「田村セツコ展」に行って
23年3月展覧会の記録。
イラストレーター・田村セツコさんの展覧会に行った(東京・弥生美術館)。
自分自身は、子どものころに田村さんの絵で育って思い入れがある…というわけではなく、むしろここまでほぼ存じ上げずに来てしまったのだけど(ごめんなさい💦)、ネットで見かけた本展イラストのハッピーな感じに心惹かれて、そして女性イラストレーターの先駆けであり、1958年のデビュー以来現在も活躍されていて、と田村さんの人なりにも興味を持ち、観に行った。
3月12日(日)、弥生美術館へ。展示は1・2階にかけて、初期の少女雑誌の仕事から、セツコグッズ、名作文学の装画・挿絵、イラスト原画、油彩画、ご自身の言葉、思い出の品々など盛りだくさん。玉手箱を開けたら、キラキラしたものがいっぱい出てきた感じ。
小説好きとしては、文学関係の作品を興味深く観た。あしながおじさん、若草物語、ふしぎの国のアリスや、おちゃめなふたご、はりきりダレルのシリーズもの。
どれも優しくキュート。小学生の時に出会っていたら、大人になっても忘れられない思い出の絵になっていただろう。子ども、特に小学生の読書にとって、挿絵の力はとても大きいから。
絵はもちろん、ご自身の言葉も印象的だった。
うろ覚えで恐縮だが、「少女はだれでもちょっぴり孤独を抱えている」という内容の文があった。なるほど確かに田村さんの絵は単にハッピーなだけではない。孤独や寂しさがあって、それでも明るく前向きに…というメッセージが込められている気がした。
これも正確ではないが(メモしておけば良かった💦)、「日常をちょっと異邦人のように見る」というような言葉もあって、ここら辺が田村さん流生活を楽しくする秘訣なのだろう。
次は俳句を。
”間違って大人になったような人”
これは会場で笑ってしまった。先生、僕もそうなんです!
途中、田村さんのイラストにメッセージが貼れるファンサービスがあった(写真撮影可)。メッセージびっしりで、みなさんの愛を感じました。
2022年まで文芸誌「きらら」の表紙を担当されるなど、現在まで精力的に活動されていて凄い。それを支えているのは旺盛な好奇心・ワクワク感なのだろう。先日観た柚木沙弥郎さんの言葉「ワクワクしなきゃ作れない」を思い出す。きっと田村さんもそうなのだろう。
子どものころから田村さんに親しんでいた方には懐かしく、私のような入門者にもエヴァーグリーンな輝きがたくさんあって、どちらにも楽しめる展覧会だった。
最後にポストカードと雑誌「illustration No 237」を購入。「illustration」には田村セツコ特集があり、ロングインタビュー、年表、これまでの作品が多数掲載されていて、大変ありがたい。
そして後日、関連本を何冊か買った。『若草物語』『おちゃめなふたご』、小学生に戻った気持ちで読んでみようかな。
(おまけ)
弥生美術館の隣は竹久夢二美術館で、同じチケットでどちらも観れてお得。この時は「夢二が描いた 心ときめく花と暮らし」展が開催されていた。最近、夢二に縁があるなあ(前回の記事もご覧ください)。
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