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つくばの新しい「コミュニケーションを紡ぐ場所」〜私とLab③〜


あぁ、あの熱気が戻ってきた。

5周年を目前にしたポットラックパーティー。途中参加した私は、「久しぶりですね!」「はじめまして!」を繰り返し発しながら、そうじんわり感じた。

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「コワーキングプレイス」Tsukuba Place Lab

おかしいな、仕事が進みすぎる

例のあのウイルスが蔓延してからLabの雰囲気はちょっと変わった。それまでは忙しく全国を飛び回っていたスタッフが、Labにいる。前よりは減ったけれど利用者さんもいる。これまで以上にコミュニケーションが生まれてもおかしくはない。

けれども、圧倒的に「仕事場」としてLabを使う人が多くなった。テレビ会議をしたい、wifi環境のあるスペースが欲しい、授業を受けたい…。「コワーキングプレイス」なので間違っちゃいないけれど、それまでのLabを全く知らない人たちが、Labを作業場として使う、それはなんとなく違和感があった(その方たちを責めているわけではなく)。

私たちだってLabで作業をしていたんだけど、それは「コミュニケーションの合間に作業する」という感じだった。作業してても結局喋っちゃう、みたいなそんなゆるい時間。スタッフになってからコワーキングに来た人と帰り際に話したことがあったけれど、それはその人にとっては「仕事の終わりにちょっとスタッフと喋った」くらいのことだったんだろう。

私の場合、進学でつくばに引っ越してきて、何のつながりもなかった私がつくばに愛着を持てるようになったのはLabのおかげだった。「コワーキング」のためにLabに来る、というのはとっかかりでしかなくて、何度もコワーキング利用したりイベントに参加したりすることで、ゆるやかにこの街に馴染んでいった、そんな感じ。「コミュニケーション」のなんたるかなんて知らないんだけど、街に馴染むために必要だったのは、確かに「コミュニケーション」だった。


「コミュニケーション」を生み出す場の設計

だから、Labは変わった。より「コミュニケーション」が生まれる場に。

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なんということでしょう。2人入るともういっぱいの使い勝手の悪かったキッチンは、広々とした業務用キッチンに。

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ところ狭しと並びタイトルが見えない本もあった本棚は、壁一面のディスプレイ型に。

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ゆったりとしたソファは読書にぴったり。

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この変化がどうコミュニケーションにつながるか、私なりに考えたことを次に書いてみようと思う。

「同じ場の空気を食う」

「同じ釜の飯を食う」という言葉がある。そうだよなーと思ってはいたけれど、Labの新しいキッチンで作ったパスタを食べた時に、その言葉の意味がもう少し分かった気がする。

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Labを利用しに来る人は、ご飯を食べにきてるわけではない(と、思う)。ご飯を一緒に食べることが大切なんじゃなくて、そこから生まれる会話とか、発見とか、そういうものが楽しいんだ。

初めて会う人でも、一緒にご飯を食べればなにかしら話をする。ちょっと作業に来たらご飯作ってる人がいて、「一緒に食べませんか?」から会話が始まる。…なんかいいな。

これまで難しさを感じていた「コワーキング」から「コミュニケーション」へのつながりを「ご飯を食べる」ということが担っている感じがする。(ちなみに、Labのご飯はTwitterで「#今日のLab飯 」のタグで見られます。)

カウンターもコミュニケーションに一役買っている。これまでコーヒーを飲んだりご飯を食べたりするのは四角いテーブルか卓球台だった。そうやってきちんと座ってしまうと、近くに座った人としか話せない。けれどもカウンターだと、コーヒーを淹れている人がいると何となくカウンターにみんな集まってきて、そこから会話が生まれて。より流動的なコミュニケーションがとれる気がする。

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静かで雄弁なコミュニケーション

「コミュニケーション」とは、なにも言葉を発することだけじゃない。「本」だって雄弁だ。

どんな本にも作者の思いがあって、伝わったらいいなという願いがある。それを短い文章から読み解くことは、技術のいる、高度なコミュニケーションなんだなあ、と、最近「本を読む本」という本を読んで思った。

