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289 いつでも死ねるという状況をつくる

 死にそうなときに、「ああ死にたくない、この財産はお嫁さんにあげたくない」とか、「私が死んだらうちの会社は、息子はどうなるのか。こいつは会社を倒産させるかもしれない。困った、困った」などというのは、バカで生まれて、死ぬときにさらにバカになっているということです。そうではなく、きちんと死を観察して生きれば、無智で生まれても智慧を完成させて死ぬことができるのです。ですから、我々は「いつでも死ねる」という状況をつくらなくてはいけません。死ぬときに、「このまま死んだら困ります」という状態ならかわいそうなのです。私は「あなた、今、死ねる?」と問いかけます。「ああ大丈夫、準備OKだ」と言えるなら、とてもすばらしいことです。きちんと「死」を知っている、最高の幸福に達することのできる人間だという証拠なのです。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第5章 老病死に向き合い、人生を豊かにする《死》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【業/苦/死―アルボムッレスマナサーラ法話選12012年 p237】

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