ベイスターズの現状②

3 野手

3.1 捕手

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個々の寸評
今シーズンスタメン機会が多いのは戸柱です。伊藤光が登録抹消になったことでスタメンを任せられるようになりました。首脳陣からの評価も高く、特にコントロールの良い投手とは無類の安定感を見せます。フレーミング技術も春のキャンプで自信を深めたようです。また、盗塁阻止率も向上しているところも見逃せません。守備面では成長を見せたものの、来年以降もスタメンに残るには打撃向上が課題となります。
嶺井はバッティングが良くなり、時には代打起用をされるまでになったことは意外なところでした。反面、リード面の評価が高くないのか、スタメン起用は少ないです。試合途中から起用されることも多く、以前は「抑え捕手」という役割を担うこともありましたが、山﨑の不調で今シーズンはそのような起用がありません。
高城は今シーズンから横浜に戻り、以前のように濱口専属捕手としての役割を確立しています。濱口のようなリードの難しい投手を導いており、一定の評価を得ています。打撃でも序盤はホームランを量産し話題となりましたが、最近はさっぱりという打席が多くなっています。打席の半分が三振という状況は正直いって厳しいです。
伊藤光は今シーズンも正捕手かと思われたのですが、序盤に真相は不明(ケガ?不仲?)ですが、登録抹消となり二軍生活が続いています。能力的には正捕手一番手なのは間違いないので、来期は正捕手に返り咲いてほしい選手です。

総評
今シーズンは意外な形で戸柱がメイン捕手となりました。しかし、打撃に課題があり、レギュラーを掴んだとは言えないでしょう。嶺井も控えとしては十分ですが、スタメンを勝ち取るほどの信頼がない状況です。高城も打撃が課題で控え捕手の域を出ないです。伊藤光が総合的に勝るのですが、果たして来シーズンはどうなるのでしょうか。

3.2 内野

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個々の寸評
シーズン当初は1Bロペス、2Bソト、3B宮崎、SS大和という布陣でしたが、だいぶ様変わりしてきました。ロペスは年齢の問題もあり、低空飛行な状態が続き登録抹消となりました。
現在一軍に上がっており、このままいけば日本人枠になることは大きいでしょう。来期復調してバリバリの活躍を望むのは厳しそうです。
ソトは来日してから最も苦戦しているシーズンですが、それでもOPS.850あるのはさすがといったところ。さらに、セカンドでは守備範囲は広くないものの無難にこなし、チーム事情によってファーストやライトを守れるというユーティリティ性は高く評価できます。ただ、来期の契約の問題は拭えないのでなんとか残留してほしい選手です。
宮崎は安定した活躍を見せており、課題を挙げるなら守備ですが現状問題なく、競合する選手もいないため、来期もケガなくプレーしてもらえればレギュラーは固いでしょう。
大和の守備はさすがで、今期はバッティングでも好調なスタートでした。やや数字を落とし、ケガで抹消となりましたが、倉本や柴田も結果を残しているので来期はまた競争となりそうです。
柴田は主にセカンドでの出場ですが、ショート・サードもハイクオリティに守れるチームとして助かる存在です。今年はバッティングでも結果を残し、OBP.350、OPS.700前後をマークし、確たる評価を得ています。反面、足を使えずレギュラーとして使うには物足りないのも事実です。
倉本は見事復活を果たし、現在ではショート一番手として起用されています。三割を超える打率をマークし、アプローチの改善も顕著です。ただ、この選手もレギュラーとして使うには弱く、来期も調子次第の起用となりそうです。
中井はセカンドの控えや代打として、開幕から一軍に帯同し続けています。出場機会は少ないものの、控えとしてチームを支えています。ファーストやサードもできるので、起用の幅が広いことも魅力です。
山下は戦力外寸前からまさかの這い上がりで代打の切り札として活躍しています。アプローチが改善され、なんとか結果を残そうとする姿はファンの心を熱くさせます。
伊藤裕、百瀬は少ない起用となりましたが、伊藤裕については2年目の飛躍が期待されただけに少し残念です。


総評
横浜は特に二遊間が弱い状況が続いていましたが、今シーズンはショートの日替わり起用などもあり、他球団並みになりました。両サイドのソト・宮崎は安定しており、大きな穴はなっています。しかしながら、優勝を目指すとなるとまだまだ二遊間は弱く、内野全体で現在起用している選手は年齢的に伸びしろが少ないので、下からの突き上げに期待したいところです。

3.3 外野

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個々の寸評
今シーズンはLF佐野、CF梶谷、RFオースティンが基本的な布陣です。
佐野は新キャプテンで4番という重責を担いシーズンに臨みましたが、予想を上回る活躍で現在首位打者筆頭となっています。筒香の穴を埋めて余りある成績で、技術も高いことから長く活躍ができる選手になったことは今後のベイスターズの新たな強みになることでしょう。
梶谷もキャンプ、オープン戦などで当初の予定の神里からレギュラーを奪い、キャリアハイといえる活躍です。一番バッターでありながら、OPS.900前後をマークしており、逆方向に意識を置くなど新たなスタイルがバッチリとハマりました。
オースティンもシーズン前から素晴らしいバッティングでホームラン王を狙える期待がありました。確かにバッティングは良いものの、ケガで出場できないことが多々あり、満足いくシーズンではないかもしれません。手を抜かないことは素晴らしいことですが、フルシーズン戦えるスタイルを模索してほしいところではあります。
神里はセンターのレギュラーを期待されましたが、現状は控えに甘んじています。波が激しく、打てるときと打てないときの差が大きく、また左投手に脆さを見せることが多く、計算し辛いバッティングでレギュラーから遠ざかっています。守備走塁は高い水準にあるので後は打撃の改善次第で来年レギュラーを目指せる選手であると思います。
乙坂は代打が中心ですが、ここまではあまり成績を残せていません。圧倒的なものがないため、打撃で結果を出せないと中途半端な立ち位置にあるので、取って代わられるかもしれません。
桑原は打撃が完全に崩れてしまい、かつてのレギュラーの面影もなくなりつつあります。とにかくバッティングを戻すことからでしょう。
細川は少ない打席ですが、アプローチの改善が見ていて顕著で脆さが減ったところは成長を感じさせました。外野が弱いチームであればもっと起用されたと思いますが、佐野・梶谷・オースティンが揃うとなかなか使えないのがもったいないところです。
楠本は今季飛躍が期待されましたが、少ない機会で結果を残せませんでした。二軍では圧倒的な成績を残しているので、まずは乙坂の役割から一軍の定着を狙っていきたいところです。
蝦名はルーキーながら、一軍出場のみならずホームランまで放ち、将来性を見せました。現在一軍帯同しており、首脳陣からの期待の高さがうかがえます。

総評
シーズンが始まるまでは、「筒香の穴」をどう埋めるかと言われていましたが、佐野が素晴らしい活躍で期待以上の成績を挙げています。佐野・梶谷・オースティンのレギュラー陣はOPS.900前後をマークしており、打撃での貢献は文句なしです。控えはやや寂しいところがありますが、二軍で結果を出している期待の選手が多く、激戦の外野陣となっています。

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