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「自立する力」の育成に向けて - 賀茂川中学校にて出前授業を開催【D3 Innovators】

たけはらDXの舞台となっている広島県竹原市では、中学生からの将来を見据えたキャリア教育に力を注いでいます。
2024年12月、子どもたちが社会人として今後自立していくために必要な意欲や能力を身に付けるきっかけづくりとなるよう、「たけはらDX」において市内で実証に取り組んでいるスタートアップ・起業予定者による出前授業を開催。
今回は、D3 Innovatorsの起業準備に取り組んでいる中村ユセフ健さんが、竹原市立賀茂川中学校に出向き、学生の頃の経験やこれまでのキャリアを1~3年生の生徒たちに伝えました。


全く勉強をしなかった中学生が、ドローンの開発者に!?

賀茂川中学校での授業の様子

アルジェリア人の父親と日本人の母親の間に生まれた中村さんは、広島県広島市出身で、アメリカの大学・大学院を卒業後、様々な国で技術開発やコンサルティング、会社経営に携わってきました。
第一印象から「エリート」と呼ぶに相応しい華やかな経歴をお持ちの中村さんですが、生徒たちと同じ中学生時代は勉強に対するモチベーションはとっても低かったのだそう。

当時広島市内で中高一貫の男子校に通っていた中村さん。小学生の時は「中学受験合格」という目標のために勉強を頑張っていましたが、無事に達成してからは勉強する目的を見失い、「学校ってだるいな」「どうして通わなきゃいけないんだろう?」と悶々とした日々を過ごしていました。

そんな中、高校に上がるタイミングで父親の勧めによりアメリカの大学を見学。その環境の充実ぶりや、卒業後の進路に向けて前向きに勉学に取り組む現地の学生たちの意欲的な姿勢に感銘を受け、「自分もこんな環境で勉強したい」「アメリカの大学に入りたい」という新たな目標を見つけます。
それからは3年間の遅れを取り戻すように勉強に没頭。渡米してからもその熱は継続し、「楽しくて仕方がなかった」経験として蓄積されているのだとか。

そうした自身の経験をもとに、中村さんは次の3点を生徒たちに話してくださいました。

どうして勉強が必要なの?

自分の将来に対するイメージがまだ鮮明になっていない段階で、日々の勉強の目的を見出せずにいる生徒たちも少なくありません。
そんな生徒達に対して、どうして中学校での勉強が大切なのかを中村さんは語ってくださいました。

勉強は幸せを掴むための武器になる!

現時点でやりたいことがなかったとしても、今後いつそれが見つかるかは予測できません。
これから先叶えたい夢や分かれ道に出会った時、豊富な知識があれば自分の意思で適切な選択ができるようになります。
人生は選択と決断の機会の連続であり、知識はその都度ベストな判断をするために重要な武器となりますが、中学校の勉強は全ての知識の土台になるため、整えておくことはとても重要であるというお話しに、生徒たちも納得したように深く頷く様子が見られました。

熱意を持とう

そして勉強に継続的に取り組んでいくために大切なのが「熱意」である、と中村さんは語ります。
おそらく大半の生徒たちにとって「勉強=先生や親にやらされている、めんどくさいもの」というイメージで、取り組んでいる時間は辛く長いものに感じられるのではないでしょうか。
その反面、好きなことに熱中している時や、趣味に向き合っている時はあっという間に時間が過ぎていくもの。勉強についても同じように時間を忘れて夢中になれたら理想的ですよね。

勢いがあれば、より長期的に勉強に取り組むことができる!

勉強に対して熱意、つまり好きな気持ちを持つためには、目的(=幸せを掴むための武器を手にいれる)意識を持つことが大切です。
日々の勉強がやりたいことや夢を叶えるため、というゴールにつながっているというイメージを常に忘れないことが熱意をもたらし、その熱意が継続的なモチベーションとなることで、さらに勉強に主体的に取り組むことができるようになる、というポジティブなスパイラルを生み出します。

テストという短期的なゴールではなく、将来の自分を幸せにするために勉強をするという長期的な視点を持つことが重要ですね。

失敗した時はどうする?

情熱的に勉強や仕事に邁進してきた中村さんも、体調を崩したり会社の経営でトラブルになったりと、常に順調だったわけではありません。
一般的に見れば「失敗」と捉えられるような事象も、そこから得られた教訓や経験を自分の力に変え、社会や人のために役立てることで「成功体験」に変換することができると言います。

うまくいったこともいかなかったことも、そこから学び身につけられれば全部成功!

うまくいかなくてモチベーションや気持ちが落ちてしまったとしても、夢や目標に立ち返ることで回復してきたという中村さん。
勉強と同じように目的意識を忘れないことで、人生を前向きで豊かなものにされてきたのですね。

まとめ

今回の中村さんの授業で、私たちは以下の大切なことを学びました。

  • 勉強はした方がお得

  • いろんなことや物を好きになろう

  • 失敗を怖がらずに挑戦してみよう

中村さんの明るく軽快な語り口での授業に、生徒たちも前のめりで聞き入っており、質疑応答の時間でも途切れることなく次のような質問や相談が飛び出しました。

Q.車が好きなので、車関係の仕事に就きたい。けど自分には無理なのではないかと思っている。
A.自動車にはさまざまな知識が集約されているので、何を勉強していても自動車に繋げることができるよ!
日々の勉強に取り組みながら、車のどの部分に携わりたいのか、考えてみてね。

Q.本が好きだから本を作ることもしたいし、最近は料理も好きなので興味があり、どちらの道に進むか迷っている。
A.本を作ることも「書くこと」だけが仕事じゃない。印刷にあたっては意外と理系の知識や技術が必要。料理も、美味しく作るためには科学の知識が必要。興味があることに対してどんなアプローチができるか考えてみよう!

Q.趣味はいろいろあるけど、好きなことを仕事にしたら辛くなる気がしている。
A.好きなことを好きなだけ熱心にやってると気づいたら仕事になっているもの。「やらされてる」という意識になると熱意がどんどん減って、嫌になったり、辛くなってしまう。好きな気持ちや熱意があると、嫌な気持ちを跳ね除けることができるよ。
あとは誰かの下で働くのではなく、自分の好きなものを好きなだけできるように自分でコントロールできる環境を作るという選択肢もある。誰にも指図されない代わりに責任が伴うけれど、どういった働き方が自分に合うか、考えてみてね。


中村さんの気さくな雰囲気からか、生徒たちの等身大の想いやお悩みが引き出され、終始あたたかく充実した時間が流れていました。

「疲れた時や悩んだときに、今日の時間を思い出して少しでも元気になってもらえたら」と締めくくる中村さん。
生徒たちも「すごく楽しくてあっという間だった!」と大満足なようでした。

今回の出前授業を聞いた生徒たちが将来どんな道を歩み、その可能性を開花させていくのか、楽しみですね。



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