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頭が良い人で賢い人は大していないという説

世の中には、頭が良い人も賢い人も、いくらでもいる。

ただ、ある人に言わせると、頭が良い人で賢い人は、あまりいないそうだ。

このある人を、仮にAさんとしよう。

恐らく、Aさんの意味する「頭が良い」とは、IQや学歴が高いということ。そして、「賢い」とは、EQが高くて人間関係などの立ち回りが上手いということだろう。

これを最初に聞いたときは、「うん、そうかも」と一瞬思った。

ただ、振り返ると、パシールの周りには、頭が良くて賢い人が結構いたのだ。おまけに、性格も家柄もセンスも良くて、ついでにお金持ちだったりもした。

こうなると、凡人には到底敵わない条件が揃ってしまう。

One of 凡人のパシールは、大都会に出て世の中にはスゴイ人たちが沢山いることに驚いたものだ。そして、自分の不出来さにイジケそうになった日々もあった。

とは言え、様々な意味でアッパークラスの人たちにも人間味があり、凡人が悩まない様なことで落ち込んでいるサマを見ると、「あら意外」「可愛らしいじゃない」「人って面白い」と感じられることも多々あったのだ。

人間は完全ではないものだからして、Aさんのいう「賢い」が、どこまでのレベルだったのかは今となっては分からない。

ただ、申し訳ないが、Aさんが生活していた環境に、頭が良くて賢い人がいなかったのではないかと思うのだ。

Aさんは生涯、田舎暮らしで、都会や会社勤めは無縁だった。

そして、時が経つにつれ、この「もっともらしい」説を思い出すたびに、Aさんの無念さや悔しい感覚が伝わって来るようになった。

Aさんの真意は、「私は学歴やキャリアはないけれど、それらを持っている人たちよりは賢い」だったのではないだろうかと。

仮にAさんが自分に言い聞かせるために、そう言っていたのなら、それはそれで良し。

でも、こういう考え方を、これから世の中に出て行く子供や孫に言い伝えていくのはどうだろうか。

現代の子なら、「そういうのもあるかも~」「じゃあ、私/僕は頭も良くて賢い人になる」はOKだ。

けれど、もし目上の人のことを素直に信じてしまう子なら「頭が良い人は大したことが無さそうだから、勉強はホドホドにして賢い人になろう」と捉えてしまう可能性はある。

勿論、有名大学に進み、大きな会社に勤めてキャリアを得ることが必ずしも立派なことではない。そして、本人がそれらを望まなければ、それはそれで良いのだ。

でも、世の中は広い。

頭が良くて賢い人は思っている以上に存在する。この事実は残酷ではあるけれど、子供や孫が知っておくべきことだとパシールは思っている。



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