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自分の仕事と「社会」を接続するワークショップ―Field Academy 構造化WSのご紹介


「自社の風土醸成に取組みたい」
「社会課題も良いが、目の前にある業務の意義を見直してほしい」―

私たちリディラバは、2018年度の経済産業省実証事業を起点として、新しい人材育成プログラム「Field Academy」を運営してまいりました。
今回、企業の皆様からの声にお応えし、「自分の仕事と「社会」を接続する」をメインコンセプトとして、「Field Academy 構造化ワークショップ」プログラムを立ち上げることと致しました。

このnoteでは、FA-構造化WSの概要を紹介します。

尚、Field Academyの目的・内容については、以下のnoteをご参照下さい。

どのようなプログラム?

・課題の現場の人たちと触れ合いながら貢献欲を湧きあがらせ、
・他方で課題を構造的に洞察する力をつけ、
・マクロとミクロを往復し続けながら、
自分の業務・ミッションの社会的意義を再発見する

Field Academyの「社会課題を題材として、自分の仕事の意味を変える」というコアな価値だけを凝縮してご提供するプログラムです。

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<基本仕様>
・期間:1日(半日~終日程度)
・行程:
 ・① 意義付け:なぜ社会課題を構造的に捉えることが重要なのか?
 ・② 学習:構造化のハウツー演習
 ・③ マクロ型実践:実際の課題を題材とした構造化トライアル
 ・④ ミクロ型実践:実際のプレイヤーを招致したヒアリングセッション
 ・⑤ 内面化:経験の振り返りと学びの抽象化、リフレクション
・参加人数:
 20名~(最大数百名程度)
  ※原則として1社単独の開催プランとなります
・実績:
 既に大手ICT企業が個社型研修としてご導入いただいております
・料金:
 お問い合わせください

プログラムの目的は?

Field Academy 構造化WSは、手段としては社会課題を題材としたものですが、「社会課題解決の手法論を学ぶ」ことを目的としたインプット・講義型の研修ではありません。

目的は、「理解」と「共感」を両輪で回しながら、自分の日々の仕事やこれから成し遂げたい新たな事業・業務の意義・射程を見直し、エンゲージメントを高めることです。

・「理解」とは
 "社会課題"あるいはその解決と、自分の業務には関係があることを構造的に理解する、マクロ・アプローチ

・「共感」とは
 実際のプレイヤーとの交流を通じて、社会課題解決に対して貢献欲が湧きあがり、課題と接続していると理解している自分の業務に対して主体的・意欲的に向き合う、ミクロ・アプローチ

この目的に対する解像度を高めるために、まずは「構造化」とは何か、について簡単にご説明します。

そもそも構造化とは何か?

「構造化」とはリディラバがよく用いている専門用語で、一言で表すと「リディラバ流の社会課題分析の手法」です。

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社会課題領域は往々にして、「表出している問題」と「真因(ボトルネック)」が異なっていることがあります。

例えば介護を取り巻く問題は、表出している問題としては「介護疲労」や「介護虐待」などであり、これだけを見ると企業として関わることの難しい領域に見えます。
しかし、高齢者虐待の問題を丁寧に構造化すると、実は多様な要因が絡み合っており、中でも「地域の中に逃げ場所・相談できるコミュニティがなくなっており、介護の不安や疲労を解消できないまま孤立化している」という問題が強いボトルネックであることが浮き上がってきます。
そしてリサーチを進めることで、コミュニティの喪失・孤立化は、実は子どもの貧困や産後うつなど、様々な他の問題にとってのボトルネックであることも見えて来ます。

このようにボトルネックを発見することで、例えば「自分の業務は介護虐待には関係ないが、コミュニティ再建には繋がっているかもしれない」、あるいは「もしコミュニティ再建に資する事業を打ち出せればこの課題も、あの課題にもアプローチできるかもしれない」と、より広い視野で社会課題と事業・業務の接続を考えることが出来るようになります。

