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日本とイギリスのパフォーマンス力の違いとは

日本とはスタンダードが格段に違うイギリス人のパフォーマンス力。

演劇や音楽に限らず、会社のプレゼンや学校の発表、また日常のコミュニケーションでも、いつもイギリス人を見ていて感心する。それは子供の頃から根づいているようだ。イギリス人の子供は「赤ちゃん言葉」を使わない。普通に大人同士のような口調でお母さんと話しているから、逆にギャップが可愛い。小さい頃からコミュニケーション力が養われるのだ。

ではどうすれば、大人になってからでも演劇大国イギリスでも勝負できるようなパフォーマーになれるのか。私は性格が特に内向的で、ダイナミックにふるまうことは苦手なので、渡英当初「パフォーマンスコーチング」なるものを受けたことがある。

イギリス人と日本人ではコミュニケーション時に意識している『範囲』が違うという。1対1と1対多数のコミュニケーションにおいては、その範囲が大きく変わるとともに、意識の範囲もスイッチを切り替えて広げていかなくてはいけない。日本人は個人の狭い範囲に意識をとどめがちだという。アイコンタクトを取っている時間も、日本人の方が圧倒的に少ない。

礼儀や謙遜が美徳である日本のコミュニケーション文化は素晴らしいが、日本でも海外へのプレゼンの機会が増えていく中、ダイナミックなパフォーマンス力を鍛える必要がある。

具体的には、話し声のトーン、間の取り方、視線やジェスチャーなどを分析して、より説得力のあるパフォーマンスへと導く。更には、心理学的に効果的な仕草や話し方を少し心がけるだけで、印象が大きく変わる。

トレーニング方法としては、実際に話しているところをビデオに撮ることで、まずは自分の癖に気付くことから始まる。自分の癖や印象は、本人が一番気付かないからだ。

面白いと思ったのは、プレゼンでは、実は話す内容よりもそれを『どうやって』伝えているかということが相手にとって一番印象深いという研究結果。

ムリして欧米風の大げさな話し方を身につけるのではなく、自分の個性や芯の強さを最大限に表現することが肝になる。大事なのは、聞き手が何人であろうと、一人一人に語りかけていると思わせること。

相手が1人でも1000人でも、同じコミュニケーションには変わりないのだ。


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