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「翔が前に進むために」 苦しむシーズン終了間際、残るファイターズファンの夢をかなえるーホームラン王に俺はなる!中田翔ー

ファイターズ2020 10/21 /22  105,6試合目 札幌ドームF×H 1対9  2対4  10/23 /24   107,108試合目 楽天生命パークE×F 4対4 /4対5

>午後2時開始のデーゲームながら、すっかり日も暮れていた8回。中田の力強い打球は、カクテル光線に照らされて左翼席へ飛び込んだ。「完璧でした」。手応えたっぷりの感触で放った“レベチ”な1発は、13年目で初めて刻んだ31号。栗山監督も「よく打った。さらに翔が前に進むために(タイトルは)大きな意味があると思っている」。2冠獲得へ前進するメモリアルアーチだった。

中田は、淡々と振り返った。「別に…どうでもいいという言い方をしたらアレですけど、今はもう、それどころじゃないというか、最後までしっかり戦う姿勢を見せられれば。それだけですね」。主砲として、優勝を逃し、5位に沈む現状への悔しさがある。「これだけ1位とも距離(ゲーム差)が離れたのは僕たち選手の責任」。それでも球場に応援に来てくれるファンのために、結果を追い求め、過去の自分も超えた。<  上記 リンクした日刊スポーツ記事より抜粋引用

31号ホームラン、キャリアハイの記録を作ったのに、チームは低迷したままの5位。中田翔本人でなくても(なんでなんや…)と思わずには、いられない…。

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ファイターズ公式HP選手名鑑 個人成績を眺めてみる。2009 年一軍デビューの年はホームラン打ってないのか。初打席初ホームランと記憶違い。3年目の全然ヒットでなくてからの初ヒットがホームランだったのかな。それから立て続けに8本打ったんだよね。

期待の大型スラッガー中田翔は、1,2年目こそ、手を骨折したり故障もあったし、メディアから注目され、あることないこと書かれの厳しい船出だったけれど、4年目の2011年以降は、レギュラー選手として出場し続けている。10年間も平均的に活躍するのは、簡単ではない。その間ほとんど「4番」だったわけだから。セパ両リーグでも、他にはそんなにいないのではないだろうか。

2008年、高校を卒業したはずなのに小学生に見えた中田翔。意外と結婚は早かった。「遊んでいる」「後輩を飲みに連れ回す」「怖い」不良番長的なキャラ設定に逆らうように、friday ワイドショースキャンダル的な活躍は、全くない(ないんですよ)

わたしが勝手に持っている中田翔ー翔くんのイメージは、小心で気が弱く、人見知りで、人前に出るのも別に好きでもない。「俺が俺が」の人でもない。気が知れた仲間や友人といるのが好きで、自分のテリトリーからは、出たがらない。ような感じで、逆に、そのテリトリーを守るためには、俄然力を発揮するところがある。自分が大事にしようとしてる人や物事のためには、頑張ることが出来る。そういう人なんだなと思って見てきた。

野球選手としては、おもむろに天性の能力が並外れた「天才型」なのだが、本人に自覚もなく、野球に対してもガツガツした欲がないのが、欠点と言えば欠点で、結果「そこそこ」で終始してきてしまった。

もしも本人に大谷翔平みたいな「世界一の選手になる!」情熱があれば、それはもうすでに何年も連続でホームラン王になり、三冠王にだってなれただろう。栗山英樹監督が「翔はこんなもんじゃない」「日本の4番になれる」といい続けるのは、決して大袈裟ではないと思うけど。

中田翔が、4番を張ってきた10年間。いつも彼は、ど真ん中の主役ではなかった。入団時からチームの大看板は、ダルビッシュ有と稲葉篤紀。ダルがアメリカに渡った後の2012年、新生栗山ファイターズ優勝に大きく貢献したが、リーグMVPは吉川光夫だった。2013年には、唯一打率3割超えしているが、この年からチームは「大谷翔平二刀流物語」に完全シフト。2016年まで翔平フィーバーは続く。4番中田は、ひっそりと自分の仕事をしているだけだった…。

そして、稲葉さんも翔平も誰もいなくなった2018年からこそ中田翔オンステージ!のはずだったが、成績は、いつも通りといえばいつも通り、チームはパッとしない下位に低迷してしまう…。

入団一年目でサードにコンバートされた時は、全くのド下手くそだった。あんまり下手だから外野に回され、やがて稲葉、陽、中田 あるいは、糸井、陽、中田、の外野陣は、球界一の鉄壁の外野守備と称えられるまでになる。ファーストに移ってからもGG(ゴールデングラブ賞)を何度も取るほど、中田翔の守備は、うまくて安定している。

金髪やジャラジャラしたゴールドのネックレス、何千万円のスーパーカーを買ったり、日焼けサロンで褐色に焼いた肌(元は色白の翔くんです)といった「派手なイメージ」とは裏腹に、中田翔とは、こうして眺めてみると「こつこつ努力して向上してきた地味だけど息の長い選手」だったのか? という気すらしてくる。

まあ地味ってことはないけどさ…やっぱり「やれば出来るんだよ。中田翔」なんであって、一度やる気になれば何でもできてしまう翔くんの才能は、フル活用されてきたと言えばそうでもあるし「物足りない」と言えばそうなってしまうのだろう。

それにしても、プロ生活13年目、キャリアハイのホームラン31号目、打点王も目前にしながら、チームが下位に低迷するのは「僕たち選手の責任」と発言する中田翔の姿を見て、わたしは、胸を打たれずにはいられない。

いくら自分の成績が良かろうが、チームの勝ちに貢献していない、育ててくれた栗山監督に良い思いをさせてあげられない悔しさ、情けなさ。本当の喜びは、チームで勝つことにしかないんだと、心底身に染みて、伝わってくるから。

中田翔31歳。今シーズン、かなえてもらいたいファイターズファンの夢は、もうほとんど翔くんのホームラン王しか残っていない。(西川キャプテンの盗塁王もですね!)

4番に推し続けた、栗山英樹監督の気持ちも変わっていない。「翔が前に進むために」タイトルを取らせてあげたいという親心…。そこに栗山さん自身の欲はない。おそらくは、中田翔をファイターズと野球につなぎとめてきたのは、その無心の無償の愛による。


ファイターズ 47勝56敗5分


















 

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