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誰でもなれる!複数の外国語を自在に操る「マルチリンガル」になるには?効果的に勉強する方法3つ

現在、私は仕事などで複数の言語を使いながら生計を立てています。中には、それなりに仕事で使える程度のものもあれば、完全に子供だましレベルの言語もありますが、一応現時点では3か国を使いながら仕事や生活に活用しています。

以下がそんな私のざっくりとした外国語のスペックです。

中国語→仕事でつかえるレベル タイ語→日常会話レベル 英語→子供だましレベル

中国語は、中国・台湾・香港にはこの10年出張や自分の仕事などで行ったり来たりしており、仕事で不自由なく中国語で会話できています。一応HSK6級はありますが、その試験勉強で話せるようになったという感覚は全くありません。会話がある程度できるようになり、仕事でも使うようになってぉり、「そういえばHSKとっておいたほうがいいかな」と、あまり勉強もせず試験に臨み一応合格しました。

タイ語は、仕事で3年ほど生活していました。最後の3年目は、タイ人スタッフとタイ語でやりとりして会話したりして、事務所の日本人所長に「いつの間にタイ語話せるようになったの?」と驚かれました。現地の人ともなんとか仕事を進められる程度にタイ語で会話していました。

ちなみに英語は、現在クラスでインドやミャンマーの学生相手に日本語の文法説明をしたりするときに使っており、流暢とは程遠い状況ですが、なんとかブロークンながら通じています

実のところ、私自身まじめにコツコツ外国語の勉強をできるタイプでは全くありません。その場その場、場当たり的にサバイバルに切り抜けてきました。勉強にしっかり投資するタイプでもないと自負しています。

そんな私でも、なんとか3か国語を、曲がりなりにも使えるようになったのはなぜなんだろうとぼんやり考えていました。そんな折「日本語教育能力検定試験」で勉強した赤本にきちんと答えが書いてあり、腑に落ちたのです。

日本語教育能力検定試験の試験勉強をしていると、言語学、外国語学習に関する効果的な勉強法や論理がしっかりわかります。実のところ、試験勉強していて、「やっぱりこの方法が効果あるんだ」と感じるものは多々ありました。逆に、「多くの外国語学校がいまだにやっているけどこれやっぱり効果ないんだな」というものも多々ありました。

今回は、試験範囲の重要キーワードと合わせて、「マルチリンガルになるための方法」をご紹介します。

試験頻出キーワードもたくさん出てきますので、学習項目の復習にもお役立てください。

ちなみに、これは、「私自身がマルチリンガルだ~!」と豪語しているのではなく「きっとこんなかんじの方法でやれば誰でもマルチリンガルなれるのかもね」というざっくりとした雑感です。

同じ系統の言語を勉強する

学校以外の勉強で外国語を勉強した順番としては以下です。

1,中国語 → 2タイ語 → 3,(学びなおし)英語

中国語を使ってある程度仕事できるようになったころ、タイ語の勉強を始めたのですが、「なんか似ている・・・」と思うことが多々ありました。

具体的には文法(SVO)、動詞の活用がないこと、声調があることなどです。「中国とタイは地域的に近いからかなあ・・・」とぼんやり考えていましたが、似ていることで勉強しやすかったことは間違いありません。

特に、日本人にとっては「声調」は難易度が高い分野ですが、中国語で慣れていたので、それほど苦になりませんでした。

日本語教育能力検定試験で勉強してわかった、中国語のあとにタイ語が学びやすかった理由の一つは

中国とタイ語は「言語類型論上」同じ「孤立語」に属するから

ということです。つまり中国語とタイ語は親戚同士ってことですね。どうりで、似てると思った。おかげで、タイ語の学習は比較的ストレスなく勉強できたと感じています。

その後、英語を思い出しつつ使っていますが、ほかの言語を勉強した経験もあって

コミュニケーション・ストラテジー

で何とか乗り切れるようになりました。つまり、色々な方法を駆使してコミュニケーションを成立させるための戦略を使って何とかしてました。

その言語を使える環境がある言語を優先して勉強する

中国語を勉強した時も、タイ語を勉強した時も、基本的にはいろいろ必要に迫られて勉強していました。つまり、「これを何とかしてあのスタッフに言いたいんだけど、何とかして言えないかなあ」とか、「社内会議で中国語でいわないといけない・・・。どうしよう」とか。。。

それで、言いたいことを伝えるためにひとまず言いたいことをアウトラインだけメモして会議に出たり、その場で言い直されたりしながら切り抜けることが多々ありました。そんなことを繰り返すうちに、なんとか齟齬もなくコミュニケーションができるようになっていったのです。

これはつまり・・・

タスク中心の教授法(TBLT) 

