米元 広樹|ゲームアーキテクト

数字でエンタメやゲームを面白くする方法について、100本以上のゲーム開発運用支援経験を…

米元 広樹|ゲームアーキテクト

数字でエンタメやゲームを面白くする方法について、100本以上のゲーム開発運用支援経験を元にお届けする業界でもレアな人。プロ向けゲームプランナー講座も実施中。東大(理一→機械)→AGC(旭硝子)→DeNA→起業7年目(株)Precious Analytics CEO

最近の記事

  • 固定された記事

NFTゲームをヒットさせるために絶対に必要なバランス設計の観点

ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、最近引き合いの増えてきたNFTゲームの設計に関するお話を書いていきたいと思います。 ※なお、NFTゲームは別名ブロックチェーンゲームやクリプトゲームなどと言われますが、本記事ではNFTゲームと呼称を統一します。 気づけは1万文字を超える分量になってしまったので、ゆっくりお時間のあるときにでも読んでいただけると幸いです。 さて、皆様ご存知の通り、ここ1年NFT関連については、メタバース同様かなり機運が高まっています。 また、ゲー

    • 広告にお金をかければゲームは売れるのか?

      ゲームアーキテクトの米元です。 キノコ伝説について前回の記事で解説しましたが、今回はドット勇者などの無限成長モデルの広告戦略について触れていきたいと思います。 前回の記事はこちら この無限成長モデルに限らず、売れているゲームについては、グラフィックが豪華でお金をかけているから、あるいは広告にお金をたくさん使っているから売れているように感じられるという方も多いと思います。 今回は、この広告への投資戦略について少し解説をしていきたいと思います。 特にキノコ伝説は、かなり

      • キノコ伝説から見るヒットの下地

        ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、直近セルラン上位に来ている「キノコ伝説」というゲームの設計についての簡単な分析レポートになります。 【キノコ伝説:勇者と魔法のランプ】 まず、キノコ伝説の売上がどれくらいすごいのか、こちらのデータを見ていただければと思います。 日本ではリリースしてから6日で12.4億の売上となっており、AppStoreランキングも最高2位となっています。 なぜ売れたのか?については多くの人が気になっているポイントかと思いますが、再現性のない運

        • ソシャゲ業界にかけられた呪いの打ち破り方

          無限成長モデル概要前回「ガチャ合成育成モデルの呪い」と題して、今の日本のアプリゲーム業界の足枷になっている部分の解説をさせていただきましたが、今回はそこから脱却するための一つの方法である「無限成長モデル」について解説していきます。 前回の記事はこちら 無限成長モデルの設計の概要は、下記の4点となります。 ①深い育成設計  ⇒キャラ単位でも育成が完了しないくらいの超深い設計と高インフレ設計 ②サーバーグルーピング  ⇒インストール時期ごとにサーバーでユーザーを分割して、後発ユ

        • 固定された記事

        NFTゲームをヒットさせるために絶対に必要なバランス設計の観点

          ガチャ合成育成モデルの呪い

          パルワールドのヒットについて今まさに話題となっているパルワールドですが、すごい勢いがありますよね。 もちろんゲームが当たるかどうか、成功事例は運要素も大きいので、再現性がない部分を分析すること自体はあまり意味がないですが、パルワールドでは昨今のヒットしているパッケージゲームが導入している要素である、オープンワールド、クラフト&ビルド、そして収集&育成の要素を取り入れた上で、しっかりと全体が整うような設計になっています。(遊ぶとハマる仕組み) 【パルワールド】 このあたり

          ガチャ合成育成モデルの呪い

          ユーザーの定着する経済圏設計の具体的な方法 - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略③

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、前回の記事に引き続き、ブロックチェーンゲーム(BCG)の経済圏設計で新規ユーザーを獲得するための具体的な方法について書いていきたいと思います。 第1回記事はこちら 第1回からの流れとして、新規ユーザー獲得のためには、既存のF2Pとは違う新しい体験の提供が必要であり、その一つが、BCGでやりやすくなったトレードを活用した経済圏設計によるゲーム性の提供ではないかというお話をさせていただきました。 そして、そういう経済圏設計のためには

          ユーザーの定着する経済圏設計の具体的な方法 - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略③

          挑戦しているふりをする人- 固着おじさんについて

          ゲームアーキテクトの米元です。 実は、先日ちょうど40歳を迎えまして、そのタイミングでFBで書いた内容が結構好評だったので、こちらでも書いてみることにしてみました。 なので今回の話は完全に個人の印象なんですが、よく社内では「固着おじさんとは」という話をしていまして、それについてのお話です。 30代の頃に感じた40代の人への違和感 これは何かというと、特に30歳になったあたりから、ひとつ上の世代の40代の人と接しているときに、時々「この人話が入らないな」という印象を持つこ

          挑戦しているふりをする人- 固着おじさんについて

          経済圏設計と新規ユーザー集客の関係性 - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略②

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、前回の記事に引き続き、ブロックチェーンゲーム(BCG)で経済圏設計が新規ユーザー獲得に与える影響について書いていきたいと思います。 経済圏設計とユーザー獲得の関係について新規ユーザー獲得のためには、体験価値がめんどくささを上回る必要があるというお話は前回書かせていただいたのですが、おそらく、体験価値=新鮮さをイメージされた方が多いのではないかと思います。 もちろん、F2Pではできないような経済圏設計の面白さが新鮮さに繋がる部分は大

