全員悪人補稿007 20210829
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全員悪人補稿007 20210829

この週末は義理の両親にすべての時間を費やしたと言っても過言ではない。私のライフはゼロだ。擦り切れたように疲れている。仕事も一切手に着かなかったわけだが、こうやって書いている。ここが私の辛いところなんだが、とにかく書いている。

土曜日、朝早くから電話が鳴りはじめ、結局複数回やりとりを重ねて、その日のショートステイを夫婦揃って休みたいということで、まあ、行きたくないということもあるだろうと納得。ショートステイ施設の責任者の方からも、どうもご本人達がお疲れのようですので、本日はお休みで……ということで電話があった。そうですね、それでは来週またお願いします……と電話を切ったところで義母から連絡あり、膝が死ぬほど痛いというではないか。

ちょうど実家近くに行く用事があったので、用事を済ませてから立ち寄ると、確かに膝が腫れている。んじゃあお母さん、一緒に病院行きましょかということで支度をしていると、義父も来るという。チッ……なんでいつもペアなんだよと重い気分になった。ここで夫も登場し、なにがうれしいのか、整形外科に膝を診てもらうため、4人で車に乗り込んだ。ほんまに大げさやで。

結局、骨などにも異常なしで、痛み止めの飲み薬と湿布を頂いて、途中でくら寿司に立ち寄り、そして実家に戻り、私と夫は急いで自分たちの家に戻って仕事をはじめたのだが……

夕方になって今度は義父の調子が悪くなって(本当に悪くなって、あとちょっとで救急車呼ぶところだったんだけどコロナ禍だから思いとどまり)、大きな病院の救急に連れて行くことに。もうなんていうの、辛いっていうか疲れたっていうの? ここですごいことがあったのだが、それは書けない。

そして、今日(日曜日)。昨日倒れた義父の様子を見に行くととっても元気で、よしこれでいいなと思っていると、こそこそと悩みを相談された。「お母さんが全然薬を飲まないのや。なんとか説得してくれんか。薬を飲んでもらわんと、わしも大変で……」ということだった。ああ、そうですよね、眠剤とか飲んでくれないと、夜、捜し物したりしちゃいますもんね、よし、それじゃあ、あとでリビングでコーヒーでも飲んで、お話しましょうと言うと、「頼むぞ」ということだった。

そして15分後、ダイニングテーブルで義母と義父、そして私でコーヒーを飲んだ。義父に目配せされ、私は義母に薬のことを話しはじめた。「お母さん、お薬飲んで下さいね。この漢方と、それからこの錠剤と……」 義母がどうしても飲まない抑肝散(ヨクカンサン)という漢方薬が、袋の中にぎゅうぎゅうに詰められている。まったく飲んでない。疲れていたのか、私は大胆な作戦に出た。

「おかあさん、この抑肝散って漢方ですけど、女性にいいお薬なんですよ。若返りっていうか、お肌ツルツルっていうか、なんかよくわかんないけど最高らしいんス。だから、これ、一袋飲んでいいですか?」と言って、義母の目の前で一袋飲んでみたのだ。すると義母は「え、このお薬、お肌にいいの? そうなの? そんなにいいお薬だったなんて知らなかったわ!!」と大感激し、一袋をあっという間に飲んだのだった。しめしめ。これでいいぞ……。

義母は、しきりに、そんなにお肌にええお薬だなんて知らなかった、女性の体のバランスを整えてくれるなんて、そんな素晴らしい漢方なら、おかあさん、毎日飲むわ~と感激していた。私も、よかったよかったと笑顔で座っていたのだが、この時だ。義父が私の方を見て、こう言い出した。

「そんなにええ薬やったら、半分持って帰れ」

思わず大声で言ったね。「どういうこと?」って。 いやまじでどういうこと? つか、誰? なにもの?? 



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村井理子

ひっそり参戦いたしました。

٩(ˊωˋ*)و ありがとうございます!
翻訳家/エッセイスト 連載:『村井さんちの生活』(新潮社)『犬(きみ)がいるから』(亜紀書房) など 著書:『犬ニモマケズ』『犬(きみ)がいるから』『兄の終い』など 訳書:『ゼロからトースターを作ってみた結果』『黄金州の殺人鬼』『メイドの手帖』『エデュケーション』など