本は作者が語りたいことが詰まっている。そんなことを考えたら、本が並ぶ静かな図書館を騒がしいパーティー会場のように感じるようになった。私の感覚としては、人と話して新しい発見や気づきがあったときのワクワク感と、本を読んだときのそれはすごく似通っている

図書館の楽しさって、思いがけない本に出会うことなんじゃないかとも思う。でも、図書館は本が決まった分類通り並んでいるから、目当ての本の周辺の本くらいしか目に入らない。Labは本が1区画ずつ、思いがあってそのまとまりで置いてある。ジャンルが違っても興味がある本が見つけやすいし、思い切ってぜんぜん読んだことなかった本を手に取るのもいい。

そしてきっと、本がもたらすのは本との対話だけではない。同じ本を読んだ人と感想を言い合ったり、関連するおすすめの本を紹介したり。朝誰かが読んでいた本を、夕方別の人が読む。素敵じゃないですか?


この場に、名前はまだない。

「じゃあ、新しいLabはコワーキングプレイスじゃなく、何になったんですか?」

そう言われると答えに窮してしまう。「コミュニティープレイス」という言葉に押し込めるとちょっと窮屈な気がする。前に「シェアハウスのリビングみたい」という言葉も聞いたけれど、それよりはもう少し刺激的な気がする。

少し悩んで、今はこの場所に無理に名前をつけなくてもいいのかな、と結論づけた。名前をつけてカテゴライズしてしまうと、なんだかラベルだけの薄っぺらな存在になってしまう気がするから。

Labは、おしゃべりなスタッフとおしゃべりな本たちがいる場所です。
さぁ、今日はなにが起こるかな。

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Tsukuba Place Lab5周年イベント「5周年だよ!全員集合!

来る12/1 水曜日、Labは5周年を迎えます。お久しぶりの方も、この記事を読んで気になってくれた方も、ぜひぜひ新しいLabの雰囲気を感じてください!

(イベントページより抜粋)
そんな中で、Labは今年大きな決断をしました。オープン後初めて。コロナでも閉めなかったLabを、5ヶ月閉めました。今年の5月GW明けから9月末までのことです。「閉めました」とは言ったものの貸切対応やスポットでの利用は対応していたので、実質ほぼ毎日現場にいて、人が来る。ある意味では”いつも通りの”Labでもありました。しかしその中にあって、やっぱり頭から離れなかったのは”現場の力”とはなんだろうという問い。もしかすると5年前、創設時からずっと考え続けてきたことかもしれません。それがコロナ禍で顕在化した。

とてもいい機会であったと今なら言えます。
”見た目として”Labはオープンキッチンと壁面本棚が作られて食と本をコミュニケーションツールとして、より交流と出会いが生まれやすい場に生まれ変わりました。本質的な違いは…
どうなったのかを、ぜひLabに来て感じてください。
”いつも通り”の周年イベントを開きます。ぼくの大好きな友達が、仲間が、全国から来てくれる日を、みんなと共有する。そう、Labは”みんなでつくる、みんなの場”だから、楽しいことはみんなで共有したい。今年も、今年こそ、やります。5周年だよ!全員集合!

🔥 なにかやりたい人…大募集
今までLabでイベントを開催してくださった方々と、あるいはLabでイベントしてみたかったんだよねという方々と、Labのイベントに参加してみたかったんだよねという方々と、みんなと一緒に7:00~23:00の16時間、イベントをやりまくりたいと思います。
Labの5周年を一緒につくってくれませんか?
🚩 日時
2021年12月1日(水) 7:00~23:00
16時間みんなのやりたいことをやり続けましょう!
🚩 場所
Tsukuba Place Lab
つくば市天久保3-21-3 星谷ビル2-A
地図:https://goo.gl/O6eA10
🚩 参加費
1,000円
※ イベントする人もしない人もみんな一律1,000円です。ならばイベントしないと損!みんな自分のやりたいことをカタチにする1日にしましょう!
🚩 チケットはこちら
https://lab-5th-anniversary.peatix.com

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この連載は「Tsukuba Place Lab」で私がやってきたことのまとめ兼Tsukuba Place Labの宣伝記事です。この記事を読んでLabに興味を持った方は是非足を踏み入れてみてください。
Twitter :@TsukubaPlaceLab  インスタ:tsukuba_place_lab
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