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会社員5年目、20代女の朝


会社員生活は5年目になった。

20代の半ばになった。

でも、私は今日も「女であること」に縛られて困っている。

早く、1人の「女」ではなく、1人の「人間」として扱われていきてみたい。

※類似する過去のnote






職場内の、普段仕事を執り行うチームのメンバーは6人。

でも、そのうち女性は私の1人だけ。

20代はもう1人いるけど、その人は男性だ。


定期的に、チームでの飲み会には誘われる。

でも、ある日の飲み会の後、私だけ2次会で帰らされて、他の人たち(男性たち)は3次会にキャバクラに行っていた。

そのことをたぶん隠されてはいるけれど、別に私はそれくらいは気づく。




別に、キャバクラに行きたいとは思わない。

それに、仕事の飲み会はあまり頻繁に行きたいとは思わないし、行ってもほどほどの時間に終わらせて帰って家で寝たい。



でも、チームの中で「自分だけ誘われない」ことが、

そして、「希望を聞かれずに、女性だからという理由で問答無用に誘われない」でいることが、

ただただ居心地が悪い。




その事実に気づいたとき。

チームへの信頼、愛着が一気になくなって労働意欲を失った。


一時的に適応障害のような症状となり、産業医面談となった。



でも。

直属の上司(男性)にも、産業医(男性)にも、心配してくれた同じ部署の他チームの先輩たち(ほぼ全員男性)にも。

一時的に適応障害のような症状を起こしたことは話せたりしたけれど、その適応障害の本当のきっかけを明かせなかった。


"残業が続いて疲れてしまった"

って、わかりやすくてありきたりな嘘をついた。

確かにその頃は残業が少し多かったから、「大変だったね」ということになった。


本当のきっかけを明かせると思える相手が、どこにも見つからなかった。

チームの中で1人だけ仲間外れにされている状況が、心理的安全性の低い職場環境だと感じた。




時々。

朝に、とてつもなく羨ましくなる。

「女性」ではない人々のことを。


髪の毛ぼさぼさで良いし。

マスクしてたら髭もそらなくても良いし。

うちはスーツ必須じゃない職場だから、服もダボっとしているものばかりだし。



会社の女性たちは、マスクしてる時も目元は確実にメイクしていて、寝癖なくしていて、服装もいわゆる”外着”だった。


私も、一度で良いから、寝癖のまま・スッピンのままで上下スウェットを着て会社に行ってみたい。



一度でいいから。

私もやってみたい。



そう思いながら、その思いを人前に出せないまま、勇気がない私は、今日も完璧なメイクと服装で、完璧な「女性社員」として会社に行く。





完璧な「女性社員」としてどんな服を着たら良いのか困り、OLって検索する度に、インターネットで表示される画像に吐きそうになる。


生きてるだけで、生きるために働くだけで。


たったそれだけの、生きるための最低限のアクションで、私は"エロの対象"として消費されないといけないのだろうか。



だからスカートは嫌いだ。

できる限りパンツだけを履いていたい。




でも本当は。


可愛い服は好きだ。


フリルのワンピースも、ミニ丈のスカートも、あとショート丈のパンツも、とても好き。

ロリータファッションを楽しんでいた時期もある。

ミニ丈のスカートを心置きなく毎日履けたら良いのにと思っていた時期もある。

最近は、「夏場は毎日ショート丈のパンツを履いて過ごしていたい」と思っている。



でも叶わない。



明日も、私は長ズボンを履いて、満員電車に乗って会社に行かないといけない。


盗撮されないような厚手の素材で、胸元が見えてしまわないような首の詰まったシャツで、身体のラインがわかりにくいデザインのパンツで、一番混み合った女性専用車両に駆け込んで、生きていく。






うまくいかないこと、ばかり。

うまくいきたくもないこと、ばかり。



でも、資本主義のこの世の中で生きるために。

やっぱりお金は必要だから、明日も私は仕事をする。


おわり




※普段はこんなことしています

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