見出し画像

山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第九十八回 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3でかかる曲予想特集(もしくは全てのポップス好きに)


ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが好きなんですよ。

MCUは全部観てますし、全部素晴らしいと思いますけど、一番好きなのはやっぱりガーディアンズ・オブ・ギャラクシーですね。

とことん“ハズし”ていくオフビート感、『ジャングルの王者ターちゃん』ばりにどれだけシリアスな状況下でも常にギャグを挟むセンス、疎外された者たちが力を合わせて戦いを挑むさま、一風変わったガジェット類、どれをとっても最高と言う他ありません。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーって何?』とか『MCUって何?』という御仁への一切の説明は割愛させていただきます。もしくは割礼させていただきます。

調べろ調べろー! 

お前が今いじくっているデバイスは一体何のために存在してるというんだ! 

ドリームキャストはゲーム以外もできるんだゾ! 

え!? ドリームキャストでネット見てんのお前!? 

もう負けたよ!! 

お前が優勝だよ!! 

お前がナンバーワン!!

で、まぁガーディアンズ・オブ・ギャラクシー以下GOGの話に戻りますけど、監督・脚本を手がけるジェームズ・ガンの選曲のセンスたるや素晴らしいですよね。

タランティーノに比肩する選曲センスの持ち主だと思います。

“音楽”が物語を牽引し、登場人物の感情を代弁し、ドラマ性を高めるという重要な役割を果たしているシリーズですけれども(“戦うなら音楽は必要だろ”っていうロケットのセリフは第二次大戦からイラク戦争に至るまでの音楽と戦闘の在り方について完全に言及しています)、とにかく選曲が抜群に凄い。誰でも知ってる有名な曲から、誰も知らないような曲まで振れ幅が大きい上に、しかもトーンがちゃんと定まってる。

デヴィッド・ボウイからパーラメントからキャット・スティーヴンスから、60〜70年代の曲がばんばん流れるんだけど、“GOGっぽいよね、これ”って音楽ばかりかかるのよ。

まだ2作しか出てないのに、劇中音楽の“っぽさ”が完全に確立されてるって凄いことだと思います。

ジェームズ・ガンは脚本を書くより前に選曲から始めるそうで、その楽曲のリストからストーリーラインを固めて行くそうです。

現代の若手(ってほど若くもないけど)監督で選曲が特に素晴らしいと思うのは、ジェームズ・ガンエドガー・ライトバリー・ジェンキンスですね。この三人は全員合わせて二十万枚ぐらいレコード持ってると思います。

さて紆余曲折ありましてようやく制作が決まったGOG3ですけども、これまで素晴らしい選曲で我々観客を大いに盛り上げてくれたジェームズ・ガンは果たして『3』で何の曲をかけるのか?

というワケで山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第九十八回は、“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3でかかる曲予想特集(もしくは全てのポップス好きに)”と題して、ジェームズ・ガン監督はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3で、一体どんな楽曲をかけるのか大胆予想していきたいと思います! みんな、ついてきてね! ついてこれないやつは置いていきます!



一曲めはパイロットで『スーナー・オア・レイター』。

もうこのイントロからしてピッタリじゃないですか!? バンド名もいかにもそれっぽいし!!

てかもうこれでいいだろ!!

これかけろよ!!

これ映画館で聴きたいもん!!

絶対俺これ映画館で聴きたい!!

絶対絶対俺これ映画館で聴きたい!!!!

やだやだやだ!!!!!!!!

絶対絶対絶対高坂海美ちゃんと結婚したい俺!!!!!!!!!


画像1

高坂海美ちゃん(特徴:かわいい)


すみません、取り乱しました。

デネ。

何がデネだ。

パイロットは、かつてベイ・シティ・ローラーズが売れないローカル・バンドだった頃にメンバーだったデヴィッド・パットンとビル・ライアルが、イギリスのスコットランドで偶然再会し意気投合したところから結成されたバンドです。

1974年にリリースされた1st『PILOT』からのシングル『Magic』がいきなり大ヒット、翌年に発表された2nd『Second Flight』の先行シングル『January』は全英ナンバーワンのスマッシュ・ヒット。QUEENとツーマン・ライヴを行うほどの人気バンドになります。

このままヒット街道を邁進し続けるかと思いきや、その後人気は低迷。メンバー脱退なども重なってバンドは70年代後半に自然消滅してしまいます。

ハード・ロックやプログレの隆盛を経て、グラム・ロックやパンク・ロックが生まれるまでのあいだの、ほんのひとときの“凪”のあいだに生まれたバンドだと思います。当時こういうバンドってたくさんいたんじゃないですかね。時代に合わせてシフトチェンジすることができずに消えていったバンドたちが。

このバンド、演奏すごい上手いんですよ。スタジオ・ミュージシャンみたいな正確な演奏するんです。そういう手練が、わかりやすくて誰でも愉しめるポップスに真剣に取り組んでいるというバンドでごぜーます。

