記憶力を高める方法

◯なかなか覚えられないのはなぜ?

記憶術の話をする前に、まず頭に入れておいて頂きたいことがあります。それは、「人間の脳は忘れるようにできている」ということ。脳は最も消耗の激しい器官とも言われており、記憶を維持するだけでもたくさんのエネルギーを必要としています。人間は日常生活の中で膨大な量の情報に接していますが、そのすべてを記憶していたら、脳がパンクしてしまいます。そのため、脳は記憶する情報を極力少なくしようとするわけです。つまり、本来、脳は“忘れるようにできている”のです。「覚えようとしているのに覚えられない」のも「覚えたのにすぐに忘れてしまう」のも、脳のはたらきからすれば当然のこと。「頭が悪くて困る」などと悲観することはありません。人間なら仕方のないことなのです。言い方を変えれば、「簡単に覚えられない」のが当たり前のことなのです。記憶のためには、時間と努力が必要なことも確かです。しかし、脳のはたらきを知り、記憶のメカニズムを上手に活用すれば、効率的に記憶することが可能です。

◯「忘れない」とは「短期記憶」を「長期記憶」に変えること

パソコンのワープロソフトや表計算ソフトで入力したものは、放っておけば残りますが、シャットダウンすれば消えてしまいますね。これが「短期記憶」です。でも、データを保存すれば、シャットダウンしてもハードディスクに残ります。これが「長期記憶」です。いつまでも残ってくれるのは「長期記憶」ですが、すぐにアクセスできるのは「短期記憶」ですから、どちらも両方必要です。とはいえ、勉強面で必要なのは、「長期記憶」の方ですよね。したがって、ポイントは「いかにして短期記憶を長期記憶に変えるか」という点になります。人間の脳のうち「海馬(かいば)」という部位が新しい記憶を司るとされています。ここで「海馬」が情報の必要・不必要を判別して、必要な情報を「短期記憶」から「長期記憶」に変えてくれるわけです。


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