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デジタル広告の新たなクリエイティブ指針

RC総研

近年、スマートフォンやSNSの利用者増加に伴い、デジタル広告市場は拡大を続けています。

運用やターゲティングのノウハウは蓄積されている一方で、どういったクリエイティブが成果につながりやすいのかという「クリエイティブ研究」についてはまだ発展途上にあります。

こうした状況を受け、ヤフーとリチカではデジタル広告の共同研究結果を実施。本記事では、その研究でわかった動画と静止画によって反応するユーザーの違いや、業界別のデジタル広告の成果の違いなどを公開しています。

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マーケティングにおける重要性が日に日に増しているデジタル広告。成功を収めるために最も重要な要素とは何でしょうか。

デジタル広告を構成する要素はさまざまです。広告主のブランド、メディアにおけるターゲティング、リーチに加え、広告のコンテキスト、デザイン、コピーなどがあります。

調査会社のニールセンによると、デジタル広告において購買行動に貢献した割合が最も大きいのは「クリエイティブ」で、その貢献度は47%であるとしています。デジタル広告でのクリエイティブは、その成果を最も左右する、切っても切り離せない存在なのです。

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クリエイティブの重要性は、近年さらに増しています。この主な要因として、RC総研は、2つの外部環境に注目しています。

1つ目は、コロナ禍による顧客や顧客接点の多様化です。

顧客のライフスタイル、働き方、価値観などが多様化、変化する中で、企業はマーケティング活動において、より細かく多様化した顧客セグメント、顧客接点を捉えなければなりません。

ただ単に顧客を捉えるのではなく、いつ、どこで、どのように接点を持つかまでデザインしなければならなくなりました。さらに、音声メディア、コネクティドTVなどの新しい顧客接点も生まれており、こうした接点のデザインはさらに難しくなってきています。

こうした背景からも、顧客それぞれに対するコミュニケーションにおいて、最適なクリエイティブを開発することの重要性は増しています。

2つ目は、ターゲティング広告におけるサードパーティークッキーの利用制限の動きや、スマートフォンでの「アプリのトラッキングの透明性」機能導入などの、デジタル上のプライバシー保護強化の波です。

これらの動きによって、デジタル広告で当然のように行われているターゲティングについて、従来のまま活用し続けることは難しくなってきています。代替技術の登場に期待はしたいものの、従来型のターゲティングによって今後も安定的に成果を出していくことは難しいと考えられます。

そこで改めて注目されているのが、クリエイティブの重要性なのです。

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では、デジタル広告におけるクリエイティブをどう考えればいいのでしょうか。RC総研が考える、企業が検討すべきクリエイティブ戦略を3つ紹介します。

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1つ目は、「クリエイティブターゲティング」という考え方です。

顧客や顧客接点が多様化する中で、いかにそれぞれをターゲティングするか、それぞれに対するコミュニケーションを最適化するかが大切になっています。

先述の通り、サードパーティークッキーの利用制限やアプリトラッキング透明性の導入などの波を受けて、従来型のターゲティングを機能させることが難しくなっています。

この中で生まれてきた考え方が、クリエイティブによるターゲティングです。従来よりはるかに細かいターゲット、ペルソナ、ターゲットインサイトごとにクリエイティブを開発する手法のことです。

例えば、B2Bの人材系サービスの場合、サービスを探す担当者、サービスを活用するスタッフ、決裁する意思決定者といった、それぞれのターゲットに対するクリエイティブを作ります。

また、コストに課題を抱える人、工数に悩んでいる人、意思決定に問題意識がある人など、ターゲットインサイト別でのクリエイティブもそれぞれ作成します。

こうして細かいターゲット、インサイトごとに作成したクリエイティブは、幅広く多くのターゲットに興味喚起できるわけではないが、確実に一部のターゲットの興味喚起、コンバージョンを促進します。

細かくクリエイティブを作り分けることで、よりコンバージョンを促進する強い訴求が可能になるのです。

2つ目は、「クリエイティブの高速PDCA」です。

デジタル広告では、従来からABテストの重要性は認識されています。ここで重要なのは、静止画、動画、全てのクリエイティブについて高速でPDCAを回していくことです。

特に動画は映像だけでなく文字や音声など、その構成する要素が非常に多いため、PDCAを回して改善できる可能性が非常に高いと言えます。

クリエイティブの量産に対する工数やコストに懸念がある場合は、われわれRC総研がレポート #1で紹介したような、クリエイティブテックを活用してみてください。

3つ目は、「動画クリエイティブの活用」です。

クリエイティブターゲティング、クリエイティブの高速PDCA、この二つの戦略に欠かせないのが動画クリエイティブの活用です。

実際、動画広告はインターネット広告媒体費全体の22.0%を占めており、2021年には前年比110.4%の4,263億円になると予測されています。(* 株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社D2C、株式会社電通、株式会社電通デジタル「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」より)

では実際、デジタル広告でどのような動画クリエイティブを制作すべきでしょうか。

ヤフー株式会社株式会社リチカのYahoo!ディスプレイ広告(運用型)についての共同研究などを通じて得られた知見を3つご紹介します。

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動画クリエイティブは、その情報量の多さからユーザーの理解度や購買意向を高め、コンバージョン率を引き上げることが期待できます。

下記のデータはYahoo!ディスプレイ広告(運用型)における2021年6月の業種別平均実績から、静止画より動画の方が獲得効率が良かった業種の傾向です。

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Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)における静止画 vs 動画の傾向
●コンバージョン率:静止画より動画の方が高い傾向
●クリック率:業種により傾向にばらつきあり

傾向として、動画クリエイティブはそのコンバージョン率の高さがコンバージョン単価の引き下げに繋がっています。

動画クリエイティブは、静止画と比較して情報量の多さから商材への理解をより深めることで、より高いコンバージョン率を実現する、と考えられます。

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同様の事例について、動画クリエイティブと静止画の反応ユーザーの違いについてのデータがあります。

旅行・交通業界某社のYahoo!ディスプレイ広告(運用型)の配信事例では、同条件で配信した動画クリックユーザーと静止画クリックユーザーのうち、重複しているユーザーは全体のわずか3.7%でした。

動画クリエイティブと静止画では、反応するユーザーが大きく異なっているのです。

この結果からも、静止画、動画いずれかではなく、静止画と動画の両方のクリエイティブを配信することで、より網羅的にユーザーのクリックやコンバージョンを獲得できることが期待できます。

したがって、動画と静止画の両方を配信し、それぞれの効果を見ながらPDCAを回すのが最適な選択肢であると言えます。

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動画クリエイティブを考える上で忘れてはいけないのが、各デバイスへの最適化です。

パソコンに比べてスマートフォンでは、視聴時間が短い一方で視聴頻度が高いため、一般的に短尺のクリエイティブが求められると言われています。

実際、Yahoo! JAPANの動画コンテンツにおいてスマートフォンとパソコンの利用状況を調べたところ、視聴頻度はスマートフォンが2.4倍であったのに対し、1回当たりの視聴時間はパソコンの25%でした。

またその利用タイミングについてのデータから、スマートフォンでは主に移動時間に利用されていると想定できます。

これらのデータから、RC総研の見解としては、スマートフォンでは30秒以下の比較的短尺で、シンプルかつ分かり易い動画クリエイティブが求められていると考えています。

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*上記記載情報は2021年8月時点のものです。
*PDFでご覧になりたい方は下記よりダウンロードしてください。

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