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今日見た子ども

今日は、地下鉄に乗った。扉が開いて、車内に一歩踏み込むと、小さな子どもが歌っていた。まだ2歳くらいだと思う。お母さんの抱っこ紐の中で、楽しげに歌っていた。歌声はけっこう大きくて、車両の全員が聞いていたと思う。

「どんぐりころころどんぐりころころどんぐり…」
どこまで転がるんかいっ!とツッコミを入れたいところだが、グッと我慢。
「おおきなクリの…クリの…なかよくあそびましょう おおきなクリとあそびましょう」
あなたとわたしはなかよくなれないのかー。クリとだけ遊ぶのか。
その子のお母さんは黙ってその歌を聴きながらうなずいていた。

今日は、スーパーにも行った。ひなあられが山積みになっているワゴンの前で、2歳くらいの女の子を連れた若いお母さんが「きゃー!」と言った。
「○○ちゃん!ほら!あの、なんて言ったっけ、あのー、ほら、明日はほら、ええとー、んー、ああ思い出せない!お母さん忘れてた!明日よ!」
そして、パッケージに描かれた雛人形を見て、
「そうそう!ひなまつりよ!ひなまつり!」
と叫んだ。わたしも「そうそう、ひなまつりよ!」と心の中でうなずいた。
買い物が終わって、スーパーの出口でその親子にまた遭遇した。店員さんが、「ありがとうございました」とお辞儀をすると、
「パーチーよー。パーチーするのよー」と、女の子はひょいと小さいレジ袋を持ち上げた。中にはひなあられが入っていた。
お母さんの後ろをよちよち歩きでついていく。見れば、ピンクのキラキラドレスだ。きっと「これを着る!」と言ってきかなかったんだろう。いや、お出かけしたくないと言い張るのをお母さんが「ほら、このドレスを着て行こうよ」作戦で着せたのかもしれない。「パーチーよー。パーチーね〜」と言いながら歩く。お母さんは「ウンウン。おうちに帰ったら、それをテレビの前に置いてから、それから食べようね」と言っていた。
テレビの前にお供えするのはなぜだろう。雛人形が置いてあるのだろうか。

家に戻ってベランダで洗濯物を取り込んでいると、通りの向こうで小さい男の子が泣いているのが見えた。すぐそばにはお母さんらしき人が立っている。「いやだー。いやだー」とわめいている。何がそんなにいやなんだろう。「行くよ」とお母さんが声をかけるが、彼は「いたいよー、いたいよー」と泣き止まない。どこか痛いのか?ただ歩きたくないだけか?
それにしても、小さい子は、笑っても泣いても怒っていてもかわいいものだなあ。ああも泣かれると、お母さんは大変だろうけど、あんな時期はそう長く続かない。ほんの数年だよー。頑張れお母さん。

居間に戻ると、休校になった中2の女子が、お菓子をボリボリ食べながらYouTubeでゲーム実況を見ていた。かわいくない。ああ、別の意味で頑張れお母さん。


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