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毎日が病みあがり

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日々のあれこれを書いています。
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#Inktober2020

CRAWL

CRAWL

クロールは水泳の自由形のことだと思っていたら、「のろのろ進む」「腹這っていく」などの意味らしい。

「匍匐前進!」という言葉を初めて聞いたのは、おそらく小学生の時「金曜ロードショー」か何かの、父と見ていた戦争映画だったと思う。「ほふくぜんしんって何?」と聞いた覚えがある。「戦場で腹這いになって進むこと」と父は答えた。まだ幼稚園の弟が「こう?」とやって見せた。父は「そうだけど、そうじゃない」と言った

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OMINOUS

OMINOUS

今日のお題は、不吉な、不気味な、縁起の悪い…がテーマだ。

特定の数字が「不吉」とされているが、それは国や文化圏によって違うそうだ。日本は死を連想させる4と苦を連想させる9。中国では7、アメリカでは191、インドでは26、嫌われているそうだ。13とか666とか、キリスト教圏で嫌われている数字もある。

ラッキーナンバーというものもある。先日見た占いの番組では、名前の画数や生年月日と携帯電話の下4桁

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SHOES

SHOES

子どもが生まれて、初めて履く靴を選んだ時、その靴がわずか数ヶ月で履けなくなるとは考えてもみなかった。

子どもの足はぐんぐんと大きくなる。ムスメは小さく生まれたせいか、成長も控えめで、よそのお子さんのようなスピードではないが、それでもじわじわと大きくなる足に驚いたものだ。

わたしが子どもの頃、父だったか祖母だったかに『服はどうでもいいが、靴だけはちゃんとしたものを履け』と言われたことがある。それ

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MUSIC

MUSIC

音楽には縁のない家庭に育ち、自分も特に音楽に傾倒することもなく大人になった。どこか音楽は遠い存在で、ラジオから流れてくる音楽だけが、わたしの日常にあった。好きなアーティストも「音楽」という括りではなく、「詞の世界」が好きだからという理由でファンになることが多かった。

ムスメが中学生になって吹奏楽部に入った時から、何かがシフトした。生で聴く機会が増えたことが大きいと思う。音楽の持つメッセージの力は

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HIDE

HIDE

熊に出くわしたら死んだふりをするのは、有効か否か。そんな記事を読んだ。諸説あるようだが『熊は動くものに反応するので、木のかげに隠れて、じっと木のふりをしていればやり過ごせる』とも書いてあった。とはいえ、もし自分が熊に出くわしたら、逃げ切る自信もないし、立ち向かう勇気もない。じっと隠れているのも無理だろう。

山で熊に出会わない方法は?うーん。山に行かないことかな。

BUDDY

BUDDY

わたしの脳内ですぐに思いついた「相棒」はトムとジェリーである。

よくまああれだけ、生きるか死ぬかみたいなケンカをして、仲良くできるものだと子どもの頃から不思議でならなかった。

DIG

DIG

丼ものを食べるとき、どのように食べますか。

丼の器に対して、垂直に箸を勧める人、水平に、文字通り平らげていく人、上ものをよけて、下のごはんから食べる人、いろいろだと思う。

丼ものは、器の中で、ごはんの上に汁気のある上ものが乗せられているのがほとんどで、まるで地層のように、まっさらごはん、汁しみごはん、上もの、となっている。これを垂直、つまり縦方向に箸を入れていくと「掘る」という感じになって、口

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RIP

RIP

物言えば唇寒し秋の風。口は災いの元。だから、人の悪口や不平不満はなるべく言いたくない。だが今日はここで言う。

おととい、ちょっとした裏切りめいた仕打ちに遭って傷ついたわたしは、悲しい気分を払拭すべく、奮発して何かうまいものでも食べるか、と思ってステーキ屋に入った。表にテイクアウトと書いてあるので、家で待つオットとムスメに買って帰ろうと思ったのだ。まず「こんばんはー」と入って行ったらテンガロンハッ

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CHEF

CHEF

わたしは料理が好きだが上手なわけではない。いつも「なんだこの味付けは」とか、「こ、この料理なに?」とか家族に言われる。いちばん多いセリフは「またですか?」である。またカレー、また炒め物、また魚…。

わたしは毎日同じものを食べ続けることも可能だ。味には飽きるが、とりあえず、一週間くらいなら毎日うどんでも、毎日卵かけご飯でもいい。

ところが、同じ料理が続くと文句を言う人たちがいる。それらをわたしが

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SLEEP

SLEEP

眠るということは、リセットと似ている。こんがらがった糸をほぐすように、わたしの脳内をシンプルにしてくれる。でもそれは、本当によい眠りの時だけ。あとは疲れの残った嫌な朝を迎えることになる。

学生時代、ぐっすり眠れたことがない。多々理由はあるのだけれども、その「理由」の複合体として、わたしは毎晩のように「金縛り」にあっていた。そうなると、もう夜眠るのが怖くなる。ギリギリまで起きていようと思って、朝を

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CORAL

CORAL

子どもの頃、ビン入りの星砂をお土産にもらった。これなあに?と聞くわたしに、お土産をくれた人は、小さな白い粒はサンゴの仲間だと言った。わたしは星の形をした砂が珍しく、とてもキレイで気に入った。かわいいなあと思っていた。机の引き出しに大事にしまっておいて、時々ビンから取り出しては、手のひらに出して、その形を確かめたりしていた。

大人になって、星砂は有孔虫という生き物の殻なのだと聞いた。サンゴの生息す

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DIZZY

DIZZY

そりゃもう、目眩は今日に始まったことじゃない。ムスメが生まれてからというもの、目が回っていない日の方が少ない。

幼稚園まではそうでもなかったが、小学校に上がってからというもの、お決まりの「あした牛乳パックが要る」とか、「今日、布を持っていく」とか、実行不可能なミッションを言い渡されることが激増した。夏休みの宿題を8月25日を過ぎてから「あれをまだやってなかった」と言うし、それがまた、何日もかかる

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TRAP

TRAP

ハニートラップ。思いついたのは、友人のことである。

外国に住む友人が何人かいるのだが、その中の一人が帰国した時に「買い物に付き合って」と言って来た。普段はデパートになど行く用もないので、面白がってついて行った。「何を買うの?」と聞いたら「ネグリジェ」と言う。

ネグリジェとは、あのネグリジェか。寝るときはパジャマかジャージのわたしは、ネグリジェと聞いただけで吹き出しそうになったのだが、彼女は真剣

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STORM

STORM

模写。歌川広重「東海道五十三次」の「庄野 白雨」である。白雨とは夕立のことだそうで、嵐、暴風雨とは言えない。選択を誤った。「嵐」で画像検索をしたら、ジャニーズの嵐ばかりがヒットして、これぞという絵が出てこなかった。

それにしても、である。太古の昔から地球は晴れたり曇ったり雨が降ったり嵐になったり。雪も降れば雹も降る。風が吹いて桶屋が儲かるのは随分最近になってからの話だが、大風が吹いて、木々や草が

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