31からの矯正 〜ゴムかけ、血だらけワイヤー、そしてリテーナー時代へ〜

32歳・春 〜マンネリからの脱出〜

全ての歯にブラケットがついてからは、毎月の強烈な痛みこそあれ、日々どんどん歯が動いていくことへの感動の方が大きく、毎月写真を撮り、比較するのが楽しみになっていた。
本当に歯の隙間がなくなっていき、後ろの方に生えてしまった歯が前に出る。他の歯と少し重なっていた歯が正しい位置に行き、生まれて初めて全ての面が見えるようになる。
医療ってすげぇ。

しかし順調だった矯正も、必ずどこかで停滞する。
ダイエットと一緒。ある時からあまり変化しなくなる。
自分の場合は矯正をスタートしてから16ヶ月目くらい。
そこから導入されたのがゴムかけ。通常はブラケットにワイヤーを通し、その上からゴムをかけるのだが、それに加えて動きが鈍くなった上下の歯に小さなゴムをかけ、動きを促進する感じ。
上と下の歯をゴムで繋げるということはつまり、口が開きづらくなるということ。大笑いなんてできないし、喋るのも少し辛い。あの頃は一番辛かった。。

少し話逸れるけど、そういう意味では今って矯正やるチャンスな気がする。
なぜならばマスクをすることが当たり前になっているから。当時、やっぱり誰も気にしてないとは分かっていながら、それでも少し恥ずかしさはあり、口を大きく開けて話すのはなるべく避けていた記憶がある。
でも今は食事以外の時はマスクすることがむしろマナーになっているし、この流れは2,3年は続くんじゃないかって思うので、矯正を始めるなら今がチャンスかと。

さて話を戻し、ゴムかけという比較的クラシックな手法は効果抜群で、なかなか動かなくなっていた歯も再び動き始める。
しんどいけど真面目にやっててよかった。。

またワイヤーも進捗に合わせて太いものに徐々にシフトしていき、後半はまぁまぁな太さ。
このワイヤーもまた曲者で。。歯が動くとその分端の部分がはみ出てきて、それを翌月の調整の時に切る、と繰り返すんだが、めっちゃ動いた月ははみ出方もハンパじゃなく、それがまぁ口の中を切り刻むわけですよ。。
しかも歯が動くのはだいたい調整した直後なので、実質1ヶ月近くは切り刻まれ続けるという地獄。
あまりにもヤバい月は、さすがに月の途中でワイヤーの処理だけお願いすることに。。

そんなこんなであらゆる手を使いながら後半も粘り、矯正スタートから26ヶ月。33歳、春、遂に矯正からの卒業を迎える。。と思ったんだけど。

33歳・春 〜リテーナー時代に突入〜

まずは先に揃った下の歯から、ブラケットを外すことに。ちなみにその前の月に、リテーナー用の型取りを終えている。
前日はなんかワクワクして寝れなかったよね、寝たけど。
そしていよいよ外す瞬間。

いてぇ。。。

歯が千切れるかと思うわ。。何それ、何してくれてんの。。
もうただの暴力。
そりゃあ2年以上強力にくっついていたものを取るのには、それなりの覚悟が必要だったよね。オレが悪い。
にしても痛い。せっかく揃った歯が千切れて台無しになったかと思ったわ。
そして新たなる相棒、リテーナーとの初対面。
てっきりマウスピース的なヤツが来るのかと思っていたら、なんかワイヤーついてて裏は入れ歯みたいなヤツが来たんですけど。
ちょっと話が違うぜ。。なんならブラケットより少し目立つし、しかも超絶話づらくなる。滑舌が地獄。
しかしこれを着けないことには、また歯が元の位置に戻ろうと動いてしまう。下の歯はそれでも我慢できる範囲なのでいいかなと思ったが、上の歯はまずい。このまま同じタイプを着けると、さすがにきつい。
ということでそこは先生に直談判。翌月に卒業予定の上の歯に関しては、他のタイプでお願いすることに。

滑舌は当初フェフ姉さんのような感じでサ行とラ行が圧倒的に言いづらくなり、なんだか残念な感じに。
あのワクワク感を返してくれ。。なんかせっかく卒業したのに、全然楽しくない。。(歯磨きはちょっと楽しいけど)
と思ったら、人間てやっぱすごいなと思うんだけど、3日くらいで慣れてきて、滑舌もそこまで支障はなくなるっていう。

翌月は上の歯が卒業。
下の歯以上の修羅場を潜り抜けなんとかブラケットを外し、こちらもリテーナーとの対面。
透明なマウスピース型。。ありがとう先生、これこれ。
あまり目立たないし滑舌にもそんなに影響しない。
なんなら下もこれでよくない?と思ったが、実際、歯の正しい噛み合わせのためには、マウスピース型よりもワイヤー型の方が良いらしい。マウスピース型は結構厚めの素材なので噛み合わせも変わってしまうから、とのこと。
なるほど、確かに。。
ということで、日中の生活用にマウスピース型、寝る時用にワイヤー型で使い分けることに。
本当、こういうところ融通きいてくれる先生でよかった。

その後は3ヶ月に1回くらいのペースで通院し、リテーナーの調整や状況確認をしてもらい、淡々とリテーナー生活を送っています。
先月ちょうどリテーナー生活を始めて1年が経ちましたが、特にリテーナー終わりでいいっすよという声は聞かれず。
これはこれで終わりが見えないなーという辛さはあるものの、やはり飯を食っている時のストレスのなさ(いつだってカレーが食える。)と、歯磨きの爽快感(表面が磨けるー!!)は、何者にも変えがたい感動ですわ。

ひとまず矯正のメイン部分を終えて思うのは、やってよかったということ。
自信も出るし、やっぱり肩こりの度合いが変わった気がする。正しい噛み合わせ、本当に大事。
安くはないですが、負担を軽減するための制度も色々あるので、やろうかどうか迷っている人は是非やってほしいです。
前にも書いたけど、このコロナ禍はチャンス。ピンチはチャンスや。

一歩踏み出す方を、心から応援しています!

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