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Sig-Score. #19 『ファンタズマ』

こんにちは。Sig-Rick.です。YouTube、ニコニコ動画にてボカロPやってます。
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今回も楽曲解説やっていきます。最近の更新頻度が怒涛すぎる。今回は19作目、『ファンタズマ』です。まだ聴いていない方は以下のリンクからどうぞ。↓

この記事を公開した2024年6月2日時点での最新曲です。…が、この曲は各種動画サイトに上げるより先に「マジカルミライ2024楽曲コンテスト」に応募するために1月ごろにpiaproにて公開していました。そのため、実質の最新曲は1作前の『レスポ』になります。
「マジカルミライ2024楽曲コンテスト」に出すという前提で曲を作っていたので、マジミラのバンド隊で演奏することを意識して作っています。シンセが比較的目立っていたり、オーディエンスの歌唱部分があったりですね。それと、昔から僕の曲を聴いてくださっている方は薄々気づいたかもしれませんが、この曲は『ピストル』を(曲調的な意味で)だいぶ意識しています。

ちょっとメタい話をしますが、現状僕のチャンネルでもっとも再生されているのがこの『ピストル』で、その次が『ダイダンエンド』なんですが、この2曲ってどっちもシャッフルビート(ズッチズッチズッチみたいなリズム)で構成されているんですよね。そういう曲を久しく作っていなかったこともあり、この辺で作ってみようかなと。シャッフルビート、難しい。

とはいっても、普段どおりのバンドサウンドはしっかり構築しています。今回はバッキングとベースがわりと特徴的なんじゃないかなと思っています。リフやサビでのバッキングの歯切れのよさはだいぶ意識しましたし、ベースも結構動かしています。
あとは、2番後のドロップ的な部分も結構気に入っています。さっきも書いたとおりマジミラを意識したので、ここでオーディエンスが頭振ってくれたらいいなあと考えながら書きました。こういうのは普段からやっているので、こういうところでも作っていきたいなと。
※バンドサウンドの曲の2番後とかに挟まる頭を振らせるパートのことを形式上「ドロップ」って呼んでるけど、絶対ドロップではないんですよね。なんかいい呼び方あるんでしょうか?

この曲は、詞にとても重きを置いています。ライブで盛り上がりそうな曲を作るぞ~というのはありましたが、それ以上に、誰かの救いとなれるような曲にしたかったんです。マジミラの会場に足を運んだことはありませんが、ああいう場所って、誇張抜きでボカロに救われた人も多いと思うし、マジミラを楽しみに日々の仕事とか学業とかのつらいことと戦っている人もいると思います。そういう人に寄り添い、手を引いてくれるような曲にしたくて、この歌詞を書きました。『真像』の歌詞にも出てきましたが、泣くな!負けるな!頑張れ!と背中を押す歌よりも、泣いてもいいんだと寄り添ってくれる歌の方が僕は好きですし、より身近なボーカロイドにこそ、その役割が担えると考えています。

その痛みのひとつさえすべて大事な「君」だから
好きなだけ泣いたっていい 君はひとりじゃないから

『ファンタズマ』1番Bメロ

辛いときは背中を押す強さより
その隣で微笑み寄り添えるような優しさを

『真像』2番Aメロ

この曲のサブテーマについても触れておきますが、サブテーマは「イノチ」です。ボーカロイドって、言ってしまえば無機質的な存在だと思うんです。声が機械っぽくて無理、という人もいるくらいですし。でも、その分聞き手の解釈が広くなるのがボカロのいいところのひとつだと思います。そうした解釈を持つ=イノチを吹き込むとたとえ、サブテーマに据えました。ボーカロイドが無機質的な存在というところにもつながってきます。聞き手によってイノチを与えられたボーカロイドが、今度はそのイノチで、辛く苦しんでいる人に手を差し伸べる。そういうストーリーを描いています。1番Aメロとか、そういうバックボンが色濃く出ています。

都会に立ち並んだ墓標の隙間をくぐり抜けて
すり減らした心を両手で抱えながら
明日を生きる不安で震えてしまう夜に
「生きた心地」とやらが欲しくてたまらなくなってしまうんだ

『ファンタズマ』1番Aメロ

ちょっと余談だけど、今回みたいに二者の目線が行ったり来たりする歌詞って表現難しくない?あっちこっち行っちゃってこちらの意図が伝わるか不安なときがあるんですよね。

解説としてはこんなところでしょうか。マジミラに採用こそされませんでしたが、良い曲書けたと思います。
ではまた。

-Credit-
サムネイルイラスト:はきゅ 様

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