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「いいかげんさ」は人を傷つけるし救いもする。

今泉力哉さんの最新作、映画『his』を観た。
同性愛をテーマにした映画。
映画を観る中で、同性愛に限らず、
「社会が押し付ける規範」を問う映画として捉えるようになった。

わたしは、「こうあるべき」という画一的な価値観から自由でありたい、と思う。

だから、小説を読み、映画を観る。さまざまな人の価値観を知りたいから。

けれどほんとうに、
画一的な価値観にしばられていないか?
自由な価値観を持っているか?
と問うたら、わたしはどうなんだろう、と思った。

雑誌『暮しの手帖』に『みらいめがね』(荻上チキ×ヨシタケシンスケ)という連載がある。「日常と、世の中から、呪いを解いていこう」をテーマとする連載。今月号にこんな言葉が載っていた。

みんな、自分に都合のいい価値観を、なんとなく正しいと思ってる。
でも、人のいいかげんさに傷ついた人々を救うことができるのは、やはりひとのいいかげんさなんだと思う。

映画『his』のなかでも、同性愛者であることに怯えている主人公に対して、とある女性が声をかける。その言葉がまさに、「いいかげん=良い加減」な言葉で、主人公を救うのだ。

価値観はひとつではない。100人いれば100人分の価値観がある。
まず、私がなんとなく正しいと思っている、「画一的な価値観」や「自由な価値観」って何なのか。どういう価値観であれば、心地よく暮らせるのだろうかを懸命に考えたいな、と思った。


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