あるいは本質的なボトルネックでなくとも、課題を多角的に見る視座を得ることで、表出している課題へのアプローチ方法が多様であることを理解することが出来ます。

この視座を獲得することが、「構造化」です。

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↑「高齢者虐待」に関する構造化の一例(リディラバ作成)

そしてリサーチやヒアリングの過程で多様なステークホルダー、プレイヤーと接することで、課題を多角的に分析するだけでなく、「この課題は何とかせねば・・・」という共感が、一定再現性高く湧き上がることも、社会課題の特徴です。
この"共感"を通じて、左脳だけで"理解"せずに課題解決に真剣に向き合い、自分の業務・事業と接続してやり遂げるためのグリット/コミットメントが生まれます。

構造化2

繰り返しになりますが、このように、「マクロの理解」と「ミクロの共感」を両輪で回しながら、自分の日々の仕事やこれから成し遂げたい新たな事業・業務の意義・射程を見直し、エンゲージメントを高めることこそ、構造化WSの目的です。

構造化1

↑具体的な手法論はこちら。詳しくはぜひお問い合わせください。

プログラムの効果は?

実際の効果に関する解像度を高めて頂くために、Field Academyの参加者の中で、「構造化」に関連する事例を2つご紹介します。

(例1)自分の業務と社会課題は関係しているということに気づく

メーカー営業職の参加者Aさんは、いわゆる社会課題への興味はあるものの、しかしそれを業務を通じて考えたことがない、別々に考えていた・・・というタイプの方でした。
皆さんの会社にも例えば「社会貢献は好きだけど、それは業務とは関係ない・・・」「社会貢献したくて会社に入ったのに、全然出来ないじゃないか・・・」と思っている社員、いらっしゃいませんか?

Aさんは、Field Academyを通じて地方創生の課題に触れ、次のような振り返りをされています。

 プログラムを通じて、限界集落に住む人の譲れない想いと、彼らを抱える地域の新しい在り方を深く知ることが出来ました。
 私の会社は訪問販売が創業のルーツです。海外に市場を拡張させつつ、地域では店舗型の拠点を減らして訪問販売主体で働き手と消費者を繋ぐ役割も、規模は違えど担っていくことになると思います。
 会社精神として「一人ひとりに寄り添うこと」をモットーにしている会社なので、地方での訪問販売を辞めることはないと思っています。
 だからこそ、今後自分の会社は、地方の衰退・コミュニティの衰退に伴って発生する「生身の人間同士の対面コミュニケーションの希薄化」を打破することができると考えるようになりました。この事業モデルを、海外に輸出することが自社のやるべきことなのかもしれない。海外の諸国も今後、間違いなく日本と同じ道を辿るであろう時に、訪問販売モデルは地方の活力を呼び起こす核になり得ると思っています。

一見すると関係ない「メーカーの営業職」と「地方創生」。しかし、訪問販売をしてきた自社だからこそ、地域に対して出来ることがある。
まさに日々の仕事の意味が変わる瞬間だったのではないかと思います。

(例2)社会課題に仕事を通じて向き合うことに意義を感じる

また別のメーカーで営業職をされている参加者Bさんは、会社が力を入れている、本業を通じた社会価値創造・SDGs実現への取組みに全く関心がないという方でした。
皆さんの会社にも例えば「社会貢献は、自分の仕事には関係がない・・・」「日々の成果・利益を上げることが大事ではないのか・・・」と思っている社員、いらっしゃいませんか?

Bさんは、Field Academyを通じて食品ロスの課題に触れ、次のような振り返りをされています(Bさんの会社は食品会社ではありません)。

 自分自身、元々社会問題に対して本当に全く関心がありませんでした。
 例えば私の会社は、食品ではないがプラスチックの廃棄を出している。経営課題として「改善する」というトップメッセージも知ってはいた。しかし、正直言って「自分ごと」では全くなかった。興味ある人がやれば良いし、カッコ悪い、非常識な人と思われたくもなかったのかもしれません。
 しかし、プログラムを通じて、食品スーパーの残渣で豚のエサを作って売っているプレイヤーと出会って、本当に驚いたし、その人の思いやビジョンに触れたことで興味も湧いてきました。
 今はもう、「社会問題に興味ありません」という気持ちは全くありません。真剣に、何かしたいと思って取り組んでいます。

