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【FeliCa×ICタグ】世界の中のFeliCa

ソニー社が次世代のFeliCaチップの開発を発表しました。
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202009/20-074/
なので、今回は世界においてのFeliCaの位置、生き残り策を考えます。

まず新商品を簡単にまとめると、
クラウドと連携可能で不正利用を防ぐFeliCaセキュアID等新機能を追加しているとのこと。2020年11月頃の販売開始です。
RC-S120商品ページ
https://www.sony.co.jp/Products/felica/business/products/RC-S120.html

FeliCaはすでに※累計14億個以上のカード向けICチップ、およびモバイルFeliCa ICチップを出荷されています。国内のICタグ(HF帯)では、デファクトスタンダードといえるICチップです。
※2020年6月末時点

国内では実績のあるFeliCaですが、海外ではMIFAREがデファクトスタンダードです。MIFAREは、NXPセミコンダクターズ社の製品です。
およそ25年前の開発当初の技術レベルは、FeliCaが圧倒的といえましたが、コスト差が大きく(FeliCaが高い)FeliCaは世界でシェアを取れませんでした。

何故FeliCaは世界シェアを取れなかったのでしょうか?
それは、FeliCaはSuicaの交通券として、反応スピードも高く、壊れずに長く使える。またデポジットでお金を受け取り、電子マネーで経済で儲かるのに対して、

MIFAREはセキュリティ機能はあるけどFeliCaには劣る、ただシステム開発が簡単で、壊れてもICが安いので、買い替えしやすいとしていました。
当然、MIFAREが拡販され大量製生産し、コストも安くなっていきます。つまりSONYは半導体メーカーの位置戦略とは、間違って開発してしまったといえます(日本のガラパゴス化もありますが)。

それでは実際に、FeliCaLITE-SとMIFAREの実際のコストを比較します。
ある中国企業のウェブサイトの価格では、

FeliCa US$0.4~0.6
MIFAREUS$0.29~0.36

となっています。
※これは中国のメーカー価格(世界で販売)であり、日本メーカーの価格とは大きく異なりますので注意ください。
国内メーカーだとおよそ単価20円差になりますが、ご覧の通り2倍近く差がつけられています。
世界で売れているため、生産量が圧倒的にMIFAREが多く、コスト差は広がっていくと考えられます。

そして品質面の話になりますが、
実際にMIFAREはセキュリティに脆弱性が発見されています。ただし世界でも大きな問題になっていない上、日本でも不正コピーの実例がないということもあって、国内大手のセキュリティメーカーにも標準採用されています。のでコストが安くて、使いやすいのは、変わりません。

実は、国内でもFeliCaレスの動きが見られます。
まず、Apple PayやGoogle PayのNFCスマホ決済普及により、FeliCa搭載が必要なくなる可能性がある。
さらにQRコードやVISAがすすめるタッチVISA等新しい決済方法の普及があります。

FeliCaには厳しい状態が今後も続きますが、生き残るためには生産量を維持および、増加せねばなりません。

そこで、チャンスになるのが自動車キーへの採用です。


https://www.cnbc.com/amp/2019/11/09/the-demise-of-the-car-key-tesla-lincoln-ditch-keys-for-mobile-entry.html

テスラモデル3ではカード型キーが採用されています。
当然国内自動車メーカーが、カード型キーを採用すればかなりの生産量となります。
また、自動車内は暑くなりやすく、通常のICカードは壊れやすい環境です。最近の猛暑でもETCカード挿しっぱなしが故障に繋がると話題になりました。
壊れて、車が開けられないときは困りますよね。
ここは、国内カードメーカーの高い技術で、Suicaのように壊れないFeliCa搭載カードを作ってもらう必要があります。
自動車がスマホで開けられれば一番いいのですが、
スマホのハッキング対策等リスクを考えるとハッキングされづらいアナログなFeliCa採用がいいと思えます。

そして、現在自動車キーのイモビライザーは、複製方法が簡単になり、複製サービスも街で見かけるようになりました。
自動車メーカーとしては、簡単に複製できると犯罪が起こる可能性も高まりますのでぜひICタグ化をすすめてもらいたいです。

他にも政府が進める鉄道インフラ輸出にあわせて、FeliCa普及を狙っているようですが、やはりコスト高で、ベトナムやインドネシア、インド、ミャンマーといった国々ではうまくいっていません。

以上

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ICタグ・RFIDコンサルタント JAISA認定RFID専門技術者 「文系RFID人材」 ・ICタグメーカーにて営業及びマーケ活動 ・月間自動認識 ICタグ関連記事4回寄稿 ・2017年&2019年矢野経済研究所取材 RFID市場の現状と展望レポートを掲載 夢 ICタグ書籍出版
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