順風満帆だったサラリーマンが、起業した話-2
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登記を無事に終えた僕は、ビジネスモデル探しを始めることになる。
M&Aを日々の生業としていた僕には、ちょっとしたアイディアがあった。プレイヤーが多い業界かつ、異業種からの参入があまりない業界でチャレンジしよう。なぜなら、業界文化が凝り固まり、いわゆる成功の極意も古い考え方が多いと考えたからだ。そう決意し、僕は日本一の歓楽街に目をつける。
飲食未経験者が銀座で勝負
M&Aとは皆様の想像とは少しかけ離れた世界だ。
エリートがスマートに仕事をしている印象を持たれることが多いが、現場は泥水すすってナンボの世界。当然、激しい交渉が繰り返される場面では接待も多様される。そう、僕は若くしながら銀座に行く機会がかなり多かったのだ。
美味しい飯屋は当然、ハイクオリティなバー、クラブ、キャバクラが乱立して一見遊ぶところに困らないのが銀座なのだが、店員と親しく慣れる店が少ないことに気づく。簡単に言えば、いつでもいける店だ。いけば誰か知り合いがいる、1人でも店員がいるから気軽に入れる。そして僕自身がそうだったのだが、お酒のクオリティなど求めてる人は一部にすぎず、楽しい時間を求めてる人が多いと感じていた。ビールとハイボールだけで十分勝負できそうだな。そう感じていた。そして、エレベーターが良く止まるオンボロビルの4階にお店を構えた。お金もないので当然居抜き。ダサいデザインは全てDIYで作り替えた。
皆んなに支えられ、大成功
前職のメンバーや、クライアントだった皆様に支えられ、控えめに行っても大成功だった。
2019年2月にオープンした1店舗目を皮切りに、2019年10月には銀座8丁目の一等地路面店で大勝負に出ることになる。なんと家賃170万円。さすがにビビったが昔からスピード命でやってきた自分には勝負すること以外選択の余地はなかった。加えてそんな物件をこんな弱小零細ベンチャー企業に貸してくれるなど、何回もチャンスがあるとは思えなかった。
たっぷりと借金して、創業1年未満で銀行からも融資を受け始めた2号店。滑り出しも順調だった2020年4月初旬、コロナがやってくる。
コロナを乗り切れ
緊急事態宣言が出た4月、僕たちはM&Aで営業している2店舗を譲渡することを決意し、相手探しを始めることになった。
今となってはあのタイミングでの決断を褒められるものの当時は、「諦めが早い」「やりきれ」などなど否定的な意見をたくさんもらい落ち込んだ時期もあったが、会社を守るためにはそうも言ってられず、僕はメンバーを連れて長野県白馬村での合宿を敢行する。しかも2ヶ月だ。
雪の残る白馬で週6勤務の7:00-24:00という激務。コロナの影響で価格が大幅に低下したAirbnbで見つけたコテージで、生活をともにした。会社として売上ゼロの期間を長く続けるわけにもいかず、どうにかして新しいビジネスを立ち上げる必要があった。
苦し紛れに作ったのが、転職エージェントサービス「3W」だ。
起死回生。エージェントサービススタート
僕たちがこのレッドオーシャンのエージェント業界に足を踏み入れた理由は2つ。
①既存エージェントは自分の紹介する業界を経験したことがない。
②エージェントにあまり価値がない。
周囲からはこんな玉石金剛の業界で勝負する必要はないだろうとアドバイスを受けたが、勝てる自信があった。
①に対して、僕の出身であるM&A業界特化のエージェントとなること。
②に対して「上司・配属先」が選べること。
この2つをサービスのコンセプトにYouTube(https://www.youtube.com/channel/UCU5tra1q-yq-6pk6XhZ2QiQ)を軸にビジネスを展開した。
2020年6月に始めたこのサービスは2020年12月までの半年間でM&A業界に14人の内定者を排出した。
気づいたら業界のトップエージェントとなっていた。
そして2021年。Right Brothersは社運をかけた大勝負に出ることになる。
つづく。
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