見出し画像

ファイターズは、無敗の投手、涌井秀章の前に完敗。わたしは、病気の猫を思っていた。

ファイターズ2020 8/19 52試合目 札幌ドーム F×E 2対12

プロのライターならば、いかなる時でもちゃんと書くのが、仕事なわけですが。誰に頼まれてやってるわけでも原稿料が出るわけでもない、この一人イベント。書けない時もある。

猫が病気になって、なんとかしようと家族で協力しているけれど、こればっかりはどうしようもないんだとわかっていても、落ち込んでくる。みーちゃんは、6年くらい毎日一緒に暮らしてきた。顔が腫れ、呼吸しずらそうにしてるのを見るのは辛い。ああすればこうすれば良かったのかと、後悔の念ばかりが押し寄せてくるし、同時に心労とストレスで疲れてくる。自身の辛さから解放されたい思いも起こる。

良く「ペットも家族だ」といわれる。そうだとも思うし、そうでもないとも思う。人間と動物は、同じ動物という意味では、同じだとしても、やっぱり全然違うもの。動物病院の対応もずいぶん以前とは変わった。わたしが猫を飼い始めた38年前(え〜〜???そんな前か?)は、猫や犬は、あくまでも猫や犬であって人間並みの扱いは、せいぜい合同の動物霊園があったくらいだと思う。(確か8000円で火葬と埋葬をしてくれた)

雑種の犬猫もまだ多かった。だんだんペット事情が変わってきて、純血種の犬を飼うのが流行し、どんどん雑種は駆逐され、気がついたら道を散歩している犬は、柴犬、シーズー、ミニチュアダックスフント、コーギー、レトリバーなどなど犬種で見分けるようになって、それが普通になっていた。猫もアメリカン・ショートヘアのブームに始まり、様々な純血種を飼う人が増えたが、まだまた日本猫の雑種は駆逐されてない。(犬と違って保健所で野犬狩りをしたりしないので、勝手に生きて増えるからだろう)

動物病院でも、38年前、猫のワクチン接種は一度っきりだったが、やがて年1毎になり、種類もどんどん増え、ある時5種で5万5千円也を勧められて驚いた。いつの間にかそんなことに?

この度、みーちゃんが病気になって、ネットで必死で調べた。動物病院事情はますます変わり、癌治療にしても、CT、MRI、放射線治療、抗がん剤治療、民間治療、ホメオパシー、レーザー治療、不思議な水…なんでもありの様子は「人間様」の社会を忽然と映し出している。

人間同様にしてあげるのが、飼い主の務めだとする人もいるし、人間の都合を押し付けるのは、傲慢だし、動物のためにならないとする人もいる。そんな馬鹿馬鹿しい所詮犬猫だという人もいるだろうし、とにかく色々な考えと行動があるだろう。

どちらにせよ、何もかも当然人間の考えであって、動物の考えではない。猫にはCTスキャンも放射線治療も、そもそも無関係、だって猫だから。関係あるのは、それを使って何とかしてみたい人間の方。

今、唐突に頭に浮かんだ。大島弓子『キャット・ニップ』(小学館)『グーグーだって猫である』のシリーズ。ただ延々と大島先生と家猫、野良猫(今は「地域猫」と言うそうです)との関わりーほぼ全編、猫の怪我や病気の話が描かれている。
大島先生は、あらん限りの時間を使い、お金も使い、できる限りのことを猫たちにしてあげるけれど、猫たちは、やっぱり生きられるだけ生きて、死んでいく。

生病老死の流転は、デビュー当時から大島マンガに潜在する主題の一つのように思えるが、より剥き出しになりながら、しかし猫を通すことで、人間社会とそうでない場所、より広く、多層で、複雑で、豊かなー世界ーと繋がっていく普遍性を獲得している(のだなあ、とたった今思い至った。改めて凄い作品。やはり揺るがぬ大島先生)

生病老死の流転から、わたしたち、人間様も誰一人、逃れることはできない。そういう意味では、猫も人間も同じだ。ただ態度が違う。猫は、ただ全てを受け入れるだけ。人間は、足掻くんだな。流転のままにいられない。どうにかして抵抗しようとする。「生きてみよう」と意識するのもまた、人間だけ。

みーちゃんに、生きていて欲しいと願うのは、わたしなんだ。辛いと思うのも苦しいと思うのも、眠れないのもわたしの勝手。みーちゃんはみーちゃんの時を生きている。そうしてまた、わたしも。その時を生きようとして、足掻いている。

ー石川亮、札幌まで連れてこられたにも関わらず、バッテリーを組んでいたニック・マルティネスの登板を前にして、登録抹消。残酷な神が支配する野球場で。25歳の青年は、何を思うんだろう。足掻き続けるしかないんだろう。プロ野球選手である限り、どんな立場の選手でも、そうやって戦ってるんだよね。きっと。そして諦めたら、そこで終了なんだ。まだまだまだ、足掻き続けろ25歳!

ファイターズ 25勝25敗2分 5割に戻る。本当に、ここが正念場です。前線に生き延びようぜ!

トップの写真は、みーちゃんでなく。小さい頃のまーくん☺️

















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?