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患者が医者を選ぶことの重要性について考えてみた


シンヤナオです、こんにちは。

今日はいわゆる『セカンドオピニオン』について、つい最近自分の身に起こったことをもとに語ろうかと思う。

さて、私はよく分からないカタカナが嫌いだ。だから少し噛み砕いた言い方をして、読んでくれている方と認識の共有をはかっておこうかと思う。

セカンドオピニオンとは​─────

“主治医以外の第二の医師の見解を聞く”

ということらしい。

つまり行きつけの、かかりつけのお医者さんの言うことにだけ耳を傾けるのではなく、処置に不満や疑問があれば別のお医者さんにも意見を聞きましょうということを言っているのだ。


【私の身に起こったこと】

私は最近四日ほど大きな病院へ入院する羽目になった。

私が患った疾患は『扁桃炎』である。

扁桃炎というのは、喉ちんこの両脇にある窪み、扁桃腺がウイルスや細菌によって炎症を起こし、高熱が出る。子供によくみられる疾患だ。

軽度のものなら、安静にしていれば放っておいても免疫機能が問題なく原因となるウイルスや細菌を退治して正常化する。

しかし、重度のものになると扁桃部分が大きく腫れて膿が溜まり、喉が塞がって水も食事も摂れなくなってしまう。その状態を『扁桃周囲膿瘍』というのだが、私はこれになってしまったのだ。



【初動】

私は最初に扁桃の腫れを認識した日の翌日の朝、39℃の高熱と共に目を覚まし、会社に休暇を出した。

午前中のうちにかかりつけの内科医を受診し、コロナウイルス・インフルエンザウイルス・溶連菌の抗原検査を受け、いずれも陰性。血液検査によるとウイルス性ではなく黴菌によるものだそうだ。

自宅で安静にしていたが、この時点で処方された薬に対して僅かな疑念を抱いていた。


【二日後】


熱は39℃のまま、扁桃の腫れは引くどころか悪化し、ただただ床に伏すばかりだった。
前述したように痛みで水も食事も摂れない状態になっており、かかりつけ医の処置に対する疑念が強まる。

以下が私が処方された薬だ。

  • 解熱鎮痛剤

  • 炎症止め

  • 胃の粘膜を守る薬

これらは原因となる菌に対して作用するものではなく、あくまでも“症状を和らげる”という薬で、世間的に言うところの対症療法というものだ。

つまり症状を抑えているうちに免疫機能によってなし崩し的に回復へ向かわせる治療法でしかない。ならば、私自身の免疫にその力が無かったらどうなってしまうのだろう​─────


【決断】

その日の夜、痛みにより48時間以内にたったの2Lしか水分を摂取出来ず、唾液を飲み込むのにも激痛を伴うため、常にそれらを洗面器に吐き出し続け、排尿時は脱水を起こして濃縮された尿によって便器が赤茶色に染まるようになった頃、私は再び考えた。

対症療法でこの菌と戦う者は誰だ?と。
それは言うまでもなく私自身であり、私の免疫機能だ。

では、免疫機能のエネルギー源はなんだ?
それは私が経口摂取する水分や食事の栄養素に他ならない。そして、それは今期待できない。

ならば、誰がこの疾患を治すんだ?

愚かな私でも自分自身に疾患が認められた時、その症状からどんな病気であるかや、有効な処置などをスマートフォンで調べるくらいのことはする。

私がかかりつけ医の処置に疑問を覚えたのは“抗生剤”の処方がなかったことだ。

血液検査の炎症反応値(CRP)によって細菌が原因であるとわかった場合、抗生剤の投与が有効だということ。そして症状が甚だしい場合には点滴による投与が望ましいことを私はスマートフォンで調べて、初動の段階で知っていたのだ。

恐らく医者はこういうどこかで聞き齧ったような知識や、素人の考えを聞かされるのは本当にうんざりするだろうが、私がこの時すべきだったことは“指摘”ではなく『もし、このまま腫れがひかずに水も食事も摂れなくなった場合はどうなりますか?』という“質問”だ。

さて、この忌々しい菌どもと戦う力が私の身体に無い以上、点滴による水分と栄養素、抗生物質の投与を行うしかないのではないかと私はやっと思い至った。

明日、別の病院へ行ってみよう。いや​、一晩明かすのが怖い。もしかするとこの膿瘍は私が寝ているうちに更に肥大化して、呼吸すら妨げるかもしれない。

恐ろしくなった私は両親に連絡をとり、大きな病院の救急外来へと連れて行ってもらった。22時のことだった。


【入院】

救急処置室へ通されるとすぐに点滴が始まった。

程なくして救急の医師から『今すぐに入院が必要』と告げられた。

そのまま病棟へ連れていかれた私は四日間お粥のような食事を食べながら点滴を打ち続けることになる。


【総括】

今回のことで私が学ぶべき教訓

  • 扁桃の腫れは内科ではなく耳鼻咽喉科が専門医にあたること

  • かかりつけ医の処置に疑問を感じたらその場で申し出るか、すぐにその足で別の病院へ行くこと

  • 症状について調べ、悪化した時のことを想像して医者に質問しておくこと

もし私のかかりつけ医が初動で何日か分の抗生剤を処方してくれていたら、きっと私が入院する可能性は低かっただろう。

しかし私は彼を糾弾したいわけではない。医者という職業は人間がおこなっているにも関わらず、ひとつミスがあれば誰からも批判されてしまうような職業だ。これくらいのことは許容すべきだと思う。

それよりも、なにか疑念があれば自分自身の判断で質問したり、身体が動かせるうちに第二の選択肢をとる行動力がこちらに欠けていたことの方を私は問題視するべきだ。

コロナウイルス感染症が第5類に引き下げられて、マスク着用が緩和された影響でコロナウイルス以外の感染症が流行りだしていると聞く。みなさんも十分に注意して、初動で速やかに後悔のない決断を。


今回の件で私が消費した有給休暇は四日間。そして医療費の総額は10万円にものぼる。

10万円を握りしめて3泊4日どこかへ旅行するという消費の仕方が出来なかったことを本当に残念に思う。




追伸
こういう時、独身の一人暮らしは本当に心細いからいけないね…

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