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病みあがらない

せっかく病気になったので、今しか書けないことを書こうと思う。転んでもタダでは起きるなと、昔、先輩から教わった。なんでもいい、笑いのネタをひとつはつかめ、と言われた。ちなみに、わたしは芸人ではない。

現時点で笑いのネタはまだ得ていないが、これまで経験したことのない瞬間があった。
体に異変が起きて、これは気のせいだ、たいしたことないと思い込もうとする自分と、病院に行った方がいいと判断する自分が闘う時期がある。わたしの場合はひと月くらい、そんな感じだった。ある日、なんとも言い難いのだが、鋭い光線みたいなものがピッと頭の中を通り抜ける瞬間があり、まるで誰かに「病院に行きなさい」と言われたような感じになった。おそらくあと一週間くらいなら、まだ我慢できていたのかもしれない。しかしその一週間の間に、激変していた可能性が高い。もう引き戻せない地点を超えると、確実に死が見えてくる。

自分が病気であることをネットの世界で話題にすることは難しい。会ったことのない人たちに心配をかけることは、大人としてどうなのよ、と思う。しかし、本当にしんどい時に本音を書かずにいることも、ちょっと違うかなとも感じる。また、わたしのこれまでのnoteの投稿は、自分のことしか書いていない。なにかの情報サービスや、教育や啓発をしているわけでも、エンターテインメントでもない。だとしたら、個人的な話を書いてもいいんじゃないかしらと考えた。

病気をすることによって、さらに新しい道を切り拓く人もいる。なにか啓示でも受けたように、スピリチュアルが開花する人もいる。しかし、わたしはどうだ。こうして、笑えるネタはないかと身の回りのことばかり考えている凡人だ。ああ、どこまでもありきたりの人間だ。

短くても、こうして毎日書こう。寝転がってはいるが、まだ生きている。



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