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[3月9日 ウルル, オーストラリア] いつでも行けた別世界

こんなものでしょ、と記号化してるうちに見逃してしまったもの、わかったふりをして気持ちに蓋をしてしまったこと、いくつあっただだろうか。

目の前に広がる雄大な景色を見て、涙が出そうになったのは感動したからだけではなくて。

ウルルなんて、いつでも行ける、と思っていた。

日本人がなんで、そんなにウルルに行きたがるのか、わからなかった。ただの大きな岩でしょ、とさえ思っていた (本当にごめんなさい)。

オーストラリアを離れると決めてから、しばらく来れないなら行きたかったところへ、とウルル行きの航空券と宿を予約。

いつでも行ける、こんなものでしょ、と思っていたものは、目の前にすると写真でみるより何倍も大きく、想像以上に雄大で、ただただ言葉にならなくて。

記号化していたけど、本当は来てみたかったんだね。

日本人なら誰もがしてしまう、満点の星空の下で飲むビール。視界の端を綺麗にすっと横切る流れ星が何個も見えた。

3リットルもの水を背負って、灼熱の中を歩いたキングスキャニオン。現実離れしすぎて、ゲームの世界のようだった。

そして、朝焼けのウルル。時間帯によって岩の色が変わる。ひとつひとつの洞窟に残る、生活の跡。壁画。言い伝え。

どんなものか、知ってる。写真もみたことがある。行きたいところに全部いってたら、キリがないのも分かってる。

...だけど。やっぱり自分の目で、この目で見ないと気が済まない。

そうだった、私はそういう性分だった。そう気づいただけでも来てよかった、と心から思う。

きっとこれからも、あるでしょう。叶わないから分かったふりをして、記号化して、なかったことにすることが。

でも、なかったことにしなくていいんだよ。

やりたいことは、いつかの楽しみに。できる時が来るから。今達成できないから幸せじゃない、なんて思わないで。

「ふと後ろを向いたら、叶っていた」ということもあるんだから。

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