四枚アルバム出してるんですけど、どれもすごくいいですよ。




二曲めは、ポール・マッカートニーで『バンド・オン・ザ・ラン』。

いやーこれは使われるでしょ。ジョージ・ハリスンが使われたんだからポールが使われない理由はないハズ。

聞いたところによればGOGは3で完結するみたいなんで、シリーズの締めくくりにふさわしい一曲じゃないかと思いますね。

曲が『ボヘミアン・ラプソディ』みたいに三部構成になってて、構成がドラマチックになってるあたりもとても良い。

大ネタも大ネタなんで、逆にこれを劇中音楽として採用してるのほとんど観たことないですが(リチャード・リンクレイターの映画ぐらい)、GOGにはぴったりはまると思います。

ちなみにこの楽曲の歌詞は以下のようになってます。僕の意訳ですがぜひ読みながら聴いてみてください。

周りを壁に囲まれた
牢屋にぶち込まれて
気が遠くなるほどの月日が経ったよ
誰にも会うことすらできない
もう君には会えないのかな

ああ 君が愛しいよ
もしもここを出られたら
僕が持っているものをぜんぶ
慈善団体に寄付したっていい
一杯の酒さえあれば十分だよ
もしここを抜け出せるならね

俺たちが牢屋から
太陽のもとへと逃げ出したら
急にすごい雨が降り出してきた
先頭を走る仲間が振り返ってこう言った
『なぁ、最高の気分だな』って

俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
看守や船乗りのサムは
脱獄した俺たちを
血眼で探してるぜ
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
俺たちバンドは逃げきってやる

葬儀屋は溜息をつく
“誰も来ねえし姿も見えねえ”
村の広場では鐘が鳴る
俺たちが脱兎のごとく逃げてるからな
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる

看守や船乗りのサムは
脱獄した俺たちを
血眼で探してるぜ
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
俺たちバンドは逃げきってやる

大脱走が落ち着いた頃
夜も更けてきた
街のあちこちで
俺たちバンドを探してる
でも俺たちは絶対見つからないぜ
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる

俺たちを捕まえられずに
州の裁判官もさぞ悔しがるだろうよ
そしてきっと言うだろうね
俺たちバンドを
必ずいつか探し出せ ってね
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
俺たちバンドは逃げきってやる
絶対に捕まったりなんかしねえ




三曲めは、アル・クーパーで『モンキー・タイム』。

アル・クーパー1972年作の隠れた名曲。これもGOGっぽいでしょう。

ファンの間では評価の低いアルバムですが、とてもいい曲です。

作曲者はなんとカーティス・メイフィールド。カーティスがメジャー・ランスに提供したものをカヴァーした楽曲ですが、メジャー・ランスのヴァージョンよりBPMが早めになっていて、独特の愉しいグルーヴを醸し出されていてカッコいいです。

アル・クーパーは常に間違わない。




四曲めは、エルヴィス・プレスリーで『バーニング・ラヴ』。

意外なことに帝王エルヴィスがまだ来てないんで、そろそろ来るんじゃないかなあと思います! この転がるようなポップさがなんともGOGらしい!

1972年の楽曲で、エルヴィス生前最後のビルボードチャートトップ10入り曲(ちなみに2位。1位はチャック・ベリー)であります。72年てえと、ハード・ロックやプログレがバリバリに幅利かしてた時代ですが、まだロックンロールがちゃんと売れてた時代だったんですね。

これあんまエルヴィス気に入らなかったらしいんですよ。歌詞もちゃんと覚えられなかったらしいし。こんないい曲なのに。ここまで割と地味なバラードのシングルが続いてたんで、エルヴィス的にはそういう路線でしばらく行きたかったんじゃないですかね。

自分の熱が上がっていくのをもう止められない、俺の魂は高く高く舞い上がりそして燃え上がるんだ。という歌ですね。エルヴィスのロックンロールで一番好きかもしれないです。



五曲めKC&ザ・サンシャイン・バンドで『キープ・イット・カミン・ラヴ』。

大ネタも大ネタですけど、これも使われるんじゃないかなあ〜。マイアミの太陽が輝くトロピカル・ディスコ・クラシックスです。風通しの良いグルーヴがなんとも心地よい名曲。映画『ブギー・ナイツ』でも印象的でしたね。

KC&ザ・サンシャイン・バンドは、レコード屋のバイトをしながらプロ・デヴューを夢見ていたハリー・ウェイン・ケーシー(通称KC)が、取引先のレコード屋のヘンリー・ストーンと出会い、エンジニアのリチャード・フィンチを紹介してもらったことで結成されたバンドです。

やがてスタジオ・ミュージシャンも参加し、このバンドは意外な発展を見せます。KCの音楽知識と、スタジオ・ミュージシャンの技量が合致し、化学反応を起こしたワケですね。1973年のデビュー時から活動は順調そのもので、現在も精力的に活動されています。

シングル・ヒットはいくつも出してますが、アルバムとしてこれ! って名盤はないので、ベスト盤あたりから聴くのがいいかと思います。



はい、というワケでいかがでしたでしょうか、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第九十八回 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3でかかる曲予想特集(もしくは全てのポップス好きに)、そろそろお別れのお時間となりました。GOGを観たことないと言う人はこれを機にぜひ観てみてください、GOGファンは共に語り合いましょう。次回もよろしくお願いします。お相手は山塚りきまるでした。



私たちはグルーーーーーーーーーーート!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?