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高校生から大人まで。「つなぐ」思いが溢れたつくば100人カイギに行ってきた

こんにちは!ゆーみるしーです。換気と消毒に気をつけつつ、3月27日のつくば100人カイギに行ってきました。

隣に座っている人のやっていること知っていますか?

突然ですが、会社や研究室で隣に座っている人がやっていることを知っていますか?隣の部屋の人とはどうでしょう。意外と身近な人がどんな活動をしているかというのは知らないのではないでしょうか。

そんな問題意識から始まったのが「100人カイギ」です。100人カイギとは毎回5人の地域の方が登壇し、20回開催、つまり100人が登壇するイベントです。つくばの他にも多くの地域で行われています。100人カイギ founder / 見届け人の高嶋大介さんは次のようにHPで言っています。

「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」
ある時ふとこんなことに気づきました。
会社規模も様々ですが、すぐ隣の席の人ですら話をじっくり聞いたことがない。
(中略)
最初はただ、隣のビルの人の話を聞きたいと思い、堅い話抜きで話せるイベントを開催してみました。すると「こんなことをやっている人がいるんだ!」という発見が多くあり、また参加者同士がお互いの話に触発されていく様子が、素直にすごく面白かった。それが始まりです。

100人カイギは肩書きではなく、「思い」で繋がるということをコンセプトにしています。「誰かすごい人を呼んで講演会」というスタイルではなく、同じ地域に住む人が何をしているのか知る、ということが大事なのです。

1人あたりの登壇時間は10分。10分の中でプレゼンしてもOK、歌ったり踊ったりもOK!過去につくばでは、ソーラン節を踊ったり、紙芝居を読んだりした人がいました。

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さて、つくば100人カイギはアイスブレイクから始まります。名前、どこからきたのか、今日何を期待してきたのかを一回3分、3回ほど回して自己紹介します。目標は、全員が知り合いになって帰ること!この日は半分くらいの方が100人カイギが初めてで、私も5人ほど新しい知り合いができました。
さあ、場が温まったところでいよいよプレゼンの開始です!

学校の中から世界を広げるーあかけん

トップバッターは最年少のあかけん。高校2年生で学校内で実行委員をたくさんやっているそうです。彼はKEKサイエンスカフェの常連なので2年以上前から知り合いなのですが、それこそ彼のやっていることは今まで知りませんでした。

なかでも今回特に話してもらったのは「芸術幼稚園」という取り組み。彼はこの活動に「救われてた」と話しました。芸術幼稚園とは、アーティストを学校に呼び、ワークショップを行う活動。具体的には踊ったり、絵を描いたり...。本を作って沖縄まで売りに行ったこともあるといいます。

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この活動は、彼の一代前の先輩が始めたのだそう。彼は中学校にあがったときに勉強に追われた結果、好きだった絵が書けなくなりました。しかし、東京に出てアーティストと出会って意欲を取り戻していった経験から、「芸術幼稚園」を始めたそうです。

「幼稚園」と名前につけたのは、幼稚園児が絵を描くように自由に、という思いらしいです。学校外の風を学校内に持ち込むことによって、学校の枠組みから出られない人と「新しい世界」をつなぐことを目的にしています。

あかけんは、まず、学校の内側に芸術幼稚園などの「きっかけ」を作ったあと、みんなを学校の外、それこそつくば100人カイギのようなイベントの場に連れ出したいと考えているそうです。彼自身が学校外のイベントに行くようになって世界が広がった経験があり、その経験を他の人にもして欲しい、と話しました。

「学校の中から変えていきたい。うちの学校でなにかやりませんか?」

(ぜひ何かやりましょう!)

半径1.5m以内の人の笑顔を守りたいーYumi Sudo

「“医”の中の蛙が大海に出てみたら。」というタイトルでトークを始めた彼女は、小学生の時看護師を目指していたと話します。筑波大学に惚れてつくばに引っ越してきて、授業や実習に必死に取り組む中、ふと、「看護に向いてないかも」と思ったのだそう。

そこで、小学生のときから看護に一直線だったので、他の活動をすることにしてみたそうです。(行動力がすごい)

Tsukuba Place Labのスタッフ、ラブグラフでカメラマン・・・

多様な活動をする中で気づいたことは、「夢=職業」じゃない、ということ。

「自分の夢は?」もっと噛み砕くと、「私はどうありたいのか?」「どう生きていきたいのか?」

それを考え続けた結果、彼女は「半径1.5m以内の人の笑顔を守る」ことが夢になりました。両腕を伸ばした長さは人間の身長くらい。両腕が届くくらいの小さな範囲の笑顔を守りたい。その笑顔の輪がだんだん周りに広がっていけばいい、と話しました。

