「文学」の「映画」 #映画『去年マリエンバードで』
おはようございます、Rieです。
「伝説の名作」「シャネル・スタイルの集大成」「ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞」とあれば、観ずにはいられません。
『去年マリエンバードで』監督アラン・レネ(1961年)
ブルジョワジーたちが集う豪奢なホテル。1年後に駆け落ちする約束をした女を迎えにきた男。しかし、再会した女は全く覚えていないと言い張る……。
脚本は世界文学に地殻変動を起こしたアラン・ロブ=グリエ。アラン・レネはヌーヴェル・ヴァーグ先導者。二人の"アラン"により誕生した、世界一難解な映画と称されてきた作品です。
時間軸、嘘と真実。視点を失い、翻弄されっぱなし。複雑怪奇。おそらく観るのもの視点により解釈は異なり、正解がない。余韻に浸り、あえて求めないのもアリかな。それにしても直線的で完璧すぎる美しさは、こんなにも異様で不気味にうつるもの?
主演女優デルフィーヌ・セイリグが身にまとう、シャネルデザインの衣装も見逃せません。白か黒。シンプルがゆえに際立つ素材の質感、デザインの緻密さ。膝がちょうど隠れるくらいのスカート丈は上品でありながら、女をぐっと女らしく見せている。
アトラクションに乗って「文学」を観ている錯覚に陥りながらも、ため息ものの衣装を目にすることで、これは「文学」の「映画」なのだと気付く。鑑賞後にもたらされる豊かさは、ほかの映画とは一線を画しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
憧れの街への引っ越し資金とさせていただきます^^