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毎日が病みあがり

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日々のあれこれを書いています。
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2020年9月の記事一覧

お前もか

お前もか

まだメガネの話は続く。

今日、夕食のテーブルで、オットが黙々とグラタンを食べていた。いつもと何も変わりなく、淡々と無愛想に。うまいとかまずいとか言うこともないし、わたしの方を見ることもない。

わたしが一方的に話しかける。来週の金曜日の予定、土曜日の予定、日曜日の予定…来月の中旬までのざっとした大まかな予定を言うのだが、それを聞いているのかいないのか。「以上です」と言ったら「はい?なんだって?」

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顔が変わっても

顔が変わっても

わたしは小5からのメガネユーザーで、メガネはほぼ顔の一部と化している。昨日もメガネの話を書いたが、わたしは「メガネ族」の顔である。

今朝、いつものメガネとは違うものをかけて職場に行った。いつものフレームは茶色で、今朝のは濃い緑色だ。どちらもセルフレームとはいえ、色と形は全然ちがう。

朝の地下鉄で、わたしは脳内シミュレーションをしていた。
『あれっ?メガネ新しくしたんですか?』と声をかけられたら

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メガネ族の人

メガネ族の人

近視は遺伝するらしい。保健室の先生が言っていた。わたしは生活習慣のせいだと思っていたのだが。

わたしは小5の時から超ド近眼で、メガネがなかったら生活できない。コンタクトレンズを使っていた時期もあったが、老眼が始まった頃からコンタクトレンズは使えなくなってしまった。今では遠近両用のコンタクトもあるらしいが、わたしにはもうコンタクトレンズのケアをする余力がない。

メガネをかけ続けていると、メガネ顔

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梨

友だちからおすそ分けに梨をいただいた。しかも、品種は懐かしい『二十世紀』である。このところ、おいしい梨を食べたことがなかったので、たいへん嬉しい。無類の梨好きのオットは「こんな高いものを!」と言って驚いた。見た目はそうでもなかったが、心の中は小躍りしていたに違いない。

オットの母は真面目で律儀で心配性である。その性質がよく現れているのが、梨についてのエピソードだ。
お母さん(オットの祖母のこと)

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秋の装い

秋の装い

暦の上ではDecember、じゃなくてSeptemberも終盤であります。

今日はワダシノブさんの「夜に絵を描く」に参加しました。お題を出し合って、絵を描いてみんなに見せる。ただそれだけのサークルなんですけど、めっちゃ楽しいです。シノブさんはじめ、海外に住んでいる人ともワイワイ話ができて、オンラインは面白いなあ。

今日のお題は、木枯らし・かぼちゃ・体育の日・秋の装いの4つでした。

わたしは慣

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米を喰う

米を喰う

今日は、お米ばかり食べていた。お昼にスーパーで買ったおにぎりを2つ。晩ごはんは自分で握ったおにぎりを2つ。

「最近、米ばっかりしか食ってないな」とオットが言うが、それは違う。昨日は牛丼だったしその前はたこ焼きだった。きしめんも食べたし、カレーも食べたじゃないか。それなのに「米しか食ってない」とはどういう了見だ。

うちはムスメと3人暮らしなので、米の消費量は少ない方だ。5kgの米を消費するのに、

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海に行きたい

海に行きたい

高校時代は祖父母の家がある、漁村で暮らした。海は身近にあったのに、「海が見たいの」とか「夜の海っていいわね」とか「船旅にはロマンがある」みたいなセリフを本で読んだり、ドラマで見たりした時に「ケッ」と思っていた。潮風はベタついて髪がバサバサになるものだし、水平線と聞けば、曇天の玄界灘の薄暗い風景しか思い浮かばない。

わたしにとっての海の印象は、危険で「生きるか死ぬか」が問われる場所だ。祖父母は「海

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罪悪感

罪悪感

家族と別行動でおいしいものを食べる時、抜け駆けした気持ちになって、一瞬「すまんな」と思う。でもそのおいしそうなものを前に、いつまでもそんな罪悪感に浸ってはいられない。次の瞬間、わたしは自分が食べることだけに集中する。こんなことめったにないんだから楽しまなくては、と思う。

先日、部活動保護者会の役員たちと「任期満了お疲れさま会」があった。部活に行くムスメには自分の作った雑なドカ弁を持たせ、オットに

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やっと終わり。

やっと終わり。

部活の会計係を卒業した。人生初の会計係で、わたしにとっては大きなチャレンジであった。

人のお金を預かる怖さを1年間味わった。学期ごとに扱う金額はわが家の家計よりもはるかに多い。お札をあんなに数えることはもう一生ないと思う。しかし人のお金だと思うと、なんの感情も湧かない。札束を見ても欲しいとも思わないし、ちょっと使ってやるかとも思わない。「みんなのお金」と思うと、1円でも安い出費になるように慎重に

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漫才が笑えるから、まだセーフ。

余白の美

なにごとにも『余白』みたいなものが必要だ。

10代の終わり頃。その日はわたしが夕食を作って、焼魚を皿に盛り付けた。それを食卓に出したら、父から「お前は学校で何を習っているんだ」と言われた。「こんな雑な盛り付けでは、見た目がうまそうじゃない」わたしは美術系の学校に通っていたので、それはかなり手厳しい指摘だった。そして、レイアウトというものが生活の中でどんなに重要なものかということがわかった。

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どこへ。

どこへ。

朝、オットが窓から通学路を見ていた。
「あの子は何をしているのだろうか」

路肩に置かれたコンクリートブロックの上にノートと教科書と筆箱を広げている女の子がいた。傍に水筒とランドセルを置き、何かノートに書き付けている。小学1年生の黄色い帽子をかぶっているその子の周りには、同じく黄色い帽子の女の子が3人いて、その子の様子を見ていた。

「なんで学校ではなくて、ここで?」とオットが不思議そうに言う。そ

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昨日

昨日

今朝、パソコンの傍に寝おちていて「しまった!noteの更新!」と思って飛び起きた。noteを見てびっくり。昨夜は小人が現れて、わたしの代わりにnoteを書いてくれたのではないのか。覚えのない記事が投稿されている。

いや、正確に言うと、わたしが書いたような気がする。けれどもそれは意識が朦朧とする夢の中でのことで、実際に書いた実感はない。

内容が素晴らしいものだったら本当に小人かもしれないが、どう

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PIXERのひみつ展に行ってみた

PIXERのひみつ展に行ってみた

映画館でピクサーやディズニーのアニメを見るとき、わたしの頭はストーリーを追っていない。映像の細かい表現を見落とすまいとスクリーンのあちこちに目を配る。そして、登場人物の動きはもちろん、背景に揺れる木々の影までじっくり見る。

今回の展示は、アニメーション作り、特にコンピュータで作るアニメを詳しく紹介していた。アニメの仕組みは知っているのだが、とにかくその細かさに驚いた。

わたしが一番萌えたのは、

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