフェッショナル】ご購読の皆さまへ。

「新型コロナ発生源の公正で独立した検証」を議決したWHO総会

2020年5月、史上初めてとなる、オンラインでのWHO年次総会が開催された。初日の18日には、議長国の首脳が演説を行ない、新型コロナウイルス問題に対する各国のスタンスを明らかにした。 最初に演説をしたのは、中国の習近平氏だった。

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G7による「WHO飛ばし」

お得な定期購読マガジンで、前回の「中国人民解放軍が開発したワクチン」からどうぞ。 WHO抜きでパンデミックは終わるのか 【前回までの目次】 ●テドロス氏とWHO改革 https://note.com/rikomuranaka/n/n05dd73ac27ba ●アメリカCDCとは何者なのか https://note.com/rikomuranaka/n/n184158d3ded9 ●WHOが中国に許した26日間のリード https://note.com/rikomuranak

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中国人民解放軍が開発するワクチン

パンデミック下ではどの国でもそうだが、中国における新型コロナワクチン開発は、国を守り、かつ繁栄させるための「国家事業」としての意味合いが殊更に強い。 天津に本社のあるカンシノ・バイオロジクスと北京バイオテクノロジー研究所のウイルスベクタ―ワクチンは、「中国人民解放軍」、すなわち、中国共産党が指導する中華人民共和国の軍隊がもつ「軍事科学院軍事医学研究院」との共同開発を進めるワクチンだ。

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施設にいる高齢者も中小企業で働き続ける高齢者もこのままではもたない

東京都では7月2日に107人、今日は124人の新型コロナウイルスの感染が新たに報告された。若年層と「夜の街」関連の感染者が多く、新宿歌舞伎町や池袋の「接待を伴う飲食店」でもクラスターが発生しているという。 政府の専門家会議で人との接触8割減を提唱した北大の西浦博教授が、「都内で流行前のような生活を続ければ7月中には1日の新規感染者数が100人以上になるとシミュレーションしていた」という話が予想的中だとツイッタートレンドにまで入ったらしいが、これを4~5月の流行期の1日100

中国はいつからワクチンの開発を始めていたのか

2020年1月7日、中国政府は、原因不明肺炎の原因が新型のコロナウイルスであることを特定したと発表し、3日後の1月10日には同ウイルスの遺伝子配列を世界で初めて「ウイルス遺伝子データベース:Global Initiative on Sharing All Influenza Data (GISAID) 」にアップした。 中国はただこの一点をもって「世界と迅速に情報共有を行ってきた」とくり返し強調してきた。 WHOも中国は1月12日には遺伝子配列を世界と公式に共有したとして

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