命令としての靴

 ゆっくりと膨らんだ その鼠たちに
 なにをいおうかとわたしはいった
 そこにある
 幸福の予感は 徹底的に笑っていた
 その日々を美しくトレースすると
 猫はわたしになった

 こっちからそっちへと いくくらい
 なんてことはないのですから…
 というべきか、いわないべきか
「結婚式はつねに柔らかいものです。
 でもそんなあなたのために、腹立たしくなるときもあるでしょう。そのときは鯨を取りに行きましょう」
という名スピーチの例文がのった例文集。
 これはなぜだが、結婚式ではなく
 お葬式のスピーチ?弔事になっている。
 わたしは笑った。とにかくね。
 とにかく笑いました。
 そうしたらいつも 手汗がでてきた。
 チャンピオンはそこにいた、いたが
 どうなるんだろうか?

 わたしは わたしである
 ここから哲学の命題ははじまる。
 命題ははじまる。そして、なぜか、
 終わりまで行く前に中断する
 それはだいたい教師が飽きるか死んでしまうから

 わたしは、靴を食べた。靴を女のように食べた
 男のように文字も食べた 最後女のように
 ということも
   男のように ということも
 食べた。 食べぬいた。すると
 それを形容するものが 近場にはなく
 旅へ出ることになったのだった

 わたしは匍匐前進をする
 一匹の物質(ところどころ空虚を含む)
 であるべきだと 法則にいわれる
 法則の語る声を聞き続ける しっかりと
 しかと わたしは聞き続ける わたしには
 信じがたいことだけれど
 もうちょっとちゃんと空の色を食べないで
 寝かしておくのもいいんじゃないか?
「あなたは
 実際 完璧な宇宙人を演じてるの?
 どうも 地球人には思えない」
 といわれた。
 そのとき、涙が流れた。どばどばと
 しかし、
 わたしは皮膚科に行く日だった
 その女の子は太っていた
 わたしの、足は痩せていた
 グルーンと 宇宙が揺れて 妄想する
 幸福な列車が 命令形のように空を繋げる

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