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インド人エンジニア達と10年近く付き合って思うこと

この記事は「【初心者優先枠】corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2020」 とリンクしています。
https://adventar.org/calendars/5391


「君はインドに選ばれたんだよ。」
と元上司に謎のお言葉を頂戴したことがあります。「インドには呼ばれる人とそうでない人がいる。」と三島由紀夫なる人が遺した言葉らしく、その意味で私は選ばれたのだと。

考えてみると大学を卒業してからこれまでの10年間、自分は特段望んでいなかったにも関わらずインド人との関わりが絶えることがありませんでした。楽しかった事も勿論ありますが苦労したことも圧倒的に多かったので、今回の記事では”インド人と上手く仕事をするためには?”について少しお伝え出来ればと思います。

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はじめに -自己紹介

というわけで皆様はじめまして。今年情シスSlackに入ったRiioと言います。

今は三社目で現在は飲食業界の情報システム部でインフラ・セキュリティを担当しています。前職と現職は冒頭に出てきた元上司に誘われて入社したのですが、その人がインド色強めなお方で私も引きづられて人生がスパイス色に染まってしまった経緯があります。

特に前職はとあるインド企業に属しつつ、日本の伝統ある企業向けにITインフラ統合プログラムの中で一部プロジェクトを担当させていただきました。

今の会社でもインドに愉快な仲間達がいるため彼らと一緒に楽しく仕事していますが、インド人との関わりという点では圧倒的に前職の方が濃かったと思います。例えば…

・常駐先オフィスのお作法(正門通るな、大声で喋るな、黙って人の物を借りるな)をインド人エンジニアに守るよう日々お願いする。
・マンション賃貸契約のためインド人の付き添いをすると、”スパイスの匂いが残って消えないから何とかしてくれ”と管理会社に言われ困る。
・帰国したインド人に”日本のあのお菓子が恋しいんだ。送ってくれないか?”とお菓子の買い出しに行かされる。

こんな仕事もプライベートもごちゃごちゃになった経験が出来るのは後にも先にもあの会社であのタイミングだけだったと感じています。いや、そうであってくれないかな…と記事を書きながら切実に願っています。

私の人生はこうしてインド色がすっかり強くなったのですが、他の人はどうなんだろう?と考えてみると、IT業界においてはインド人がどんどん世界に出てきているので、もしかしたら情シスslackにいる人もインド人と関わる機会が出てきたりするかもしれません。

そんな人の一助になればという気持ちで、今から前職の体験を中心にインド人との付き合いで学んだことトップ3をバババっと書いていきたいと思います。

※あくまで数社で体験した中での印象なので、その点はご了承ください。

電話や対面での会話を大事にしよう メールシラナイ

”俺は忙しい。メールも大量に来るから読んでられないんだ。なにかあれば電話してくれないか?”とインドにいるマネージャからお願いされたことがあります。

その時は”電話の方が時間かかるし面倒では…?”と思ったものの、やはり傾向としては彼らの実利に結びつかないメールや細かい書類を読まない傾向は強いと感じています。

もちろんインドだけに限った傾向ではなくて、逆に言えば日本人ほど几帳面な人種は中々存在しないと感じています。

メールの返事が来ない、忘れている、資料を全く読んでくれていない、こんな事はざらにあります。何でだろう…俺のこと嫌いなのかな…?と悩むのは止めて、遠慮せずにさっさと電話するか会議を設定した方が良いことを学びました。

ただし、きちんと分かりやすく資料を作り込むことは大事です。会議や電話をしている時にはちゃんと資料やメールを見せながら話をしないと、お互いの勘違いや議論の脱線が酷くなることが往々にしてありますので。

面倒に思ったりインド英語に面食らって話すことを躊躇するかもしれないですが、インド人は話さないと始まらない人たちです。メールは最小限にして、会話をコマメに行うようにしましょう。

