とある日みた怖かった夢を書いておく。

バンコクの馬鹿でかいショッピングモールを独り楽しく歩く自分。知り合いに何人も出会し、やっぱりバンコクは日本人だらけだなぁと笑う。

現実世界で私を騙して宗教勧誘をした過去のある友達A(女)が付き纏ってきた。

「顕正会まだやってるの??」

強めに尋ねるとムッと嫌そうな顔をされた。

そこにいきなり、先程すれ違った知り合いのうちの一人B(男)がボコボコに殴られた様子で助けを求めて走ってきた。彼の彼女はもう"ヤラレタ"らしい。泣いている。どうやら殺人鬼がこのショッピングモールに現れたようだ。

他にも襲われた人がいるようで、ショッピングモール内の大勢の人々が騒然としている。慌てふためき、我先にと逃げ去っていく。今いる場所は3階。

「私達もはやく1階の出口を目指そう」とAがいう。

彼女は左側に、自分は右側にまわってBを抱えて歩き出す。Bは両脇を抱えられ、引き摺られる様にふらふらの足を前に出す。歩みを進めるスピードはとんでもなく遅くてもどかしい。

なんとかエスカレーターを降りると、正面遠くに出口が見えた。本当はここに出口はなかった筈なのだが、外に繋がる扉があるらしい。出口まで続く空間は自分たち3人の他に人も物もなくなっていて、隠れようが無い。もし殺人鬼が近くに迫っているのなら、簡単に見つかってしまうだろう。

隠れも出来ないのに、何故か腰を低くして顔を伏せながら抜き足差し足で出口へ向かう。Bはどんどん弱っていく。


出口を抜けると明るい日中の日差しが降りそそぐ駐車場だった。真夏の屋上駐車場だ。気は緩められないが、何故かホッとする。

「大丈夫、もうすぐ逃げきれる」

Bに小声で伝えた。Bは返事が出来なくなっていて、こちらに顔を向けもしない。代わりにAが自分に反応する。

「え 何て?」

Aが上体を前に少し傾け、B越しに自分を覗き込む。

Aの背後に、何か黒い人影がチラついた。


殺人鬼。

ピタッと自分の歩みが止まる。

続いて2人の歩みが止まり、黒い影も背後で止まっているようだ。

黒い服なのか何なのかは分からない。とにかくそれは真っ黒な人だ。Aの後ろ 50cm以内の距離で自分たちについてきていたのだ。

一瞬にして血の気が引く。全身がすくんでしまい、AとBの方向に向けた体が前を向かない。AとBは背後に全く気付かない。休憩だと思っているようだ。 

そう、自分も気づいていないふりをしようか。

振り返れば、終わるし、振り返らなければまだ逃げ続けられる。

そんなルールを自分で瞬時に作った。

しかし怖くて体が全く動かない。Bも足を前に出すことが出来なくなった。自分たちはただアスファルトの上に棒立ちしている。

Bを置いてAと逃げた方がいいんじゃ? 2人に前を向かせたままそれが出来ればいいのだけど..。

横目にチラッと見たAは、四方から照り付ける白い日差しに目を細め、しっかり前を向いていた。彼女に頬にBの髪の毛が触れている。

棒立ちしている。

振り返らなければ終わらない。

逃げきりたい。

自分は、

でも、

やっぱり、

ああ、


...ここで目が覚めた。終わり。




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