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その結果、彼女は

「看護学生カメラマン」

を名乗り始めました。看護だからできること、写真だからできること、とわけないで考えることが大事。そう話す彼女が大切にしているのは「バイタルをとること」だといいます。バイタルとはどの科の看護師も行う、患者さんの体調を把握するための生命兆候をとること。それは、そのときのその人らしさそのものです。そして写真としてもその人らしさを残したい。看護師の仕事と写真は「バイタル」というキーワードでつながっているのです。

そんな彼女の写真展「アスリートの笑顔展」が筑波大学病院の廊下で開催中です!(現在はコロナウイルス感染拡大防止のため一般の方は見られないそう。残念。)

今後は看護師として働きつつ(国家試験合格おめでとう!)、「医路とりどり」というサイトを立ち上げ、看護の資格を持った先輩たちの情報を看護学生に発信していく予定だそう。Yumiさんの今後に乞うご期待!

地域の課題を地域のみんなで解決するー高島聖也さん

稲敷市で2015年から2018年まで「地域おこし協力隊」として活動していた高島さん。稲敷市は、3階建て以上の建物がない、空が広い街だそう。(行ってみたい!)

そんな稲敷市で、空き家の再生を中心に活動したのだそうです。都市部で疲れた人たちがここで羽をのばしてほしい、と言う思いを込めてhaneyasumeというゲストハウスをDIYで作り上げました。

そんな活動の中で大切にしていたのが「コミュニティーワーク」という考え方。これは、社会問題を地域の方々と協力して解決する考え方です。

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例えば、食育の一種で「まちキッチンあえる」というイベントを開催した際のこと。食材と人材を「あえる」というコンセプトのもと、いろんな人との関わりを作りながら料理を作るのだそう。そこで、生ハムの原木を作ってる人がたまたまいた。そこで、どんな食べ合わせができるか研究したり、生ハムを切る体験をしたりすることができたのだそう。(生ハム切りたい)

これはまさに街の人々が繋がったからこそできた食育だと思います。高島さんは「コミュニティーワーカー」として、これからも人と人とを繋いでいってくれるでしょう。

光を使って宇宙と地上をつなぐー常間地(つねまち)悟さん

最後は筑波大学発ベンチャーで、人工衛星の開発を行う「ワープスペースCEOの常間地悟さん。ワープスペースのミッションは、

人類の経済圏が本格的に宇宙に拡大する時代に
地球観測ビッグデータ化加速による地球経済圏への貢献

気象衛星「ひまわり」に代表される人工衛星は、今やその用途が多様に広がっています。例えば、トヨタの自動車工場を上から撮って生産量を把握したり(そんなことやっていいんだ・・・)、 人工衛星からの写真を一瞬で解析して、作物がどれくらい育っているかを確認したり。

しかし、今の宇宙の通信は「ダイヤルアップ通信」のようなもの。(昔は一回一回「接続」って押してからインターネット接続をしていたのだそうです。)

常間地さんは、宇宙の通信を遅いインターネットから早いインターネットにしたい、と話します。現在の宇宙との通信の課題は以下の2つ。

課題1. 短い時間しか地上と通信できない
時速27000km(秒速7km)で移動する人工衛星。データ通信は人工衛星が地平線から現れ、地平線に沈むまでの約10分間で地上との通信を行わなければなりません。その都度その都度で接続を行わなければならず、通信速度が遅いため、非効率です。

課題2. 電波を使っているので時間がかかる
電波というのはいろいろな周波数帯がありますが、これを利用するためには、「ここ周波数帯を使いますよ」という許可が必要なのです。しかし、この手続きには数年時間がかかります。

そこで常間地さんが提案するのが「光を使って宇宙と地上をつなぐ」技術。つまり、宇宙空間で光通信を実現すると言うのです!そしてその実証実験のためのクラウドファンディングをまさに今実施中!

個人的なオススメリターンは「衛星のかけらをお手元に」プラン。実験で使えなくなった衛星のかけらをアクセサリーにしたものが受け取れます。欲しい!!

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最後に常間地さんは語りました。

人間いつ死ぬかわからない
魂が震える選択を
みんなもしていって欲しい

場がつなぐ 人がつなぐ

今回の登壇者は「つなぐ」人ばかりだったと思いました。「学校と新しい世界を繋ぐ」「看護と写真をつなぐ」「地域の人と人をつなぐ」「宇宙と地上をつなぐ」。そして、参加者もup Tsukubaという場でこのつなぐ人々と繋がることができました。

つくば100人カイギは今回で16回目。あと4回、この場で人々が繋がるのを楽しみにしています!


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