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ぶっちゃけVR開発座談会

始めに

イベント概要
当記事はVR好きの学生さんとこりんさんの座談会をまとめた内容になり、業界に関心のある方向けに作成しています。内容はかなりぶっちゃけたものとなっておりなかなか聞けないお話も多くありました。もちろんこの内容は現時点でのお話なので今後変化する可能性はあるとは思いますが、それでも第一線で活躍されている技術者の方が話される内容はそこまで大きくは逸れないのではないかと思います。

開催について
開催はIwaken Lab. さん主催。2022年7月30日に開催されたものになります。今回はいつも以上に座談会として丁寧に役割分担がされていました。こりんさんを中心にファシリテーター、トーク担当、レポ担当、メモ担当そして見学と別れておりかなり万全の体制でのイベントでした。といっても堅苦しさはなくむしろ真剣さが生み出す真面目なイベントという雰囲気でした。そのため交わされる言葉もかなり踏み込んだものとなっており非常に充実した時間となった印象です。

人物紹介
こりんさんとは?株式会社エクシヴィに所属されるVR開発のお仕事をされている現職のエンジニアさんです。個人事業主としてフレームシンセシスを兼業されています。刺身にタンポポを乗せる『VR刺身タンポポ』、新宿東口に巨大猫を出現させるTwitter投稿などはXRに関係のない方でも一度は見たことがあるのではないでしょうか?他にもユニークなアイデアと実用性のあるコンテンツを多数手がけられておりその作品の数々を見るだけでも非常に精力的にご活躍されています。https://framesynthesis.jp/about/https://mobile.twitter.com/korinVR

VR/ARの未来

これはなかなかショッキングですがVR/HMDはしばらく普及しないという説があげられていました。動作を伴ったゲームデザインがなかなかキラーコンテンツにまで昇華されないことから、当初沸き立っていた熱がやや冷めてしまっているようです。toC向けのコンテンツはやや厳しいのかもしれません。
しかし業界自体が廃れていくのかというとそうではなくトレーニング領域や医療・工場などtoBでは手堅い展望が期待できるとのことです。また株式会社イマクリエイトさんもtoCのコンテンツを開発されているという明るい状況もあります。

スキルアップ方法

最も重要な点に『生きているアプリ』を作ることがあげられていました。生きているアプリとは完成させて終わりなのではなくユーザーの意見を聞いてフィードバックを反映させることでよりよいアプリにしていくことです。またリリースしてほったらかしにせずにアプリを保守することで生かし続けることもあげられていました。反省や保守により設計を学ばざるを得なくなり結果スキルに結び付くのだそうです。
更にはエンジニアリング以外のスキルも意識することがいいとお話されていました。自分のやりたいこと次第で何が必要になっていくのかはそれぞれ変わるため、どういうことをしたいのかを意識することの重要性をお話されていました。

VR技術選定・ユースケースを添えて

VR技術選定は多くの方が技術だけに目を向けがちですが、その技術を提供している組織や会社、情勢にも注目することが重要だそうです。例えばUnityとUnreal Engineを比較した際に営業利益を見てみるとUnityは厳しい立ち回りを強いられているのに対してUnreal Engineはフォートナイトで得た利益を潤沢に開発に回すことが出来るため今後の開発に大きな違いが出るのではないかと予想されていました。もちろんこれだけでなくUnityはWebGLの強みがあり4.0は色々な機能が追加されるので一概には言えませんが、そういった背景事情も抑えておくことが技術選定には必要だと仰ってました。

VRデバイス/HMD

Quest Proの話題で盛り上がっていました。Project CambriaとはMeta社が開発中のVRヘッドセットのコードネームのことです。一体型でありながら業務利用を想定したハイエンドデバイスと噂されています。そしてフルカラーパススルー機能というVRヘッドセットの前面に搭載されたカメラを通じて、フルカラーで現実空間を見ることができ、空間と連動したARコンテンツ「The World Beyound」の情報がザッカーバーグ氏のFacebookに投稿されていました。フルカラーパススルーはquest2にFoxusというサードパーティ製の製品をつけることで体験できる動画も紹介されていました。これを応用すれば自分の部屋にVRChatのフレンドを召喚するなどこの機能による色々な可能性が話されていました。

WebXR/WebGLについて

ブラウザで簡単に体験できるため広告としての需要が伸びていきそうです。こりんさん自身もウェブのオープンな思想がお好きなようです。ネイティブだとプラットフォームの都合で作ったアプリがしばしば動かなくなりますが、ウェブは破壊的変更が少ないとのことです。

XR Interaction Toolkit + Open XR

XR Interaction Toolkitで良いのではという考え方に対してはQuestの固有機能があるためOculus Integrationとケースバイケースで使い分けていくことになると予想をされていました。またAppleが現時点ではOpen XRに参加していないことを懸念されていました。

終わりに

技術に対して熱い姿勢と質問に対して真摯に向き合われる姿がとても印象的でした。ここに書かれている以上にももっと多くの情報や突っ込んだお話もありましたが、記事の容量を考え今回この内容とさせて頂きました。
業界に対して残る文をと考え執筆をさせて頂きましたが筆者の力不足ゆえに分かりづらい、説明不足だと感じられるかもしれません。その際はぜひ遠慮なさらずに質問をしてください。
そして最後になりましたが改めてお忙しい中このイベントで話して頂いたこりんさんに感謝いたします。本当にありがとうございました。
ここまで記事を読んで頂きありがとうございました。

執筆者:ricky


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