Bさんは最終的に、自分の所属していない自社の別チームが担当している小売スーパーに敢えてアプローチして、食品ロスを解決する小売モデルの提言にこぎつけていました。

全く興味がなかった社会課題。しかし自社を含むメーカーや小売業が、むしろ「加担者」として課題に関与している。その課題に、真剣に向き合っているプレイヤーがいる。
自分と社会の関係性を再定義、やはりまた仕事や自社の持つ価値・意味が変わる瞬間だったのではないでしょうか。

このように、
・社会の課題は自分(や自社)に関係があることだと理解すること(=マクロ的、左脳的な”理解”)
・社会の課題を自分も解決する側に回りたいと共感すること(=ミクロ的、右脳的な"共感")

このいずれも、仕事の意味を変えてエンゲージメントを高めるためには必要不可欠であり、実践の中でこれについて自ら腹落ちしてもらうプログラムが構造化WSです。

オンラインでも実施できる?

結論から申し上げると、実施できます!

コロナ禍を通じてリディラバは、オンラインで現場訪問を行い、それでも共感と理解を可能にするノウハウを蓄積して参りました。

JFECオンライン工場見学

その一例が、フードロス再生工場をフィールドとした企業向け工場見学ツアーです。
(参加者Bさんが参加したプログラムもこちらです)

カメラを複数台稼働させ、手持ちカメラで従業員しか入れない区画もリアルに覗き込みながら、現場プレイヤーの声を聞くことが出来ます。

また、場合によっては「東京本社の社員が地域の現場をオンライン訪問する」ことや、「東京本社と大阪支社の社員が同時に共通体験を得る」ことも勿論コーディネート可能です。

オンラインに切り替えたことで、かえって場所的・時間的制約から解放され、目的逆算で現場訪問を行うことが可能となりました。

以下、上記の工場見学ツアー実施後に参加企業人事から頂いたご感想を勝手に掲載します。

とても分かり易くライブ感があり興味が高まる工場見学セッションでした!
事前打ち合わせの際に不安を投げかけてすみませんでした…m(_ _)m
皆さんの素晴らしい準備が感じられる内容でした!
途中のトラブルにも走ってすぐにリカバーするなど、若いって良いですね。

オンラインで現地を体感することなんて本当に出来るのか・・・という疑問の声もあった中で敢行しましたが、準備と当日対応でセッションを完遂することが出来ました。

対象とする社員の人数や階層、目的に応じて、オンライン・オフラインどちらの形でも対応させて頂きます。

プログラムの具体的な活用方法は?

仕事の意味を変え、エンゲージメントを高める構造化WSが企業にもたらす効果は、限定的なものでは全くありません。現状や目的、課題感に応じて、非常に多様にアレンジすることが可能です。
以下で、企業様への実際の提案事例も元にしつつ3つのケースをご紹介します。

(例1)新人~若手層の共通研修として

「社会貢献」が就活生のメガトレンドと言われているように、特に新人~若手層にとって「自分の会社がどのように社会に貢献しているか」は大きな関心事となっています。

以下の調査によると、21年春新卒の中で「SDGsを認知している人の割合」は70%超、「企業選びでSDGsを重視する理由」のトップが"企業の社会的使命"とされています。

しかし実態として、会社に所属した後にその機運は沈んでいき、目の前の業務と自分のWANTのギャップに打ちひしがれて退職したり、あるいは入社当初の意欲を失って眼前の業務にのみ集中してしまうことがよく起きていると聞きます。

Field Academy 構造化WSは、社会課題と自分たちが取り組む業務がどのように関連しているのか、実例と共に自ら学ぶことが出来ます。
参加者層の習熟度や現況に応じて、「自ら発見すること」と「補助線を入れて導くこと」のバランス調整や、企業ごとに親和性の高いテーマ選定も可能です。

