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企業・サービス価値を整理し形にする|Urth リブランディング

RightDesignInc.のnoteでは、これまで弊社が携わってきたプロジェクト事例を紹介していきます。今回ご紹介するのは、株式会社Urthのリブランディングプロジェクト。本記事ではロゴやタグライン、ブランドガイドラインといったクリエイティブの制作プロセスやその裏側を紹介していきます。


建築家をメタバース空間へ誘う

現在、日本には32万人を超える一級建築士がおり、全国にある建築士事務所の数は9万件を超え、コンビニより多くの建築事務所があります。他方で、建築業界は年功序列が厳しいと言われることも多く、実力がある若手建築家が活躍できる場が少ないと指摘されることもあります。

こうした状況に対し、2020年に創業した株式会社Urthは、メタバース空間の創造を必要とする企業と建築家を繋げる事業を展開することで、建築家が活躍できる新たな場をつくってきました。

2020年の創業当時、メタバース空間の需要は増加の一途を辿っていましたが、メタバースはゲームに利用されることが多かったため主にゲームクリエイターが空間の構築を行うケースが一般的でした。そこでUrthは、建築家の空間設計能力を活かす場としてメタバース市場を開拓し、建築家とともに質の高いメタバース「metatell(旧称:V-air)」を多くの企業に提供しています。

導入企業側も、メタバースという手段に対して、どういったマーケティング効果があるのか明瞭ではなく「まだ特別なもの」というイメージがある中で、ブラウザで「誰でも、どんな環境でも、簡単に」導入できるメタバースシステム「metatell」で、もっとオープンな世界を目指していきたいというお話もあり、リブランディングを行うこととなりました。


優先情報の整理—制作にあたって

私たちRightDesignInc.が本リブランディングプロジェクトへ携わるにあたってまず着手したのは、コーポレートロゴやサービスロゴの整理でした。

当初、Urthは自社のコーポレートロゴと当時提供していたサービス「V-air」のロゴ、2つのロゴを活用していましたが、Webサイト上での使い方など、両者の関係性が見えづらい状況にありました。

高品質なメタバース空間を提供するサービス「V-air」に対して、運営会社であるUrthは、メタバースに限らずあらゆる空間の不を解決し、「すべての個人が輝く社会をつくる」ことをミッションにおいています。

旧コーポレートロゴ(左)・旧サービスロゴ(右)

私たちはUrthのみなさんと議論を重ねるなかで、まずはそれぞれのドメインが体現する価値やビジョンの整理を進めていきました。社内でのヒアリングを実施し、企業とサービスそれぞれの強みや思い入れを言語化。そのなかでUrthが展開する多様なサービスやプラットフォーム性をきちんと伝えていく必要性を重視し、それぞれのロゴデザインを進めていきました。


サービス名変更という挑戦

サービスロゴに関する議論を進めていくなかで、そもそも「V-air」というサービス名を見直すべきではないかという意見が出ました。当時V-airはサービスとして広がってはいたものの、もっぱらメタバース空間を提供するシステムとして認知されていた側面がありました。

顧客に寄り添った高品質なメタバース空間の要件定義・仕様設計や機能拡張、建築家ネットワークの活用など、V-airがサービスとして提供するさまざまな価値を包括的に表現するために、サービス名そのものを変更すべく私たちはUrthのみなさんとさらに議論を重ねていきました。

サービスネーミング変更の検討

最終的に採用された新たなサービス名は、meta + tatell(建てる) = metatell(メタテル)。

メタバース空間に質の高い建築を建築家とともに建てるという意味が込められています。


コーポレートは壮大なビジョンを達成するための活動体として、サービスは特徴や価値をわかりやすく、適材適所のリブランディング

新コーポレートロゴ

コーポレートロゴは、社名の由来である「You(U) are the earth」から、個々人(you)が輝ける世界(earth)を創り上げるための企業として、メタバースに閉じず、あらゆる方法でミッションを遂行する活動体としての佇まいをデザインしました。

ロゴマークは、空間の基盤、土台=Urthを表すUのシンボルとともに、どっしりと構えたロゴタイプで構成。2Dにも3Dにも見えるというエレメントを探りました。

また、社外のみならず社内にも、改めてこのタイミングでミッションやビジョンを浸透させていくために、新しくなったロゴを用いて、社員の方々が使用するツールを制作しました。

制作したツール

サービスロゴである「metatell(メタテル)」は、メタバースの普及フェーズやマーケットの競合環境を議論し、「質の良いメタバース建てるならメタテル」という口の端に上りやすいネーミングと初心者でも手軽に検討しやすいわかりやすさをデザインしました。

建造物が建つイメージで作られたMのシンボルは、2つのエレメントが重なり、お客様との伴奏やバーチャル空間の奥行きを表現。

新サービスロゴ


成功の秘訣は、共創にある

今回のプロジェクトで印象に残っているのは、途中ロゴの方向性について煮詰まってしまった時、対面で長い時間をとって、Figmaでリアルタイムでプロトタイピングしながら進めたことです。Urth 田中社長をはじめとするメンバーの方々と膝を付け合わせ、ああでもないこうでもないと、細かいニュアンスもその場でデザインに反映させていき、共創の中で打開する場面が多くありました。

プロトタイピングの様子

本リブランディングを通じて、運営会社であるUrthとして向かうべきビジョン、メインの提供サービスであるmetatellの強み、がそれぞれ明確になったと考えています。

新規顧客とのタッチポイントにもなるロゴやサービス名・WEBサイトなどに携わらせていただきましたが、これらが株式会社Urthのさらなる建築を切り口とした空間の不を解決するきっかけになることを願います。

Urth社のリブランディング記事はこちら


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