異文化融合のデザイン│日比谷花壇ウィンタープロモーション
RightDesignInc.のnoteでは、これまで弊社が携わってきたプロジェクト事例を紹介していきます。今回ご紹介するのは、日比谷花壇のウィンタープロモーションのプロジェクト。本記事では、冬季プロモーションにおいて、クリスマスとお正月という二大イベントを包括したキービジュアルの制作と、それらの展開の裏側をご紹介します。
シーズンメッセージを基盤としたコンセプト設定
本プロジェクトでは、日比谷花壇の「花を贈ることは、心を込めた手紙を届けるような行為である」というシーズンメッセージを基盤に、企画全体のコンセプトを構築しました。これは、クリスマスやお正月のように人との絆を深める機会と非常に親和性が高く、冬という季節にふさわしいものでもあります。そこで私たちはコンセプトとして 「Beloved Letters」 を採用しました。
愛や感謝などさまざまな思いを伝える際によく選ばれる「花」とは、いわば「手紙」のようなもの。花をたくさんの人々の愛が詰まった手紙として捉えることで、クリスマスやお正月のようなタイミングをきっかけに花を渡す習慣をつくっていくことを考えながら、コピーの検討も進んでいきました。
異文化融合のデザイン
本プロジェクトにおける課題は、クリスマスとお正月という異なる文化的背景や美的感覚をもつイベントを統一感のあるデザインで表現することでした。
異なるイベントごとに完全に別のデザインを採用する場合、店舗運営において装飾やオペレーションの切り替えが煩雑化し、コスト増加や業務効率の低下が懸念されます。そのため、両期間で一貫性を保ちながらも、それぞれのイベント特有の季節感を表現する方法を模索していきました。
統一感の鍵となったのはドット柄です。このパターンは、冬らしい雪のイメージを喚起させるものですし、さまざまなイメージとつながりやすいものでもあります。クリスマスでは華やかなオーナメントを、正月では和を想起させる色彩と模様を組み合わせることで、同じパターンを用いながらそれぞれ異なる文化的特徴を表現しています。
さらに、多色使いを抑えたミニマルなデザインに仕上げることで、ブランドイメージを統一しながら、印刷コストを抑えることにも成功しています。
メインカラーの選定において意識したのは、日比谷花壇のブランドがもつ「上質さ」を際立たせることでした。クリスマスには、ポインセチアやバラの深い赤を引き立てる紺と白を基調とし、一方で正月には松や菊の静謐な美しさに華やかさを添えるゴールドと朱色を使用しました。通常のポスターやキービジュアルはそれ単体で成立することが多いかもしれませんが、日比谷花壇のように花が商材となる場合は色とりどりの花とともに掲出されたり渡されたりすることも事実です。季節ごとによく売られる花を前提とすることで、それぞれの時期に最適なデザインを目指しました。
こうして完成したキービジュアルは、紙袋、メッセージカード、店舗装飾ツールなど、多岐にわたる販促物に展開されました。
クライアントと共創するデザイン
デザインとは、単なる装飾や表層的な美しさを追求するだけのものではありません。それは、クライアントのブランド価値を視覚的に表現し、顧客との関係性を深めるための戦略的なツールとしても重要です。
本プロジェクトでは、クライアントが抱える課題やニーズを深く洞察し、それに応えるデザインを構築することで、RightDesignInc.らしい伴走型支援を実現できたのではないかと考えています。わたしたちは今後もデザインを通じて価値を生み出し、ブランドと顧客の間に新たな接点を作り出していくことを目指していきます。
RightDesignInc.へのご相談はこちら
我々はデザインを広く捉え、思考・戦略・体験など、すべてのタッチポイントにおいて「デザイン」の力でできることを一貫して担います。
デザインの力で少しでも何か変わるかもしれないとお考えの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
■ RightDesignInc. コーポレートサイトはこちら
■ RightDesignInc. Podcastはこちら
■ お問合せ先はこちら
info@rightdesigninc.com