自業務の社会的意義を再発見して、明日からの業務が持つ意味を切り替える一歩目の機会をご提供します。

(例2)意欲層の選抜手段として

Field Academyのような長期×選抜型のプログラムは、「公募」によって意欲層をピックアップして機会提供することがトレンドになりつつあります。
しかし企業の中には「自社にどれほど"越境"や"社会課題"に関心ある層がいるかわからない・・・」という課題感もよくあります。いきなり長期の研修を導入することが難しく。なかなか公募型の選抜に踏み切れない状況のようです。

Field Academy 1dayを通じて、まずは1日だけ、広く機会提供することで意欲層への「誘蛾灯」を設置することが可能です。
「リッチな機会提供」と「踏み出しやすい一歩目」をセットでコーディネートすることで、より円滑に新たな人材育成へ舵を切ることが出来ます。

リディラバは、長期・選抜型から1日完結型まで幅広いソリューションをご提供できるため、一歩目からその先までトータルで伴走支援させて頂きます。

(例3)イノベーション部門・新事業部門の応用研修として

スタンフォード大のオライリー教授が発表した、知の深化・知の探索を両輪で回す「両利きの経営」が日本企業にも浸透しつつあります。
中でも、これまでの事業領域を飛び越えて新たな分野を発掘する「知の探索」を組織機能として担保することは喫緊の課題です。そのため昨今では、多くの企業がイノベーションや新規事業創造を専任する部門・担当を設けています。

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自社のアセット・強みを活かしながら、新たな事業領域・貢献領域を打ち立てることがミッションですが、社会の課題を表層的に眺めているだけでは、なかなかイノベーションに至る例が少ないことが課題とされています。

Field Academy 構造化WSは、社会の事象を構造的に捉えつつ自社の強みが活かせる領域を探究する武器を、実体験と共にご提供します。
より広く深い視座で社会課題を"理解"しながら、課題解決を「自分ごと」として捉えて熱量高く取組むためのステップから、企業の目的に応じてプログラムを設計致します。

尚、私たちリディラバは、「企業の事業開発の伴走支援」に特化したプロジェクトチームを社内に有しています。その後の具体的な事業開発に至るまで、トータルコーディネートすることも可能です。

(例4)マネジメント研修の一環として

例1でご紹介した通り、現在の新人~若手層はSDGsを始めとする「企業の社会的意義」に極めて強い関心を持っています。

しかし、世代の異なるマネジメント層がそもそも興味関心を持っていない、あるいは社会の課題に仕事を通じて向き合う姿勢が整っていないケースもままあります。
新人・若手の高い意欲と、マネジメント層の認識のズレは、離職やエンゲージメントの低下など、様々な経営リスクとして組織に跳ね返ります。

Field Academy 構造化WSは、マネジメント層の方々に対して、社会課題を自分ごととして捉えるきっかけと、仕事と結び付けるために必要な社会課題特化型のシステム思考をご提供します。
マクロ・ミクロの事象を往復しながら体得する実践研修を通じて、新たな時代に必要なマネジメント・ノウハウを一緒に築き上げることが可能です。

どのような企業におススメ?

・社員に対して、これまでにない新しい"変容"の機会を提供したい

・社員のエンゲージメントを高めたい

・社会への感度の高い若手層が、もっと日常業務にコミットしてほしい

・イノベーション、新規事業を探索するための武器を提供したい

・ミレニアル時代のマネジメント・ノウハウを得る機会を提供したい

・特定層、年次に対して階層別研修として広く実施したい

プログラムについてもっと知りたい!

ここまでご覧いただいた方、本当にありがとうございます。
ぜひ、ご関心を持って頂いた企業の方向けに、より詳しくご説明できますと幸いです。

Field Academy 構造化WSは、導入企業を大募集中です。まずは話だけでも聞いてみたいという方でも結構です。以下のフォームを通じて、弊社にご連絡下さい!

(営業担当に直接ご連絡頂く形でももちろん結構です)

メールアドレス:info.cs[at]ridilover.jp
※[at]をアットマークに変えてご連絡下さい。

また、リディラバは企業の課題感・ニーズに応じてラインナップを整備しております。こちらも是非、ご参照下さい。


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