          経済圏設計と新規ユーザー集客の関係性 - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略②

          なぜブロックチェーンゲーム(BCG)は普及しないのか? - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略①

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、業界が抱える悩みである、ブロックチェーンゲーム(BCG)の普及について書いていきたいと思います。 ブロックチェーンゲームの現状 現在、色々な開発チームが、新たなブロックチェーンゲームへのチャレンジをしていて、様々なゲーム会社さんが参入されたり、新しいBCGがどんどん発表されています。 一方で、現実に目を向けると多くの人が認識している通り、ブロックチェーンゲームはまだかつてのブラウザソーシャルゲームのような盛り上がりには至っていません

          なぜブロックチェーンゲーム(BCG)は普及しないのか? - 新規ユーザー獲得のためのBCG戦略①

          Play and Earnのゲーム設計のポイント

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、最近少しずつ話題に挙がってきているPlay and Earnのゲーム設計について解説します。 Play and Earnについて Play to Earn と Play and Earnの違いは、誤解を恐れずにざっくり書くと、稼ぐためにプレイする、ということと、遊んでいると場合によっては稼げることもある、ということの違いです。 つまり、Play and Earnの場合は、必ずしも稼ぐことが目的ではない、ということになります。

          Play and Earnのゲーム設計のポイント

          売れるNFTゲーム開発の為に知っておきたい。経済圏設計ってなに?

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、ゲームの経済圏を設計するとはどういうことなのか、について書いていきたいと思います。 経済圏とは? まずは、経済圏という言葉の意味を調べてみましょう。 国際的または国内的に密接な経済関係のある一定の地域。 では、経済というのはどういうものなのか?これについても調べてみましょう。 ㋐人間の生活に必要な財貨・サービスを生産・分配・消費する活動。また、それらを通じて形成される社会関係。 ㋑金銭のやりくり。「わが家の経済は火の車だ」

          売れるNFTゲーム開発の為に知っておきたい。経済圏設計ってなに?

          NFTゲームヒット戦略 - ヒットを一過性で終わらせない長期経済圏設計のコツ【後編】

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、前回の続きの、NFTゲームを一過性ではなく長期的な真のヒットにするための戦略を書いていきたいと思います。 前回の記事はこちら 前回の概要・当たるかどうかは運要素が強いこと、今はまだゲーム設計も確立されていないので、作り込まずにまずは出すことを行う ・一方で、当たったときに一気に売上が下がるというのが、ソシャゲ時代も、今のNFTゲームでも起こっているので、長期的な経済圏設計は事前にやったほうがいい ・長期的に持続する経済圏の設計は下

          NFTゲームヒット戦略 - ヒットを一過性で終わらせない長期経済圏設計のコツ【後編】

          NFTゲームヒット戦略 - ヒットを一過性で終わらせない長期経済圏設計のコツ【前編】

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、NFTゲームを一過性ではなく長期的な真のヒットにするための戦略を書いていきたいと思います。 ゲームのヒットは博打? まず、前提として、ゲームがヒットするかは運要素が大きいです。 といっても、なんの考えもなく作るということは当然なく、ゲーム開発側は、しっかりと市場動向を調査し、アートやゲーム設計などもユーザーに受け入れられるように綿密に設計を行い、しっかりと戦略を立ててゲーム開発を行います。 それでも、結局は出してみないとわからな

          NFTゲームヒット戦略 - ヒットを一過性で終わらせない長期経済圏設計のコツ【前編】

          NFTゲームで資産価値を生み出す設計

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、NFTゲームにおいて最も重要な、NFTゲームで資産価値を創出するために必要な注意点について、解説していきたいと思います。 ※なお、NFTゲームは別名ブロックチェーンゲームやクリプトゲームなどと言われますが、本記事ではNFTゲームと呼称を統一します。 ゲーム内で対価を支払いたくなる理由 そもそものお話になりますが、F2Pなどのゲームで課金をしたりガチャを引きたくなるのは何故でしょうか? よくあるのは、強いカードを手に入れて、他のユ

          NFTゲームで資産価値を生み出す設計

          失敗しないNFTゲーム経済圏設計

          ゲームアーキテクトの米元です。 前回の記事では、長続きするNFTゲーム運用が困難であるシビアな理由について簡単にまとめさせていただきましたが、おかげさまで思いの外反響をいただきました。 今回は、長続きするNFTゲーム運用のためには必須となる、NFTゲームにおける経済圏の作り方について、解説していきたいと思います。 といっても、完全に成功したモデルがあるわけではないので、NFTゲームで経済圏を回すためのヒントとなりそうなことについてまとめさせていただければと思います。

          失敗しないNFTゲーム経済圏設計

          長続きするNFTゲーム運用が困難であるシビアな理由

          ゲームアーキテクトの米元です。 今回は、NFTゲームで求められるバランスのシビアさについてお話させていただきます。 目下F2Pゲーム開発経験のある会社さんの参入や参入の検討をされているところが多いのですが、前回の記事(NFTゲームをヒットさせるために絶対に必要なバランス設計の観点)で触れましたとおり、NFTゲームでは、普通のF2P(FreeToPlay, 基本無料型,いわゆるソシャゲ)のアプリゲームのようなバランス設計をやってしまうと上手く行きません。 今回は、その詳細

          長続きするNFTゲーム運用が困難であるシビアな理由