ですよね。

遂行すべき「タスク」があって、いかにしてその言語を使ってタスクを遂行できるか、という教授法です。



この教授法では、文法項目を体系的に勉強できないという短所はありますが、私自身はいろいろな種類の活動に参加することで、不足が補われていたと思います。

「意味のあるやりとり」と「アウトプット」を多めを意識する

このように、かなり必要に迫られながら勉強してきた私なので、会話には当然「必然性と意味」があります。

また、家で座って勉強する「インプット」より、会話やメールなどを書く「アウトプット」が中心になります。たしかに、会議や生活の場面で相応のインプットはあったと思いますが、全体としてはインプットよりもアウトプットが多め、もしくは半々という場面が多かった印象です。

つまりこれって・・・

インターアクション仮説 + アウトプット仮説

っていうことになりませんかね?

ちなみに、日本語教育能力検定試験では、

外国語学習には意味のあるやりとりが必要とする「インターアクション仮説」(ロング)。
そして、相手に理解されるような「アウトプット(アウトプット仮説)」(スウェイン)が必要。

って習いました。私の状況はまさにこれだったんだなあと。

意味のない学習法

一方、最短距離で話せるようになったわけではなく、意味のない勉強も多々やってきました。たとえば、ただ聞き流すだけの教材を使ってみたり。ほかにも、外国語のクラスで恥ずかしがってモジモジして、失敗を恐れてなかなか会話に加われないなど、勉強の効率は決して良くなかったです。

こうした進歩しない時期を乗り越えてなんとか勉強続けられたのも、その言語を使う必然性と、意味のあるやりとりの機会がいつもあったからだと言えます。

この経験を再現するには

以上の私の経験からみると以下の方法は確かに効果があるといえるかもしれません。

同じ系統の言語を勉強する
コミュニケーション・ストラテジーを駆使する
その言語を使える環境がある言語を優先して勉強する
「意味のあるやりとり」と「アウトプット」を多めを意識する

とはいえ、再現性のない特殊な経験だと、この経験談事態あまり意味がないですよね。誰にでも再現性のある、マルチリンガルになれる方法は、以下だと思います。

同じ系統の言語を勉強する

マルチリンガルを目指している方は、まずは学習したことのある同じ系統の言語を横断的に攻めてみてもいいかもしれません。

英語→ドイツ語
タイ語→ベトナム語
日本語→韓国語→中国語

など、似た系統の言葉を勉強するようにすれば、共通項が多く戸惑わずに済むように思います。

その言語を使える環境がある言語を優先して勉強する

まずは、その言語を使う必要のある状況を準備する必要があると言えます。オンラインレッスン、SNS上のセミナー、その言語を使わざるを得ないいろいろな機会があると思います。また、将来その言語を使えそうな状況を予測して勉強を始めるのも、勉強の必然性が増していいのかもしれませんね。

なんとか汗をかきながら自分の意思を伝えられる機会が多ければおおいほど、「コミュニケーション・ストラテジー」を駆使する機会も多いはずです。

「意味のあるやりとり」と「アウトプット」を多めを意識する

いわゆる機械的な文法練習(オーディオリンガル)にも一定の効果があるとは思いますが、いかんせんつまらない勉強をつづけるのはなかなかつらいものです。やっぱりその言葉を使って意味のある会話をするのが楽しいですよね。

簡単でも、その言語を使って「話したい話題」や「興味のあるトピックス」をもっておけば、話したい内容は次々みつかります。特に、映画や歌手、ドラマなど、その言語のカルチャーに興味を持つことで、話題に事欠きませんね。

まとめ

いかがでしょうか。実のところ、私はマルチリンガルとは言えず、必要に応じて建て増しをしてきた張りぼてだらけの住宅のような現状です。それでも、快適に暮らせているので、それはそれでいいかなと。

さらに、

大好きな国で、おいしい料理を食べたい!そのためには、その料理の作り方を聞かなきゃ!なんていえばいいのかな・・・

とか

仕事で上司に怒られないために、なんて言い訳したらいいかな・・・

と汗をかきながら話してきたことが、今につながっています。

そして、その経験が「日本語教育能力検定試験」の勉強にもつながりました。

人生、なにが役に立つかわかりませんね・・・。

この記事で出てきた重要キーワードは、最新の赤本も要チェックです。

ちなみに、この記事で出てきた、「日本語教育能力検定試験」頻出単語は以下です。

「言語類型論」 中国とタイ語 → 「孤立語」
コミュニケーション・ストラテジー
タスク中心の教授法(TBLT)
形式重視フォーカスオンフォームズ(FonFs)
意味重視のフォーカスオンフォーム(FonF)
インプット/アウトプット
インターアクション仮説(ロング)
アウトプット仮説(スウェイン)

#日本語教育能力検定試験 #外国語学習 #マルチリンガル #第二言語習得



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