彼らのプロ意識を尊重する オレハプロダマカセロ

一緒に仕事をして来て自身のスキルや専門に対して強いプロ意識を持っている人が多いと感じています。例えば、人によっては進捗や作業内容を細かく聞きすぎると”俺を信用してないのか?”と怒ったりすることもあります。お客さんに対してもそういった態度を崩すことはなく場合によっては横柄に見えることがあります。※海外の企業で長く働いたことがある人は別だと思います。

”この仕事のクオリティで何を言っているんだか…”ともしかしたら思うこともあるかもしれませんが、不信感を態度に出したり細かく進捗を聞き出すと関係性が悪くなるだけなので、ぐっとこらえて口を出さないほうが吉です。

とは言っても、成果物を期待した通りに出さないことは往々にしてあります…実際やつらのいう”ノープロブレム”や”あと1時間でやる。ダイジョウブ…”はだいたい信用なりません。

じゃあどうすれば良いんだ?というところで私も悩みつつ実践していたやり方を2つご紹介します。

1. 事前に進捗確認のルールをお互いに合意した上で確認する
基本的に細かい口出しを嫌う人が多いですが、例えばプロジェクトとして”日次で会議を行い、スケジュールは〜、課題は〜で管理する。”と合意しておけば、期待通りに動くかどうかはともかく素直に従ってくれます。一方的に押し付けるのは嫌われますが、対等な立場としてきちんと説明すれば従ってくれる人がほとんどです。 このあたりを面倒くさがらずに、きちっと考えを説明して取り決めしましょう。

2. バランスよく雑談もする
”お前はどうして喋らないんだ?”と仕事中に雑談をしていた同僚に言われたことがあります。仕事してるからだよ!と突っ込みを我慢しつつ話をしましたが、ともかくお喋りが好きな人が多い印象です。会社メールにいきなり”Tea Timeだから今からここに集合だ”とメールが届くこともありました。

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そんな人達に仕事の話ばかりしていると嫌がられるので、雑談も大事にしつつ仕事の話をすることが大事だと思います。ただし、いつまでも彼らの雑談に付き合うと仕事が終わらないので会話を途中で切る勇気も持ちましょう。 このあたりのバランス感覚が本当に難しいです…

こんな感じで時には諦めの心を持ちながらインド人と粘り強くコミュニケーション出来るようになれば貴方も無事インド人マスターです。

 インド人のスーパー馬力を大事にする マカセトケスグヤル

ここまではともすれば悪い側面だけ書きましたが、やはりインド人のパワーはすごいです。色々な名だたるIT企業のトップにインド人がいるのも不思議ではないと感じています。彼らの馬力を感じながら仕事をするのは苦労がいっぱいですが正直楽しいです。

決めた事は失敗を恐れずすぐにやりますし、トップのマネージャーはとても強いリーダーシップで緻密にチームを管理します。この圧倒的なパワーと彼らの謎の自信やポジティブさ加減は個人的にとても気に入ってますし、なんとか日本のITにも上手く溶け込んでいくと良いなと願っています。

ただし、英語という言語の壁が分厚いということと、地図を読まずにいきなり200kmでトンチンカンなところにかっ飛ばして進んでいくことも多々あるので、中々日本の文化には馴染みづらいのかもしれない…とも思っています。

最後に

ダラダラと書かせていただきましたが、最後に振り返って思うのはやっぱりインド人と働くのは面白い!ということです。"うおおおおいけいけGoGo!"という仕事っぷりが好きですし、あっけらかんとした天上天下唯我独尊っぷりは憧れることすらあります。聞きたいことがあれば何でも懇切丁寧に親切に教えてくれたりもします。

二度と関わり合いたくないと言う人もいますが、上手く付き合うことが出来ればとても面白い人たちだと思うので、インド人と関わる機会があればぜひぜひ積極的に関わってみてください。

以上、ここまでお読みいただき有難うございました。




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